温泉クンの旅日記

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大沢温泉 岩手・花巻 ①

2007-04-22 | 温泉エッセイ
  <大沢温泉 岩手・花巻>

 ①大沢温泉自炊部棟 




(久しぶりだなあ花巻温泉郷・・・やはりまた来てしまった、大沢温泉・・・)

 この温泉にはまたいつかきっと来るな、という予感めいたものを感じるようにな
った。ここもそうだ。
 自炊部の玄関をあがってすぐの簡素な帳場で、立ったまま宿泊者用の短冊のよう
な縦長の用箋に住所氏名などを書き込むと、横にあるビニールレザーの古い長いす
で担当の番頭を待った。
 土曜日のせいか日帰り客がどんどんはいってくる。帳場の横は休み処となって
いる。



 今週始め。ああ、猛烈にどこか温泉にいきたい。それも心から行きたい温泉に。
そうしてゆっくり連泊したい。そんな思いに突き上げられた。
 さて、どこに行こうか悩んでいたとき、JRの北東北のキャンペーンポスターを
ふと思いだした。よし、あのなかにあった岩手花巻の大沢温泉に行ってみるか。

 水曜日、大沢温泉の自炊部に電話したらこの土曜日と日曜日があいていたので、
急遽旅に出ることにしたのだった。
 金曜の正午、会社を飛び出すとゲンかつぎの不動一の煎餅を買い、途中でデジ
カメ用の単三電池を買い求め、横浜の家に帰り旅支度するとすぐに出発した。

 ワンシーズンまったく運転をしていなかったので一気に岩手を目指さず、福島県
は郡山南インターすぐの日帰り温泉施設「なりた温泉」に泊まることにした。ここ
は内湯より露天風呂が温泉ぽくていいようだ。
 翌朝早く出発して早すぎたので時間つぶしに遠野に立ち寄り、午後三時前に大沢
温泉に到着したのだった。



「お待たせしました。お部屋にご案内します」
 ほどなくして、宿の半纏をまとった格闘技でもやっていそうな大柄な番頭さんが
戻ってきて、重いパソコンがはいったケースを軽々と持ち上げた。
「お客様の靴は・・・では、それもお持ちください」
 下足箱から自分の靴を片手に、わたしもザックを肩にして半纏番頭の大きな背中
を追った。

 前をいく半纏番頭はギシギシと廊下と階段を盛大にきしませながら進む。
 割り当てられた部屋は木造棟の二階で入り口に「中館30号室」と書いてあった。
襖が閉められた各部屋の前に、三段ぐらいの文庫本用の本棚を深くしたような下足
箱があり、そこに靴をいれる。向かいの下足箱をみると新品の大きな運動靴と小さ
な運動靴。カップルだろうか。スリッパが二足廊下に出ているから在室ということ
だ。



 四畳半かと思っていたのに六畳の部屋であった。
 フスマの鍵はなかからだけ掛かる。中は空っぽの冷蔵庫、ポット、茶道具などが
置いてある。押入れにシーツ、枕カバーをセットした枕。



 小机に無料のテレビが載っており、となりに茶箪笥の上の部分のみが置かれてい
た。長逗留の客はきっと持ち込んだ食器などで使用するのであろう。


 (次回は料金の話)

  → 大沢温泉 岩手・花巻②はこちら

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