Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

今までと違うことをすると

2015-12-16 | ワイン
日曜日の疲れは喉の痛みとして表れた。同時に肘の内側が痛む。これは初めてなので腕の振りと関係しているのが分かる。どうも手首の扱い方が悪く固く前に突き出した形で振っていたようだ。手首を自然に回転する感じにすれば楽になるようだ。次はそのように試さないといけない。やはり今までと違うことをすると色々とある。

2012年のグローセスゲヴェックスを開けた。レープホルツ醸造所のガンスホルンである。この殆ど同じ地所からは三種類のリースリングが出されていて、葡萄の熟成度が低い方からオェコオミーラート、フォム・ブントザントシュタイン、ガンツホルンとなっている。最初のは購入後10カ月もたたないうちに飲み干してしまうが、二番目は二年待つことにしている。今回もそれを夏ごろに開けてみて、瓶熟成が始まると同時に加齢が始まっているのを感じた。2008年も同様であったが、質が異なったので華やかさが目立って黄昏感はなかったのだ。しかし、2012年は早めに飲み干すのがベストと考えた。

そこで、ガンツホルンとなるのだ。結果からすると流石に下位のものとは違った。葡萄の熟成も健康で酸もワイン酸がよく効いている。しかし、それに釣り合いを持たせるべく、残糖を残していて、ワイン自体が重量感を持ってしまっている。この糖を極力落とす醸造所としては、瓶熟成は大きな課題であったが、こうして糖を残して醸造することで長持ちへの可能性を広げた。そして新たな課題にぶつかっている。つまり、あの持ち味のシャープなエッジの効いたリースリングではなくなって、些かぶよぶよしているのだ。これならばグローセスゲヴェックスの盟主ブリュクリン・ヴォルフ醸造所のそれの繊細さとは勝負にならない。

勿論、瓶詰二年後であって、更に二年後には綺麗に熟成すると思うが、今感じられないミネラルの構築性は今後もあまり期待できない。これならば、2012年に無貴腐葡萄を収穫したナーヘのシェーンレーバー醸造所のグロセスゲヴェックスとは勝負にならないかもしれない。また、2013年はレープホルツ醸造所では貴腐が入っていて、蜂蜜臭が最初からある。これも長期保存には向かない。

ドイツのトップクラスの各醸造所は、いよいよ競って最高級リースリングの価値を競うようになってきた。木樽と天然酵母の醸造は、長持ちで本物のテロワーを示すための条件となる。しかし名醸造所がその前提条件を満たすためには、有機農業と土壌改良で十年以上の歳月が必要になる。グローセスゲヴェックスの価格で、頂上を極める技術的な切磋琢磨があっても、市場ではまだ十年ほど先にしか変化が現れないということである。



参照:
ルツェルンからのお知らせ 2015-10-14 | 雑感
反動で動き出す週末 2015-09-21 | 試飲百景
'12年グローセゲヴェックセ? 2013-09-11 | 試飲百景
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