<伊東温泉、会心の一日(3)>
「芋焼酎の水割りと・・・お刺身の『独身』をとりあえずください」
この店の自慢料理の刺身盛り合わせは一人前が「独身」九百八十円、二人前が「三男」千九百六十円、三人前が「次男」二千九百円、四人前が「長男」三千九百円となっている。
外湯「小川布袋の湯」で身体からきれいさっぱり昼の酒毒が抜け、宿で一服すると完全に素面状態にリセット完了した。さて、そろそろ一杯やりにいくとするか、と元気いっぱいで湯の花通りに向かったのだった。
よく呑む店は三軒あるのだが、最近は刺身が安くて旨いこの「U」をもっぱら選ぶ。値段は都会の一人前くらいでも内容は大違い。新鮮な魚介が種類も多彩で量も半人前くらいは多いのだ。地元客も多くて安心できるし、若いスタッフの接客もなかなかで居心地がよろしい。
人気がある店なのに予約の電話をいれずに相席でも潜り込めたのはラッキーだった。もっとも、今日はツキがあるのでなんとなく予感はあったが。カウンターが空いているようだが予約でいっぱいなのだ。
旨い刺身にはやっぱり旨い日本酒に限る。
ちょっと多いかもしれないが、なんとかなるだろうと思いきって八海山の四合瓶を頼むことにした。泥酔したとしても、勝手知ったる伊東の町だ。宿まで歩いて帰れる自信はある。
ついでに「やっこ豆腐」と「ホタテバター」を追加する。
豆腐もハズレなしの好みの味で、ホタテもぷりっぷりでバターと醤油が効いて味わい深い。
最後に頼んだ「クリームチーズ味噌漬け」がやたら酒に合って、四合瓶を綺麗に呑みほした。最近よく食べる醤油漬けのチーズも大好きだが、この味噌漬けもたまらない。癖になりそうだ。
さきほどから客が何組も扉を開けては満員ですと断られて、いかにも残念そうな背中をみせて引きあげていく。うむ、そろそろわたしは引きあげ時だろう。
帰りにいつも通らない近路をとったら灯が輝いている蕎麦屋をみつけて、吸い込まれるように暖簾を潜ってしまう。
かけ蕎麦を頼もうとして、メニューに目玉焼きをみつけて途端に気が変わり、熱燗を頼んでしまう。
常連らしい男性が入ってきて迷わずラーメンを頼んだ。新聞を読みながら蕎麦でなくてラーメンを啜っているのが、なんとなく気になるワンシーンである。
気がつくと朝で、宿の布団のなかだった。
最後(たぶん)の蕎麦屋で何合呑んだかも、かけ蕎麦を食べたこともまったく思いだせない。
昨日の最後の辺の記憶だけは喪失したようだが、充実した、会心の一日であったことは間違いない。
→「伊東温泉、会心の一日(1)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(2)」の記事はこちら
→「宿酔いにはこのソフト」の記事はこちら
「芋焼酎の水割りと・・・お刺身の『独身』をとりあえずください」
この店の自慢料理の刺身盛り合わせは一人前が「独身」九百八十円、二人前が「三男」千九百六十円、三人前が「次男」二千九百円、四人前が「長男」三千九百円となっている。
外湯「小川布袋の湯」で身体からきれいさっぱり昼の酒毒が抜け、宿で一服すると完全に素面状態にリセット完了した。さて、そろそろ一杯やりにいくとするか、と元気いっぱいで湯の花通りに向かったのだった。
よく呑む店は三軒あるのだが、最近は刺身が安くて旨いこの「U」をもっぱら選ぶ。値段は都会の一人前くらいでも内容は大違い。新鮮な魚介が種類も多彩で量も半人前くらいは多いのだ。地元客も多くて安心できるし、若いスタッフの接客もなかなかで居心地がよろしい。
人気がある店なのに予約の電話をいれずに相席でも潜り込めたのはラッキーだった。もっとも、今日はツキがあるのでなんとなく予感はあったが。カウンターが空いているようだが予約でいっぱいなのだ。
旨い刺身にはやっぱり旨い日本酒に限る。
ちょっと多いかもしれないが、なんとかなるだろうと思いきって八海山の四合瓶を頼むことにした。泥酔したとしても、勝手知ったる伊東の町だ。宿まで歩いて帰れる自信はある。
ついでに「やっこ豆腐」と「ホタテバター」を追加する。
豆腐もハズレなしの好みの味で、ホタテもぷりっぷりでバターと醤油が効いて味わい深い。
最後に頼んだ「クリームチーズ味噌漬け」がやたら酒に合って、四合瓶を綺麗に呑みほした。最近よく食べる醤油漬けのチーズも大好きだが、この味噌漬けもたまらない。癖になりそうだ。
さきほどから客が何組も扉を開けては満員ですと断られて、いかにも残念そうな背中をみせて引きあげていく。うむ、そろそろわたしは引きあげ時だろう。
帰りにいつも通らない近路をとったら灯が輝いている蕎麦屋をみつけて、吸い込まれるように暖簾を潜ってしまう。
かけ蕎麦を頼もうとして、メニューに目玉焼きをみつけて途端に気が変わり、熱燗を頼んでしまう。
常連らしい男性が入ってきて迷わずラーメンを頼んだ。新聞を読みながら蕎麦でなくてラーメンを啜っているのが、なんとなく気になるワンシーンである。
気がつくと朝で、宿の布団のなかだった。
最後(たぶん)の蕎麦屋で何合呑んだかも、かけ蕎麦を食べたこともまったく思いだせない。
昨日の最後の辺の記憶だけは喪失したようだが、充実した、会心の一日であったことは間違いない。
→「伊東温泉、会心の一日(1)」の記事はこちら
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