Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

三色スカラとベクトル合成

2005-09-19 | 文学・思想
選挙結果は大変興味深い。二つの大政党が小さくなり、三つの小政党が連立の決定権を握る事になった。政党同士の交渉はこれから進むが、このような多彩なパズルの組み合わせの可能性があることは幸運である。

言うなれば、議会政治の世界でもイデオロギーの独善の支持・否定から政治の哲学的傾向の選択へと向っているということではないか。つまり、各政党は政治を定めるのではなくて、その議席数に応じたベクトルを与えるだけなのである。基礎数学の二次元でのスカラーとベクトルを考えれば良い。もしくは、三原色のスカラーを其々に足して新しい色にすればよい。

保守連合の歴史的敗北の理由は、党首がアデナウワー風、プロシア風の過去の保守像の影を追いかけて、メディアや知識人ばかりではなく広く有権者に嫌悪された事、またネオリベラル税制案のようなアカデミックな政策が否定された事、社会民主党においても、その労働法案が示すように高圧的な新社会主義思想に東独を中心に反発が強かった事であったのが明白に読み取れるのではないか。ネオ原理主義などは、巷の有権者には関心が無い。

現在の連立パズル出題状況こそ求められたもので、ここで連立が出来ない政党は必要ないだろう。ベルリンは嘗て無いほど政治的にダイナミックに活性化して行く。非常に民主的で進歩的な政治環境を大小の政党は生かして行くべきであり、政治学的にも瞠目に値するだろう。

偶々、社会層環境に購読紙・誌毎を重ねたディアグラムを見つけた。それがそれ程正しいとは思わないが、政党の支持の方向もこのように重なりもあり、多数派工作の連立によって新たな集合を以って、魅力的な政府を作る事が出来る。

再び、スカラーの大きさを見ると、どれほどに方向が違っても ― 違えば違うほど ―、連立によってベクトルが合成された魅力的なディアグラムを描く事が出来る。



参照:
多数連合と少数の不可侵権 [歴史・時事] / 2005-09-12
議席配分の原則とは [雑感] / 2005-09-18
三十五年前からの使者 [歴史・時事] / 2005-09-11
コメント (3)
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