<すすきのの、かすそば>

すすきので、二軒呑み歩いて外に出ると、夜の札幌はさすがに寒い。大袈裟かな・・・と思いながら持ってきたコートとマフラーが完全に役に立った。
もう、たっぷり酔ったので宿に帰って寝たいところだったのに、もう一軒行こうと上司が言う。
今朝は三時半に起き、東京発六時二十八分の新幹線・特急・特急と乗り継いで夕方に着いた。アルコールがもたらす眠気が強くわたしを襲う。
しかし五分も歩けばホテルに着く。東京から横浜に帰るなら電車での乗り過ごしが心配だが、それもないのだ。つきあうことにした。
「いいですよ、いきましょう」
カウンターだけの店である。

日本最北の地で酒造された「國稀(くにまれ)」の日本酒冷やと、温かいかすそばをそれぞれ二つ上司が勝手に注文する。
すすきのの締めはこの店に決めているそうだ。
(酒はいいが、なんだなんだ、その「かすそば」ってヤツは・・・)
そばかす・・・じゃあないし。ぼけ、かす、とかの罵倒する言葉を思い出し、正直いってあまり浜っ子のわたしには語感がよろしくない。天かす・・・みたいなものだろうか。訊いて食べられなくなっても困るので、出たとこ勝負でいくことに決める。
「國稀」は口当たりのいい、喉をスッと落ちていく、非常においしい酒であった。水がいいのだろう。これは、お代わりしてもいいな。
かすそばが出来あがり、カウンターに置かれた。

けっこう丼がでかい。蕎麦のうえは葱食とレイのかすだろう。食べられるだろうか。札幌ラーメンがよかったんだけど。
「めっちゃ旨いから、騙されたと思って食べてみて」
覚悟を決めて箸を割った。
「旨い!」
一口食べて、目を見張る。
蕎麦と具に絡む出汁がなんとも風味があって、絶妙な味わいである。出汁というより、あっさりしているがちょっとこってりもしている絶品のスープだ。ちなみに麺は普通で、可もなく不可もないといったところ、わかりやすく言えば超旨い立ち食い蕎麦って感じだ。北海道はたしかに新得町を始めいい蕎麦粉がとれるが、いい蕎麦打ち職人は少ない。というのがわたしの北海道での蕎麦感である。
でも、このかすそばは、これで完成された逸品だと思う。
あっと言う間に食べきって、呆れられる。
この一杯、蕎麦というより、ラーメンに近いのではないか。寒い夜にはもってこいといえる。
「かす」をあとで調べたら、細切れにした牛モツを油でカリカリに揚げた「油かす」から来ていて、大阪では「かすうどん」として人気があるとのことである。大阪の南河内が発祥らしい。
すっかり「かすそば」を気に入ってしまったわたしは、次の日の昼間にも行ってしまった。
場所の確認もかねてである。

ニッカの看板のあるすすきの交差点のすぐ近く、ラフィラのビルの裏の路地に見つけだした。かすそばの店の名は「風土」というらしい。

やはり昼間はやっていないようだが、場所はしっかり覚えた。次に札幌にきたときには、二軒目にここにしようと、心にメモする。

この店の、昨夜みた、ぐつぐつ煮込んでいていかにも旨そうだったおでんを國稀のアテにぜひ食べてみたい。

→「読んだ本2011年10月」の記事はこちら

すすきので、二軒呑み歩いて外に出ると、夜の札幌はさすがに寒い。大袈裟かな・・・と思いながら持ってきたコートとマフラーが完全に役に立った。
もう、たっぷり酔ったので宿に帰って寝たいところだったのに、もう一軒行こうと上司が言う。
今朝は三時半に起き、東京発六時二十八分の新幹線・特急・特急と乗り継いで夕方に着いた。アルコールがもたらす眠気が強くわたしを襲う。
しかし五分も歩けばホテルに着く。東京から横浜に帰るなら電車での乗り過ごしが心配だが、それもないのだ。つきあうことにした。
「いいですよ、いきましょう」
カウンターだけの店である。

日本最北の地で酒造された「國稀(くにまれ)」の日本酒冷やと、温かいかすそばをそれぞれ二つ上司が勝手に注文する。
すすきのの締めはこの店に決めているそうだ。
(酒はいいが、なんだなんだ、その「かすそば」ってヤツは・・・)
そばかす・・・じゃあないし。ぼけ、かす、とかの罵倒する言葉を思い出し、正直いってあまり浜っ子のわたしには語感がよろしくない。天かす・・・みたいなものだろうか。訊いて食べられなくなっても困るので、出たとこ勝負でいくことに決める。
「國稀」は口当たりのいい、喉をスッと落ちていく、非常においしい酒であった。水がいいのだろう。これは、お代わりしてもいいな。
かすそばが出来あがり、カウンターに置かれた。

けっこう丼がでかい。蕎麦のうえは葱食とレイのかすだろう。食べられるだろうか。札幌ラーメンがよかったんだけど。
「めっちゃ旨いから、騙されたと思って食べてみて」
覚悟を決めて箸を割った。
「旨い!」
一口食べて、目を見張る。
蕎麦と具に絡む出汁がなんとも風味があって、絶妙な味わいである。出汁というより、あっさりしているがちょっとこってりもしている絶品のスープだ。ちなみに麺は普通で、可もなく不可もないといったところ、わかりやすく言えば超旨い立ち食い蕎麦って感じだ。北海道はたしかに新得町を始めいい蕎麦粉がとれるが、いい蕎麦打ち職人は少ない。というのがわたしの北海道での蕎麦感である。
でも、このかすそばは、これで完成された逸品だと思う。
あっと言う間に食べきって、呆れられる。
この一杯、蕎麦というより、ラーメンに近いのではないか。寒い夜にはもってこいといえる。
「かす」をあとで調べたら、細切れにした牛モツを油でカリカリに揚げた「油かす」から来ていて、大阪では「かすうどん」として人気があるとのことである。大阪の南河内が発祥らしい。
すっかり「かすそば」を気に入ってしまったわたしは、次の日の昼間にも行ってしまった。
場所の確認もかねてである。

ニッカの看板のあるすすきの交差点のすぐ近く、ラフィラのビルの裏の路地に見つけだした。かすそばの店の名は「風土」というらしい。

やはり昼間はやっていないようだが、場所はしっかり覚えた。次に札幌にきたときには、二軒目にここにしようと、心にメモする。

この店の、昨夜みた、ぐつぐつ煮込んでいていかにも旨そうだったおでんを國稀のアテにぜひ食べてみたい。

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