温泉クンの旅日記

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大沢温泉 岩手・花巻④

2007-05-03 | 温泉エッセイ
  < 大沢温泉 岩手・花巻④ >

 ④食事処

 混浴風呂から汗だくでいったん部屋に戻ると、年季のたっぷりはいった滑りの
悪い曇りガラス窓をあけて身体の火照りを冷ます。トタン屋根の向こうに物干し台
のような造りがあり、その向こうは緩やかな崖になっている。万一火事でもあった
ら、この窓から逃げることにしよう。
 立て続けに温泉をこなしたせいか腹がへってきた。というか呑みたい。
 部屋を出る前にまず、ちょっとでも酔ってしまってからでは億劫になる寝床の
準備をした。

「お食事処やはぎ」はまだ開いたばかりだった。




 奥のほうのテーブル席に腰掛けて、メニューを手に取った。若い仲居さんがお茶
を運んできて、注文が決まったらテーブルにあるファミレスで見かけるボタンを
押して呼んでくださいとのことである。喋り方が初々しいから学校で出たばかり
かもしれない。

 メニューをざっと紹介すると、まず麺類から、かけうどん・そば370円、天麩羅
うどん・そば680円、天ざるうどん・そば1,050円、中華そば470円、味噌ラーメ
ン・野菜ラーメン・とんこつラーメンがそれぞれ680円、鍋焼きうどん(冬季)790
円。ひっつみは470円。

 丼物は、親子丼630円、天丼・カルビ丼・いくら丼(冬季)が840円。
 おなじみのカレーライスは470円、カツカレー840円、エビピラフ630円。お子様
セット400円。

 定食は、日替わりAが840円、日替わりBが630円、天麩羅定食・とんかつ定食・
生姜焼定食がそれぞれ1,000円、ステーキ定食・海老フライ定食・刺身定食が1,050
円、一番高いやはぎ定食で1,900円である。

 飲み物のほうは、ビール630円、生ビールは小が370円・中520円・大840円、お酒
420円、水割り520円、焼酎水割り320円、焼酎ウーロン割り420円。
 ついでにお汁粉は300円とあった。長くなるのでつまみ系は省略する。

 いろいろ書いたが、千円札一枚プラス五十円玉一枚持ってれば、一品以外のすべ
てが食べられるということだ。中華そばかカレーライスで一食すませば470円、500
円玉でお釣りがくるのだからエライ。
 そして昼も夜もメニューは変わらない。とにかく手ごろな料金で嬉しくなって
しまう。

 眼があったので手をあげて仲居さんを呼ぶと、焼酎の水割りと揚げたこ焼きを
注文した。
 テレビが世界水泳をやっていて、その台のところに新聞や週刊誌がおいてあっ
た。テレビの前にポットがおいてあり、湯呑茶碗が山積みになっている。

 焼酎をゆっくり楽しんでいるうちに、数組の客がはいってくる。日帰りの客だろ
う夕食をとって帰る一団が、座敷席に陣取り元気にステーキ定食だのラーメンだの
を頼んでいた。
 わたしと同じようなひとりで逗留している丹前姿の客もいる。中年のひとりは
元気一杯に生ビールを注文し、離れたところにいる初老の静かなひとり客は、自分
でお茶をいれ席に座ると本日の日替わり定食の内容を訊いている。

(・・・しかし露天風呂にはマイッタ。明るいうちからカノジョ、あんな透明な
温泉によくはいってくるなあ。タオルだって濡れれば相当重くなるだろう
し。・・・結局あのカレシも太っ腹だよなあ)
 わたしにはまずできないなあ・・・。体形的だけ太っ腹なわたしはひたすら感心
してしまうのだ。

 ところで所持金は一万円で、残りは帳場に預けてある。いちいち帳場を煩わせて
密封された封筒を開封して現金を補充するのも面倒だ。
 今日の夕食と明日の三食、それに明後日の朝食、煙草と酒などを賄うわけである
から、この食事処でベロベロになるほど呑むわけにもいかない。昨夜呑んだ「黒霧
島」の紙パック芋焼酎がまだ半分ほど残っている。割るのは売店の冷蔵庫でみかけ
た「龍泉洞の水」を買おう。



 焼酎を三杯呑むと、もう一度メニューを吟味してエビピラフを注文した。



 C級グルメの本領発揮という感じだけれど、温泉をたらふく堪能して、お仕着せ
でなく食べたいものを食べられるのが掛け値なく嬉しい。それに、まだまだまるで
呑み足りないから軽めでいいのだ。

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3 コメント

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う~む (にゃぁ)
2007-05-04 18:44:23
温泉さま!
これは頂けません・・・
スキルのない飯屋は、「ちょっと・・・」って感じです。
ピラフも、これ、冷凍物じゃないですか???
今回の喰い所、全体に怪しい(?)ですよ!
集客できない、でも店はやらなきゃならない、しかし注文には応えなきゃならない・・・
そんな悲惨な店の主人の、心の叫びが聞こえてきそうです。
絶対、このピラフ、インスタントですよ!炒めるだけの・・・。
そして、「ピラフ」っていう、温泉様の注文を聞いた時の、店の人の顔色が想像できます。
一瞬青くなって、それから苦笑に変わる瞬間!(つまり、うちじゃ、できない!この客、何でメニューの中で、その一品選ぶのか!っていう恨みと、冷蔵庫にしまっておいた冷凍食品を思い出した瞬間の安堵感)
多分、わたくしめ、同じ味の「ピラフ」を、温泉様にご馳走できると思いますよ・・・。
返信する
まさか・・・???!!! (にゃあ)
2007-05-04 18:49:54
温泉様!!!!!
ピラフとチャーハンは違うって・・・
お分かりでしょうか・・・
えっ!
ごめんなさい!!!
返信する
う~む、まさか?? (温泉クン)
2007-05-04 19:47:21
にゃあさま
やはり、食い物の話には食いついてきましたね。

自炊できないわたしですから、餓えを満たせれば・・・って、なにを言わせるのですか!
結構、おいしいんだってば。

でも、笑えるコメントありがとうございます。
なんで、よりにもよって豊富なメニューからこの一品頼むか、って面白い!

今後ともよろしくお願いしますね。(お下品なのはやめてね)
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