ラインガウのワインの試飲会に行った。例年の事なのだが昨年選んだ2003年のワインに失望していたので、今回は初めての出会いのように批判的な目で以ってその2004年産ワインを吟味した。
結果は、信頼を100%快復したとはとても言えないが、もう暫く観察してみる事にした。久方振りに醸造蔵も見学して、三人の醸造所親方の一人に包み隠さず疑問点をぶつけて、幾らか印象を固定する事が出来た。
2004年度のワイン自体は、2003年度の暑い夏と違い、酸味と苦味が出ているがこの特徴を素直に出さずに、ヴィンテージによる偏差を押さえる方向にあるのは何処の高級醸造所も取っているトレンドな志向である。
このような安定した質の供給こそが、市場での製品の扱いやすさを保証して、製品価値を上げるのだが、最高級に素晴らしいワインにも出会えなくなる。その平均化したその品質は、毎年同じように買い足せばよいから、愛好家から買い置きをさせて寝かせる喜びを奪う。それどころかリースリングの長い寿命を短くしている。これが問題だ。
そして主要市場でもある日本の食生活に合わせた味付けに配慮してあるので、本当のリースリングファンの地元の我々の食生活の好みから離れて行っている。本国の愛好家はどうでも良いのだろうか。なるほど我々も家庭で甘酸っぱいような中華やタイ料理風の物や醤油ソースも使わないではないが、基本は甘味よりも苦味である。開けて明くる日にはへこたれるワインは、要らない。
それにしても、親方に直接批判したように2003年産のチャルタワインは酷かった。QBAクラスとは言いながら高価であり、少なくとも最良の条件にある我がワイン蔵において半年も置いておくと満足に飲めなくなる。こんな高級リースリングがあるだろうか。親方は酸の弱さを挙げたが、初めからそれは予想されることで、それなりの配慮が欲しかったのである。狙う市場から摘み取り、醸造まで一貫したコンセプトの問題といえよう。
ドイツ一番といわれる質の醸造所としては大変情けなく嘆かわしい。そして今回は、このクラスの飲み口の良い万人向けのワインに見切りを付けた。同じ価格帯で平素に楽しめるワインがあるからだ。よって上のクラスのキャビネットに照準を当てた。
これはこれで香りも良く素晴らしいが、その同じ価格で更に素晴らしい物があるのも事実である。ただ、このグラン・クリュ、グラーフェンベルクの土壌は、マルコブルンなど居並ぶラインガウの伝統的な最高級の土地の中でも、砂と泥の配合も斜面も良くて特徴がある。低地ラインガウのような重みよりも、ミネラル風味が特徴なので、シャンパーニュのような軽やかささえある。
さてこのような最高の土地から、最高の技術で作られるワインが、同じ価格帯で比較して最高の物でないという皮肉がある。バイオ農と近代的で即物的なマネージメントでは至る事の出来ない、物作りの難しさを垣間見る事が出来るのではないだろうか。ここにも、市場至上主義の弊害を見て取る事は許されよう。
こういう生産工程で出来た物の価格が他所よりも下回っていないような経済は、明らかに間違っている。つまり、申し訳ないが言わせて頂くと、ポーランドの労働力が如何に安くとも、労働集約型の作業と過分な投資額が価格設定に影響しているミスマネージメントと見る。
結果は、信頼を100%快復したとはとても言えないが、もう暫く観察してみる事にした。久方振りに醸造蔵も見学して、三人の醸造所親方の一人に包み隠さず疑問点をぶつけて、幾らか印象を固定する事が出来た。
2004年度のワイン自体は、2003年度の暑い夏と違い、酸味と苦味が出ているがこの特徴を素直に出さずに、ヴィンテージによる偏差を押さえる方向にあるのは何処の高級醸造所も取っているトレンドな志向である。
このような安定した質の供給こそが、市場での製品の扱いやすさを保証して、製品価値を上げるのだが、最高級に素晴らしいワインにも出会えなくなる。その平均化したその品質は、毎年同じように買い足せばよいから、愛好家から買い置きをさせて寝かせる喜びを奪う。それどころかリースリングの長い寿命を短くしている。これが問題だ。
そして主要市場でもある日本の食生活に合わせた味付けに配慮してあるので、本当のリースリングファンの地元の我々の食生活の好みから離れて行っている。本国の愛好家はどうでも良いのだろうか。なるほど我々も家庭で甘酸っぱいような中華やタイ料理風の物や醤油ソースも使わないではないが、基本は甘味よりも苦味である。開けて明くる日にはへこたれるワインは、要らない。
それにしても、親方に直接批判したように2003年産のチャルタワインは酷かった。QBAクラスとは言いながら高価であり、少なくとも最良の条件にある我がワイン蔵において半年も置いておくと満足に飲めなくなる。こんな高級リースリングがあるだろうか。親方は酸の弱さを挙げたが、初めからそれは予想されることで、それなりの配慮が欲しかったのである。狙う市場から摘み取り、醸造まで一貫したコンセプトの問題といえよう。
ドイツ一番といわれる質の醸造所としては大変情けなく嘆かわしい。そして今回は、このクラスの飲み口の良い万人向けのワインに見切りを付けた。同じ価格帯で平素に楽しめるワインがあるからだ。よって上のクラスのキャビネットに照準を当てた。
これはこれで香りも良く素晴らしいが、その同じ価格で更に素晴らしい物があるのも事実である。ただ、このグラン・クリュ、グラーフェンベルクの土壌は、マルコブルンなど居並ぶラインガウの伝統的な最高級の土地の中でも、砂と泥の配合も斜面も良くて特徴がある。低地ラインガウのような重みよりも、ミネラル風味が特徴なので、シャンパーニュのような軽やかささえある。
さてこのような最高の土地から、最高の技術で作られるワインが、同じ価格帯で比較して最高の物でないという皮肉がある。バイオ農と近代的で即物的なマネージメントでは至る事の出来ない、物作りの難しさを垣間見る事が出来るのではないだろうか。ここにも、市場至上主義の弊害を見て取る事は許されよう。
こういう生産工程で出来た物の価格が他所よりも下回っていないような経済は、明らかに間違っている。つまり、申し訳ないが言わせて頂くと、ポーランドの労働力が如何に安くとも、労働集約型の作業と過分な投資額が価格設定に影響しているミスマネージメントと見る。