<五島軒のイギリスカレー>
レトルトのカレーも、バカにせずにたまに食べる。
だいたいいつも選ぶレトルトカレーは二種類で、ボンカレーと函館カレーが多い。
ボンカレーは百円以下の辛めの味のものを買い、即席のこちらも安い袋麺の醤油味のラーメンに載せて食べる。
函館カレーはボンカレーの軽く三、四倍近い値段ということもあって、カレーライスとして食べる。この函館カレーが、五島軒でつくられているのだ。
函館で、昼食になにを食べようかと悩んだことはまずない。
昼だったら五島軒のカレーと迷わずに決めているからだ。
せっかくなので、いつも旧館の入り口のほうから店にはいる。

この本店旧館の建物は北海道初の登録有形文化財である。
創業は明治十二年(1879年)だから、もう百三十年を超える老舗レストランである。屋号は初代料理長だった五島英吉からとったものだ。
ここからは函館のメインの観光地はすこぶる近い。
黒服に丁重に案内されてテーブルにつく。
頼むものは「イギリスカレー」と鉄板で決まっているのだが、いちおう運ばれた年季のはいった革製のメニューに眼を通す。カレーもいろいろな種類があって初めてなら迷うだろう。そうだイカン、このレストランはカレーだけでなく、フランス料理やロシア料理も一流なのであることを言っておく。


お得なセットメニューがあったので、それに決める。

らっきょ、紅ショウガ、福神漬け、ピーナッツ、ニンニクチップがはいった付け合わせが届き、煙草が吸えないのでピーナッツをポリポリ齧る。
食器類は銀とみた。器はノリタケかな。
わたしがはいった時間が、すでに昼のピークを超えたようで引き潮のように客が去っていった。

お待ちかねのカレーが到着する。

五島軒のカレーだが、初代の料理長である五島英吉がハリストス正教会でロシア料理を習得したところから始まり、二代目料理長の若山徳次郎が帝国ホテルで修行して函館の食材に合わせて生み出した味である。 平成元年に天皇・皇后両陛下が函館を訪れた際には、昼食にここ五島軒で「リッチ鴨カレー」を召しあがったそうだ。
さてと、胃袋が「早く早く!」とせっつくので、さっそくカレーをライスにかけ廻していただく。

(うん! これこれ! やっぱりこいつが函館の昼の味や!)
ひと言でいうと、まろやかなのに深い味わい、のコクのあるカレーだ。あれ、ぜんぜんひと言になっていないのに気がつく。ビーフもほどよく味が沁みて口中でほどける。
まあね・・・、絶対に、誰もが、満足できる味ということだよ、お立ち会い。
アラとか欠点とか見つからない、つけいる隙はまるでないんだ。
食べ終わるころに、昼食客の次の波なのかサンドイッチなどの軽食や、ケーキセットを頼む客が次々とはいってくる。
セットの珈琲も決して老舗の名に恥じない味だ。

名門クラシックホテルで提供されるカレーと遜色はないのに、超庶民的な料金は驚く。施設もだ。(頼む、驚きなさい)
この旨いカレーに、サラダと珈琲もついて、千二百六十円とはなんなんだ。名門クラシックホテルなら倍の値段は軽く超えてしまうのに。
しかも五島軒の駐車場に車を停めたまま、観光してしまうような図々しいわたしには観光地の駐車料金も込みの、付加価値満載、豪華だが格安のカレーなのである。
そうだ、あともう百円玉三枚出してケーキも賞味すればよかったな。
ここ五島軒はケーキも旨くて有名なのである。
レトルトのカレーも、バカにせずにたまに食べる。
だいたいいつも選ぶレトルトカレーは二種類で、ボンカレーと函館カレーが多い。
ボンカレーは百円以下の辛めの味のものを買い、即席のこちらも安い袋麺の醤油味のラーメンに載せて食べる。
函館カレーはボンカレーの軽く三、四倍近い値段ということもあって、カレーライスとして食べる。この函館カレーが、五島軒でつくられているのだ。
函館で、昼食になにを食べようかと悩んだことはまずない。
昼だったら五島軒のカレーと迷わずに決めているからだ。
せっかくなので、いつも旧館の入り口のほうから店にはいる。

この本店旧館の建物は北海道初の登録有形文化財である。
創業は明治十二年(1879年)だから、もう百三十年を超える老舗レストランである。屋号は初代料理長だった五島英吉からとったものだ。
ここからは函館のメインの観光地はすこぶる近い。
黒服に丁重に案内されてテーブルにつく。
頼むものは「イギリスカレー」と鉄板で決まっているのだが、いちおう運ばれた年季のはいった革製のメニューに眼を通す。カレーもいろいろな種類があって初めてなら迷うだろう。そうだイカン、このレストランはカレーだけでなく、フランス料理やロシア料理も一流なのであることを言っておく。


お得なセットメニューがあったので、それに決める。

らっきょ、紅ショウガ、福神漬け、ピーナッツ、ニンニクチップがはいった付け合わせが届き、煙草が吸えないのでピーナッツをポリポリ齧る。
食器類は銀とみた。器はノリタケかな。
わたしがはいった時間が、すでに昼のピークを超えたようで引き潮のように客が去っていった。

お待ちかねのカレーが到着する。

五島軒のカレーだが、初代の料理長である五島英吉がハリストス正教会でロシア料理を習得したところから始まり、二代目料理長の若山徳次郎が帝国ホテルで修行して函館の食材に合わせて生み出した味である。 平成元年に天皇・皇后両陛下が函館を訪れた際には、昼食にここ五島軒で「リッチ鴨カレー」を召しあがったそうだ。
さてと、胃袋が「早く早く!」とせっつくので、さっそくカレーをライスにかけ廻していただく。

(うん! これこれ! やっぱりこいつが函館の昼の味や!)
ひと言でいうと、まろやかなのに深い味わい、のコクのあるカレーだ。あれ、ぜんぜんひと言になっていないのに気がつく。ビーフもほどよく味が沁みて口中でほどける。
まあね・・・、絶対に、誰もが、満足できる味ということだよ、お立ち会い。
アラとか欠点とか見つからない、つけいる隙はまるでないんだ。
食べ終わるころに、昼食客の次の波なのかサンドイッチなどの軽食や、ケーキセットを頼む客が次々とはいってくる。
セットの珈琲も決して老舗の名に恥じない味だ。

名門クラシックホテルで提供されるカレーと遜色はないのに、超庶民的な料金は驚く。施設もだ。(頼む、驚きなさい)
この旨いカレーに、サラダと珈琲もついて、千二百六十円とはなんなんだ。名門クラシックホテルなら倍の値段は軽く超えてしまうのに。
しかも五島軒の駐車場に車を停めたまま、観光してしまうような図々しいわたしには観光地の駐車料金も込みの、付加価値満載、豪華だが格安のカレーなのである。
そうだ、あともう百円玉三枚出してケーキも賞味すればよかったな。
ここ五島軒はケーキも旨くて有名なのである。
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