<スコップ三味線の宿>
青森の宿で、スコップ三味線にすっかりハマってしまった。
古牧温泉「青森屋」という宿で、だ。
この古牧温泉にはまだ破綻前、バブルのころに日帰りではいったことがあり、そのころのここの施設全体の敷地の広さ(二十二万坪)に驚いたものだ。
夕食がすんでしばらく時間がたったあと、地下にある広場のようなところで、ショーが行われた。
わたしがいったときには、賑やかの祭り囃子がちょうど終わるころだった。
続いて、父娘による民謡や津軽三味線が終わると、このスコップ三味線が始まったのである。
エアギターという「芸」と、曲をバックに流すところが同じであるがあとはかなり違う。
演奏の出だしで、栓抜きの「撥」でスコップを軽く弾きながら持ち手の先あたりを巻くようにいじりまわし、入念な調弦(チューニング)を披露して観客を軽く笑わせてくれる。
客の気持を掴んだところで、バックにながれる津軽三味線の曲の調子にあわせて、栓抜きとスコップを器用に使って弾き真似をするのだ。
左手はスコップの柄を三味線の棹の部分にみたてて、忙しく指を上下させて弦を押さえる真似をして、右手の栓抜きでスコップを叩いて音を出す。
音が出るのは、柄の先のスプーン状の刃の裏側がメインである。通常出る音はひとつだが、凹んだ部分を上手く使うと二つの連続した音が生まれる。上級になると、さらに柄の部分も使用するそうだ。
津軽三味線の強く弾いたときは、強く叩いて音を出す。弱い時は弱く。
(凄い・・・。どんだけ練習しているのだろう)
これを何人ものひとが、同時に同じ動作で演奏するのだから圧巻だ。
ここのメンバーが、第三回スコップ三味線世界大会で優勝したというのも頷ける。ちなみに賞品は「津軽塗のスコップ」で、ガラスケースに入れられて飾られている。
最後に観客も参加して一曲舞台でできることになったが、参加したひとも芸人はだしが多く、ノリまくって、これが観てるだけでも笑えて笑えて最高に楽しかった。
スコップの数に限りがあるのでわたしは選ばれなかったのがまことに残念至極、本当はぜひともやりたかったのである。
ここは温泉もなかなか素晴らしい。
水のうえに浮かぶ、この宿自慢の開放的な露天風呂、「浮湯」。
広い池に張り出した湯船にはいり、池の中央に向かって歩いていき際までいくとすぐそばに鯉が泳いでいる。
夜はライトアップされて、きわめて幻想的な入浴ができるのだ。
内湯の浴槽には、薬研温泉と同じように青森ヒバを使用している。
浴槽だけではなく、壁や天井にまでふんだんにヒバのために浴室全体が香り高いものとなっていた。
わたしには、ちょっと奇を衒いすぎているように思える露天風呂より、こちらの内湯のほうが好みであった。
朝食を一番で食べると、部屋に急いで戻り、荷物をかついでチェックアウトした。
この宿が、今回の北海道旅の最後の宿となった。
後部座席に荷物を放り込むと、三沢駅に近いここからはるか七百五十キロ先の横浜を目指し、気合いをいれてエンジンをかけた。
→「薬研温泉」の記事はこちら
青森の宿で、スコップ三味線にすっかりハマってしまった。
古牧温泉「青森屋」という宿で、だ。
この古牧温泉にはまだ破綻前、バブルのころに日帰りではいったことがあり、そのころのここの施設全体の敷地の広さ(二十二万坪)に驚いたものだ。
夕食がすんでしばらく時間がたったあと、地下にある広場のようなところで、ショーが行われた。
わたしがいったときには、賑やかの祭り囃子がちょうど終わるころだった。
続いて、父娘による民謡や津軽三味線が終わると、このスコップ三味線が始まったのである。
エアギターという「芸」と、曲をバックに流すところが同じであるがあとはかなり違う。
演奏の出だしで、栓抜きの「撥」でスコップを軽く弾きながら持ち手の先あたりを巻くようにいじりまわし、入念な調弦(チューニング)を披露して観客を軽く笑わせてくれる。
客の気持を掴んだところで、バックにながれる津軽三味線の曲の調子にあわせて、栓抜きとスコップを器用に使って弾き真似をするのだ。
左手はスコップの柄を三味線の棹の部分にみたてて、忙しく指を上下させて弦を押さえる真似をして、右手の栓抜きでスコップを叩いて音を出す。
音が出るのは、柄の先のスプーン状の刃の裏側がメインである。通常出る音はひとつだが、凹んだ部分を上手く使うと二つの連続した音が生まれる。上級になると、さらに柄の部分も使用するそうだ。
津軽三味線の強く弾いたときは、強く叩いて音を出す。弱い時は弱く。
(凄い・・・。どんだけ練習しているのだろう)
これを何人ものひとが、同時に同じ動作で演奏するのだから圧巻だ。
ここのメンバーが、第三回スコップ三味線世界大会で優勝したというのも頷ける。ちなみに賞品は「津軽塗のスコップ」で、ガラスケースに入れられて飾られている。
最後に観客も参加して一曲舞台でできることになったが、参加したひとも芸人はだしが多く、ノリまくって、これが観てるだけでも笑えて笑えて最高に楽しかった。
スコップの数に限りがあるのでわたしは選ばれなかったのがまことに残念至極、本当はぜひともやりたかったのである。
ここは温泉もなかなか素晴らしい。
水のうえに浮かぶ、この宿自慢の開放的な露天風呂、「浮湯」。
広い池に張り出した湯船にはいり、池の中央に向かって歩いていき際までいくとすぐそばに鯉が泳いでいる。
夜はライトアップされて、きわめて幻想的な入浴ができるのだ。
内湯の浴槽には、薬研温泉と同じように青森ヒバを使用している。
浴槽だけではなく、壁や天井にまでふんだんにヒバのために浴室全体が香り高いものとなっていた。
わたしには、ちょっと奇を衒いすぎているように思える露天風呂より、こちらの内湯のほうが好みであった。
朝食を一番で食べると、部屋に急いで戻り、荷物をかついでチェックアウトした。
この宿が、今回の北海道旅の最後の宿となった。
後部座席に荷物を放り込むと、三沢駅に近いここからはるか七百五十キロ先の横浜を目指し、気合いをいれてエンジンをかけた。
→「薬研温泉」の記事はこちら
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