温泉クンの旅日記

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会津若松のカレー焼きそば

2011-12-21 | 食べある記
  <会津若松のカレー焼きそば>

 幸せの黄色いカレーという、記事のなかでわたしは次のように書いた。

  『高校時代、学校の食堂ではラーメンとカレーライスが食べられた。それ以外のメニューと営業時間などはまったく
   思いだせない。
   食べ盛りとはいえタダではないから両方頼めず、どちらかを選ばなければならない。

   あるとき、生徒のひとりが無理をいった。
  「おばちゃん、大盛ラーメンにそのカレーをのっけてくれる?」
   このころカレーラーメンをメニューに載せている店はなかった。
  「あいよ」

   おばちゃんが出来上がったラーメンに、大きな寸胴鍋からカレー汁をひと掬いかけてくれた。
   その生徒が旨そうに食べているので、わたしも試したらこれがけっこうイケるのだ。これは学校中の男子生徒に
   流行ったのである。
   そんなわけで、いまでも残ったカレーをラーメンにのせて食べている。ちなみにラーメンは即席麺の醤油味が
   ばっちり合ってよろしい。』

 だから、焼きそばにカレーのルーをかける「カレー焼きそば」もまったく抵抗はない。
 というか、ぜひとも食べてみたい。



 会津若松は広い意味での「食」について福島県のなかでも中途半端だそうである。
 わたしの言ではなく、地元在住の古いひとがそう言うのだ。

「会津ラーメン」は、「喜多方ラーメン」の喜多方にまるで歯がたたないし、福島県のご当地土産になるような菓子については、郡山が上位をすべて独占している。
 歴史ある郷土料理の「こづゆ」、「わっぱ飯」、「棒タラ煮」などがあるがパンチに欠け、大衆受けが期待できず「全国区」にはいまひとつである。

 蕎麦もあるが、これは長野と山形にはかなわない。新潟にも福井にも鳥取にもいい勝負をされそうである。それに蕎麦は、福島では会津若松というより山都が有名だ。
 なにか会津若松の街起しの起爆剤になる「食」はないのだろうか。会津若松だけのオリジナリティーが欲しい。
B-1グランプリに出品できそうな一品が・・・。

 そうして出てきた一品が、「カレー焼きそば」である。
 テレビがこれに食いつき、その番組を観て、わたしも待ってましたと食いついてしまった。

 まずは発祥の店にいったら、なんと臨時休業であった。
 この一品、扱っている店舗数も少ない。それに地元にまだあんまり認知されていないようで「あれれ!」という感じであった。タクシーの運転手に訊いてもまったく知らなかった。それも二人に訊いたのである。

 ようやく、みつけた店は「くるくる軒」という店で市役所近くであった。





 迷わず、「カレー焼きそば」を注文した。ここのは塩焼きそばがベースである。



 そこから地元客と思われる人達で混み始めるのだが、他のメニューばかりで誰もカレー焼きそばを注文しない。そういえば「らーめんと餃子の店」と書いてあったもんなあ。うーむ・・・やーな感じ。

「はい、お待ちどうさま」



 炒飯のようにスープ付きなのが嬉しい。
 テーブルに運ばれるまでの間ずうーっと「品物」に注がれる好奇の目が、最終目的地のわたしを見上げてピタリと止まり、慌てて視線を逸らす。
(・・・・・・・)
 いただきます、と小声で言って割り箸を割った。

 ふむ、いけるじゃないか。どこかで食べたような・・・味だ。
 二口、三口食べて納得した。



 カップめんで、カレーヌードルがあるが、まさしくその味である。だから安心して食べられるのだが、あの、高知の鍋焼きらーめんのような感動はまるで起きなかった。
 塩焼きそばだからで、ソース焼きそばベースだったらまた違う味わいがあるのかもしれないが。

 食べきって、思う。
 まずは地元客に認知してもらうのが先なんだろうなあ、と。


  →「幸せの黄色いカレー」の記事はこちら
  →「喜多方ラーメン」の記事はこちら
  →「鍋焼きラーメン」の記事はこちら

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