<別府八湯 [5]柴石温泉>
海沿いの道を別府駅と逆方向に走る。
日豊本線亀川駅の海側のそばにある亀川温泉。古い旅館がいくつかあり、そのな
かにある共同浴場「浜田温泉」に向かった。
亀川温泉は、上人ヶ浜にある海浜砂湯を堪能したのであるが、温泉好きとしては
やっぱりお湯にも浸かりたかったのだ。ここも料金はありがたいことに100円であ
る。
かなり熱めの塩化物泉の湯で、たちまち眠気が飛ぶ。
柴石温泉は亀川温泉から鉄輪方面に向かう道を登っていき、途中右折して一瞬だ
け車一台がやっとという狭い道を抜けたところ、坂の右側に位置している。
江戸時代に「柴の化石」が発見されたことが名前の由来で、だから「しばいし
温泉」ではなく「しばせき温泉」と読む。
入り口の脇に飲泉所があった。
受付のある棟ではTシャツを売っていたり、すこし洒落た感じである。
「お客さんはどちらからいらっしゃいましたか?」
料金210円を受け取りながら、受付の感じのいいおばちゃんが訊いた。
わたしの前の若いひとたちにも同じ質問をしていたのだから、訪れる全員に訊い
ているのだろう。
そういえば長野の五色温泉だったか、日帰り客は車のナンバーを記入するように
なっていた記憶がある。いったいどこからこの温泉に来てくれたのか、知りたいの
だろう。この気持ちはよくわかる。
「横浜からです」
「まあ、それはそれは遠いところを。どうぞ、ゆっくりはいっていってください
ね」
こんなどうということない言葉でも、優しさがすこしでもこもれば、遠い旅先で
はありがたいものである。
内湯は浴槽が熱めのと、ぬるめのとふたつある。
亀川温泉での火照りがまだ残っているので、ぬるめの薄褐色の湯にはいる。
ここの共同浴場が持っている独特の雰囲気にひたって、どこかおちつく。
露天風呂は岩風呂になっている。
見上げれば、別府は今日も青空だ。
青空が好き、とは前に書いた(『空』の記事参照)。ひとは、いやわたしは、
天気に気分が相当左右されるのである。
とにかくひとり旅に青空はありがたい。
「いい、お湯でした」、なんでもいいからおばちゃんにひと声かけて、ここを後に
しよう。そう、心に決めた。
→別府八湯 [1]観海寺温泉
→別府八湯 [2]別府温泉(竹瓦温泉)
→別府八湯 [3]亀川温泉(別府海浜砂湯)
→別府八湯 [4]明礬温泉
海沿いの道を別府駅と逆方向に走る。
日豊本線亀川駅の海側のそばにある亀川温泉。古い旅館がいくつかあり、そのな
かにある共同浴場「浜田温泉」に向かった。
亀川温泉は、上人ヶ浜にある海浜砂湯を堪能したのであるが、温泉好きとしては
やっぱりお湯にも浸かりたかったのだ。ここも料金はありがたいことに100円であ
る。
かなり熱めの塩化物泉の湯で、たちまち眠気が飛ぶ。
柴石温泉は亀川温泉から鉄輪方面に向かう道を登っていき、途中右折して一瞬だ
け車一台がやっとという狭い道を抜けたところ、坂の右側に位置している。
江戸時代に「柴の化石」が発見されたことが名前の由来で、だから「しばいし
温泉」ではなく「しばせき温泉」と読む。
入り口の脇に飲泉所があった。
受付のある棟ではTシャツを売っていたり、すこし洒落た感じである。
「お客さんはどちらからいらっしゃいましたか?」
料金210円を受け取りながら、受付の感じのいいおばちゃんが訊いた。
わたしの前の若いひとたちにも同じ質問をしていたのだから、訪れる全員に訊い
ているのだろう。
そういえば長野の五色温泉だったか、日帰り客は車のナンバーを記入するように
なっていた記憶がある。いったいどこからこの温泉に来てくれたのか、知りたいの
だろう。この気持ちはよくわかる。
「横浜からです」
「まあ、それはそれは遠いところを。どうぞ、ゆっくりはいっていってください
ね」
こんなどうということない言葉でも、優しさがすこしでもこもれば、遠い旅先で
はありがたいものである。
内湯は浴槽が熱めのと、ぬるめのとふたつある。
亀川温泉での火照りがまだ残っているので、ぬるめの薄褐色の湯にはいる。
ここの共同浴場が持っている独特の雰囲気にひたって、どこかおちつく。
露天風呂は岩風呂になっている。
見上げれば、別府は今日も青空だ。
青空が好き、とは前に書いた(『空』の記事参照)。ひとは、いやわたしは、
天気に気分が相当左右されるのである。
とにかくひとり旅に青空はありがたい。
「いい、お湯でした」、なんでもいいからおばちゃんにひと声かけて、ここを後に
しよう。そう、心に決めた。
→別府八湯 [1]観海寺温泉
→別府八湯 [2]別府温泉(竹瓦温泉)
→別府八湯 [3]亀川温泉(別府海浜砂湯)
→別府八湯 [4]明礬温泉
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