小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて19年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

死の質とは

2014-08-27 05:05:00 | インポート
どうせ死ぬならポックリ逝きたいという人もいれば、がんで死にたいという人もいる。


がんで死にたいとは正直理解し難かったが、この本を読んでなるほどそういうことかと理解できた。
以下、心に留めておきたい部分を自分用メモに。
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アメリカの精神科医であるエリザベス・キューブラー・ロス女史は、がん患者など不治の病に見舞われた人が死に向かうときに経験する心の動きを「死の五段階理論」として示した。

①【否認】 自分が死ぬなんて嘘ではないか。
②【怒り】 なぜ自分が死ななければならないのか。
③【取引】 死なずに済むには何をすればいいのかとあれこれと試みる。
④【抑うつ】 どうにもならないのだと諦め落ち込み何もできなくなる。
⑤【受容】 積極的にしろ、消極的にしろ、自分が死にいくことを受け入れる。

この心理的な流れを経験することにより、人は死と向き合い、苦悩のなかで生の重みを味わう。

現実的には死に向かう病を告知された人間の心の変化の流れはそんなに単純なものではなく、がんに苦しむ患者の心理状態は、人それぞれ個性が出る。このプロセスをまとめた「死のプロフェッショナル」ともいえるキューブラー・ロス女史ですら、自分が死に近づいた際、負の感情、不快感や怒り、葛藤、恐れなどをあらわにしてもがき苦しんだという。

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たとえ早期であってもがんは死を意識させ、生のありがたみを感じさせてくれる、ある意味「ありがたい病気」である。

がんになると意識が変わる。
死の可能性を考え始めると、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と行動的になる人がいる。今まで生きてきたことがどれだけありがたいことだったのかと感謝する人もいる。
たばこを吸っていてもがんになると止める人が多い。
食事も変わる。肉好きの人が肉を食べなくなったり控えたり、玄米を食べ始めたりする。
生活を変えてなんとか死から遠ざかりたいと思うから。

仕事人間に徹して馬車馬のように働いてきた人が、自分の来し方、行く末を思い、一番大切なものは何かと考えたときに、家族のありがたさに気づき、それからは急に家族のために時間を使おうと考えたりする。

死に直面した瞬間にそのコントラストである生が輝き出す。
死生観が変わると生き方が変わり、人間が一回りも二回りも大きくなる人もいる。人への感謝の気持ちも生まれてくる。

がんは死を迎えるまでに数カ月から数年の猶予をくれる病気。
その間、マラソンの途中のようにさまざまな景色を見ることができる。ゆっくりとした経過で死ねる場合も多く、人生をいかに終わらせるか、死へのスケジュールが立てやすいため、人生の総仕上げには適している病気ともいえる。

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QOD 「クオリティ・オブ・デス=死の質」
高いQODとは、本人の理想とする生き方をして亡くなっていき、残された家族にも故人に対する後悔の念を残さないような死に方をすること。

QODの高い死に方をするためには、死ぬまでにしておくべきことを決め、延命治療の要不要を自分で選択するべき。

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