Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

蜂蜜でもないような

2015-12-29 | ワイン
最後のシュトレーンをイチゴアイスとともに昼食代わりに食した。ケシのそれをスライドして貰っていたので、ぱさぱさになりかけで、アイスがあって良かった。

引き続き、寝つきが悪い。なにも人間だけではなさそうで、夜中の零時半頃になると鳥が鳴き出すのだ。まるで初夏の早朝のような鳴き方で、完全に狂った気候となっている。あまり耳を澄まさないように知らぬふりを決め込んでいると、夜中の街を屯して歩く人がいる。まるで初夏のようだ。

そのような街の気配に影響されて、眠りが容易に訪れない。全く冬らしさの無い暮れとなっていて、人に言わせると2003年から2004年の一月に懸けた気候と似ているというのである。もしその通りになると、陽が射さない夏となり、これまたここ数年とはまた異なった面白いリースリングが生産される年になる。

ビュルクリン・ヴォルフ醸造所に、予約していたゲリュンペルを回収しに行った。何とか飲める状態になっているというが、慌てる必要はない。販売マネージャーのトム・ベンスと話していると、英国のピノノワールの話になった。彼もイーストアングリア出身のその道のプロなのでよく知っているが、「あそこで100%のピノノワールなんてできないと思ったから、エステート・セレクションで直ぐに想像がついた」と話すと、「その価格では輸入物が幾らでもあるので話にならない」と答えていた。

面白い商品として残り物の2013年のヴァッヘンハイマーリースリングが瓶詰めにされているということで、改めて二本購入した。それほど期待できなくても、少なくともパイロットワインとなる。個人的には2013年は好きな薬草風の香りや味のリースリングの年なので、ゲリュンペルを代表に大分手元に残してある。陽の弱かった2004年の苔くさいような植物性の年とは違うが、2011年のように過熟成ではないので、リースリングとしては好ましいのである。同時にまだ酸が効いている2014年のアルテンブルクを購入した。

祝日が終わってから、鴨の胸肉に合わせて、青スレート土壌のグローセスゲヴェックスを開けた。ナーヘのシェーンレーバー醸造所のハレンベルクの2011年物である。瓶詰から三年少ししか経っておらず、まだまだ若過ぎると思ったが、あまりにも満足できる2011年物に当たっていないので、試飲の時にも感心したこれを開けてみた。九月に同じ年のやはりグランクリュのフリューリングスプレッツヘンを垂直試飲させてもらっていたから、これもまた比較してみたくなったのだ。

予想通り、それほど開いてはおらず、色もまだまだ新鮮で、それでも2012年に試飲した時とのようなアルコールは全く感じなかった。だから、そのままスレートの香りと味が感じられる。そしてその目が詰まったスレートのような構造感と、質の良い特別な蜂蜜香がとても良くて、一概に貴腐だと否定的には捉えられない。そして苦みもとても快適な苦味である。

臭いなどは、フォム・フォルクセムのスレート土壌のものと同じだが、この清潔で鉱物のゴリゴリ感はとても素晴らしく。下位のミネラールというリースリングも2011年は素晴らしかったが、この最高級の地所のハレンベルクとしてもとても良年だったのだ。こうした青スレート土壌のリースリングを楽しむと、やはり凄いと思う。年末年始には、同じナーヘのデーホッフ醸造所のグローセスゲヴェックスも開けるつもりなので、スレートのリースリングのある極致を吟味できるだろう。



参照:
ヴァッヘンハイムでの試飲 2015-10-20 | 試飲百景
木樽とその不可欠な効力 2015-05-24 | 試飲百景
青赤つける山の明確さ 2012-09-08 | 試飲百景
「ワインスタイルズ」さん初訪問でした。 (saarweineのワインなどに関してあれこれ)
コメント (2)
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