・・・昼のテレビ番組に、「やすらぎの刻 道」という若い時にタレントだった人だけの老人ホームを舞台にした、連続ドラマがある。
老人にも色々ある、テレビに出ている俳優は、老人と云っても、若い時と変わっていない、髪も黒々としているし、顔も皺が少ない、体形も変わらない、なんでこんな様子で居られるのかと不思議な人もいる。
しかし、ほとんどの俳優は雰囲気は若いときそのままに、その人とわかり、全体が老けた感じではあるが、髪形・服装・アクセサリーを若い時のままにしているものだから、体形や皺の多さは隠せなくて、ギャップとして、老いがより厳しく感じられてしまうことがある。
こういう人は、歳をとっても、若い時と同じ外見でいたいという願望が感じられる。
これも、老人の有り方として、あるべき在り方かもしれない。
一般の老人の場合は、今までの人生経験から、歳をとっていくにつれて、周りの人の世話にならざるを得なくなるし、社会の中で、助ける側から、助けられる側に変わっていくことを自覚している。
助けられる側に回った時は、老人は若い時と同じ感じより、老人らしく枯れた感じになっていく方が、生きていきやすいように思う。
人間が枯れるというのは、植物が水分が抜けて、脂分も抜けて行くのが枯れると同じで、その人持っている欲とか、色気とか、才気とかが自然と消えて行って、その人の存在が、安らぎを与えるような感じを言うのではと思う。
歳とともに、そうなるには、若い時と同じ環境、人間関係、考え方を持っていては、そうはならない。
人生をある時に、それまでの環境を全て、切り替えて、考えを変えた新しい人生を歩まないとそうはならないと思う。
本当に枯淡の境地になって、時の経過と同じくして、人として枯れる事が、老人のうまい老い方の様に思える。