温泉クンの旅日記

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熱い湯と冷たい蕎麦

2013-03-13 | 食べある記
  <熱い湯と冷たい蕎麦>

 まさか、こんなに早くまた温海温泉に来るとは思わなかった。
 酒田からの帰り、前回に食べ損ねた蕎麦を食べに来たのである。

 開店前であるのを承知で「大清水」までとりあえず行ってみる。



 厨房を、開いている窓から覗くと、もう仕込みをしているようだ。
「今日の開店時間は何時でしょうか」
 ここは十一時だったり、十一時半だったりするので事前の確認である。
 十一時半、との答えに、まだ三十分ばかりあるのでひと風呂浴びてさっぱりすることにした。酒田の宿では酔いつぶれてシャワーすら浴びていない。

 前回に泊まった「かしわや旅館」の前に横付けして、この時間の日帰り入浴が可能かどうか訊いて、だいじょうぶとの返事をもらって車を前回に利用した駐車場にいれる。

 二日酔いには朝の熱い温泉が一番である。



 掛け湯をたっぷししてから、浴槽に身を沈めていく。
 ざざぁー、と音を立てて湯が溢れだす。たまらない至福を感じる贅沢な瞬間だ。
 熱い湯にいったん身体が締めつけられ、ついで節々がほどけるときに酒精の毒ともいうべきものが汗をともにじわじわと噴き出てくる。
 頭の芯にどんより巻きつけられていた深酒も、薄紙が剥がれるように溶け落ち、しゃっきりと覚醒してくるのだ。

 熱い湯を浴び、ゆっくり入浴すると身も心もさっぱりした。
(ふーむ、腹が減った・・・)
 頭が覚醒すれば、食欲も戻ってくる。温泉の熱いご馳走のあとは、冷たいご馳走の蕎麦が猛烈に食べたくなってきた。

 さて、大清水に戻り、本日の口開けの客となる。





 座敷の椅子のテーブル席を選んで座ると、決めていたざる蕎麦を注文した。





 山形の蕎麦街道の板蕎麦屋などでは最初に漬物が供される。それもかなりたっぷりの量で、客は漬物をつまみにしてお茶を飲みながらゆっくりと蕎麦を待つのである。
 新潟のへぎ蕎麦屋も同じようなサービスでもてなしてくれる。
 この大清水は、山形の蕎麦屋と新潟の蕎麦屋のいいとこどりの店である。
だから、同じように赤カブの漬物を何度か供されたことがあるのだが、いつからか辞めてしまったようで残念である。



 山形の蕎麦の濃い味と香り、そして新潟の蕎麦に近い、細くしなやかさを持つとても旨い蕎麦である。



 蕎麦つゆも湧水の大清水がいいので絶妙に蕎麦を引きたてる。



 新潟、山形、どちらの県人にも満足できるはずだ。
 もちろん、リベンジに燃えた関東モンのわたしも大満足であった。



  >→「久村の酒場(1)」の記事はこちら
  →「久村の酒場(2)」の記事はこちら
  →「続・温海温泉(1)」の記事はこちら
  →「続・温海温泉(2)」の記事はこちら
  →「酒田の街をぶらり」の記事はこちら

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