温泉クンの旅日記

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松江しんじ湖温泉(3)

2016-08-14 | 温泉エッセイ
  <鯛めしの老舗宿(3)>

 皆美館の客室数は約十数室で、他に離れがある。



 和室が多い宿だが、わたしが案内されたのは洋室のツイン部屋だった。
 ドアを入ってクローゼットの前を進むと、部屋は左右に分かれる。いわゆる横長の部屋で広い窓にはベネチアン・ブラインドが下がり、さらにその内側に遮光シェードがあった。
 わたしが支払う料金を考えると一番狭い部屋のはずだが、とにかく広い・・・。ビジネスホテルのツイン部屋の倍はたっぷりありそうだ。

 左手側には広めのツイン・ベッドがある。



 さらにその奥には、こちらも広めのソファ・セットがあった。



 外で飲み過ぎ、酔いつぶれてこのソファで寝入ってしまい夜中に目を覚ますとは、この時点では想像だにしていなかった。

 ソファの横の冷蔵庫の上には、洒落た縦長の壺に入ったアルカリイオン水が用意されていた。



 逆側、ドアから入って右側が化粧室でトイレ、バスが並ぶ。



 立派すぎる化粧台の上にはアメニティーがずらりと用意されているが、わたしが使うのは髭そりと歯磨きくらいである。他の宿ではめったにみかけない、うがい薬や病院の入り口でみかけるアルコール消毒薬のボトルもあった。

 クローゼットには浴衣のほかにパジャマも置いてあった。なんとバスローブもある。
 いつものバトルスーツの浴衣のほうにいったん着替えて、浴場に向かった。



 浴場入口横の小部屋みたいなところに立派な壺が置いてあった。丁寧に手入れされている壺だが室町時代の常滑大壺だそうだ。





 部屋のある階のエレベーターホールにも壺が飾ってあって、よく見ようと近づきすぎてガラスに頭突きしてしまったが、ガラスの拭き清めを含めてこの皆美館の清掃の行き届きぶりにはまったく感心させられる。名君松平不昧公の「客の心になりて亭主せよ」の教えを引き継いで社訓としているそうだが、たしかに随所に感じたのでなるほどと頷けた。
 小体で清潔な更衣室で想像するとおり、小ぢんまりとした浴場である。



 いいとこ三、四人で窮屈になりそうな浴槽で洗い場も狭いが、いく度に独り占めだったのがありがたかった。





 温泉は、さすがに同じ島根の温泉津温泉なみとはいかない。塩化物泉の循環濾過・加水・加温なんでもありありだが、もとより高級料亭である。わたしもこの宿では温泉を高望みしていなかったのでまったく不満はない。

 皆美館だが、わたしのなかで忘れがたい宿のひとつに間違いなくなるだろう。



  →「鯛めしの老舗宿(1)」の記事はこちら
  →「鯛めしの老舗宿(2)」の記事はこちら
  →「温泉津温泉(1)」の記事はこちら
  →「温泉津温泉(2)」の記事はこちら



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