Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

2005年選挙投票前予想

2005-09-18 | 歴史・時事
さて、いよいよ大胆予測をしてみよう。金曜日の放送等では、未だに決断していないという有権者がかなり多く、嘗てない事の様である。その反面、投票率は前回の80%超えると予想されるので、全体が流動的と言えよう。この中には、其々の票を異なる政党に投じる者もいる筈で、金曜日の演説会も小党は第二票に重きを置いていた。比較的予想のし易い比例代表区に重点のある小党から考える。

調査で左派党が8%の第二票に相当する数字が出ているので、今回は大躍進で50議席位の会派になるのだろうか。しかし社会民主党に得票が食われる傾向にもある。

自由党は、保守党との連立過半数が危ぶまれて蚊帳の外になった感があるが如何だろうか。調査時よりも目減り気味と言う事で、現議席の47(得票率5.7%、7.6%)を守れるとは限らない。ここも大分前から第二票を重点に切り換えていた。支持が死票になるというのが最も否定的なイメージである。

さて政権与党の緑の党であるが、コソボ参戦などを通して従来のパシフィストや急進的な党員は袂を分けたが、最も人気ある政治家ヨシュカ・フィシャー外相への第二票を期待している。選挙戦最終週に途中ニュウヨーク国連本部へと寄り道して、大きな顔写真入バスで動き回っていたようである。下野しての党の成長と若返りに向ける反面、左派党支持は死票になると訴え対抗している。支持の裾野と政策分野を広げたので、第二票で現状維持を図れるか。

調査では、「政治家個人は関係ない、政策だ」と殆んどの人が答えるが、これも百パーセントは信用出来ない。これがキリスト教民主同盟では、大きな要素になるだろう。つまり、ジャーナリストや知識人が何と言おうが関係ない。焦点は、アンゲラ・メルケルの人気次第で、保守の基礎票にどれほど上積み出来るかであろう。その意味から前回並みの得票率ならば敗北であろう。メルクル女史以上の人気者が居れば批判票諸共楽勝していたと巷の噂である。それでも30%を越える支持は確実で、爆発的な支持もありえないことは無いから最も計算辛い。

バイエルン州のみ選出のキリスト教社会同盟は、前回はシュトイバー党首が首相候補であったので強かったのだが、今回は前々回並までの落ち込みは避けられないのではないだろうか。すると地元では9%前後となる。その落ち込み分をメルケル人気は埋め合わせるだろうが、その筋では昨今シュトイバー氏の方が良かったとか言う。

社会民主党は、あれほどに失策を犯しながらも、回復傾向にある。最大手民間土木会社が倒産間近と聞くと、自らが延命策の為に夜中にでもフランクフルト本社へと駆けつけて、官民の越境をして経済原理や社会秩序を犯すような行動を取ったシュレーダー首相であったが、そのような行動力が若干見直されて来ている。

大雑把に比例代表区で前回並みの39%に支持率を上げるような状況を考えてみよう。これはどうしても党首同士の人気投票の要素も無視出来ない。そのような投票動向では、各選挙区でも有力な代議士を以って善戦して、数ヶ月前の州知事戦ノルトライン・ヴェストファーレンの敗北から立ち直れる可能性もありえる。

そうなるとメルケル人気次第だが殆んど第一党となる可能性がある。そのようなケースでは、左派党からと自由党から十分に議席を奪い取る可能性があるだろう。シュレーダー首相再選のシナリオは、それほど高い確率で上演されるとは思わないが、有り得ないと言うことではない。

速報:
DEUTSCHE WELLE
-予想・グラフィック
PHOENIX TV
-Text Ver.(ARD・ZDF予想)
N-TV(CNN)予想グラフィック
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議席配分の原則とは

2005-09-18 | 雑感
大胆選挙予想と言いたいが、各選挙区毎の調査資料もないので、先ずは選挙制度について見てみよう。多数得票者当選制と比例代表制の是非は、代議制の原則に基づいて19世紀中ごろから議論されて来たと言う。この二つの要素を比較するだけで様々な功罪があり結論は永遠に出ない。比例代表に置いても様々な条件を加味する事が出来る上に、多数得票者当選制を選挙区毎に行う直接指名は更に複雑である。絶対多数制や比較多数制、複数選挙区制などヴァレーションに事欠かない。

ドイツ連邦共和国の代議士選挙においては、前者は、299地域に分けられた単数比較多数選挙区制である。これにて半数の代議士が選ばれる。後者は、ヴァイマール憲政時のナチスこと国家社会主義ドイツ労働党の国政進出を許した反省から5%条項もしくは三選挙区における選出を議席への条件としている事は有名である。連邦州毎に各党が代議士名簿を公開して、議席の半分がこれに割り当てられる。

こうして有権者は、其々に一票づつ入れるので各々が二票有する事になる。前者を第一票、後者を第二票と呼ぶ。

両者の差異を配慮して、細かい微調整などの特例もあるが、これは両選挙制度の併用でも補えない票数と議席数の不一致を埋め合わせる為にある。つまり、有権者の票が十分に生かされることを第一儀として、法的には政党の得票数に値する議席の確保が保証される。

少なくとも二つの政党が其々全州総計で第一票が50%と5%、第二票が48%と8%の得票率と獲得する時、議席数でも其々に相当する比率が10対1と6対1の間の後者に近い結果となる。逆に選挙区で総合して十分な支持を集めた場合は、これが剰余票として比例区に加味される場合もある。

前回の2002年選挙結果の第一、第二票の其々の得票率を見ると、与党SPDに42.6%、38.3%、野党CDUに32.4%、29.8%、CSUに11.0%、11.0%、更に連立与党GRUENEに6.1%、9.4%となっている。実際の議席数は、其々249議席、247議席、55議席となって粗納得できる配分ではなかろうか。この議席配分の原則がある限り、少数の民意も議会に反映するどころか、小党の緑の党が堂々と政権入りを果し、重要な大臣ポストを議席に見合うだけ占めた。(大胆予測をしてみよう…に続く)



参照:多数連合と少数の不可侵権 [歴史・時事] / 2005-09-12
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