…「天皇陵の謎」という元新聞記者が書いた本を読んだ。
私は、原則として学者が書いた本以外の古代史の本は読まない主義であるが、この人は、新聞記者として天皇陵関係の学者の情報を記事を書いてきた人なので、ある意味、一人の学者以上に色々な知識はあるようである。
目新しい古代史関係の事実を知るには良いかと思った。
この本の中で、表題に書いた『・・6世紀後半以降、前方後円墳は消滅し、方墳に変わっていく、しかし、蘇我氏系の天皇の墓は方墳であるが、蘇我氏以外の天皇系は円墳を作っている」と書いている。
勿論、これは新聞記者の言っている事でなく、彼が、学者から、集めてきた情報である。
有名な方墳は飛鳥の敏達天皇、用明天皇、推古天皇、孝徳天皇、聖徳太子などがある、これはすべて、上に書いていることと合致する。
上の墓は6世紀後半から、7世紀中ごろにかけての天皇陵であり、そのあと、大化の改新で蘇我氏が滅ぼされた7世紀中ごろから、天皇陵は8角形墓に変わっていく。
前方後円墳から始まった天皇を中心とした王の墓は、四角形、八角形と、その時々の、政治の権力情勢を反映して、権力者の意向に副った、墓の形に変化していくのである。