Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ザルツブルクの突破口婆

2020-05-26 | 
月曜日にオーストリアの今後のコロナに対する方針が発表された。興味がある催し物に関するものを文化大臣が会見で話した。それを受けてザルツブルクでは百周年音楽祭も会見を開いた。8月31日までの対応に関して大枠では既に言及されていた通りだが、細部では驚くべきことも少なくなかった。

音楽祭は、200件に対して90件の開催で、予想されたよりも大規模な音楽祭となる。オペラから室内楽、芝居に現代音楽とあらゆるジャンルで開催場所を六カ所(両祝祭劇場、フェルゼンライトシューレ、州立劇場他、モーツァルテウムなどは無し)に絞って催す。期間も8月1日からとなって月末までのプログラムらしいが、翌年に延期されるものもあるために現執行部で2021年8月31日まで百周年祭が続く。

詳細は来週末として、先ずは海外からの参加などが出来ない演奏者による出し物、例えば「ドンジョヴァンニ」新制作などは来年へと延期となる。つまりオーストリアの演奏団体などが中心となる。管弦楽団はヴィーナーフィルハーモニカーやモーツァルテウムなどが中心になれば従来通りだ。

そこで、先日ヴィーンで実験されたように1メートルのソーシャルディスタンスィングも必要ないとする論理で、舞台上ではオペラや芝居を含めて当局は関知せずに主催者や登場者の自己責任で決められるという。要するに今後のコロナによる休業補償の限界を定めることになっている。催し物の大きさは、8月31日までは千人以下で、野外に関しては来週から特別許可で1250人までの規模が可能とある。その場合も舞台上やスタッフの人員は入れないので、出演者の数を抑えるのは興業的な計算でしかない。

つまりザルツブルクの祝祭大劇場に千人近くまで収容して、どれほどの規模の催し物で採算が取れるかである。その一方決して脛枯らしのような催し物にはしないと芸術的な充実を訴える。既に発券している二十三万五千席を先ずは払い戻しして、金券などにした者に新発売の席を優先的に与えていき、六万から七万席を新たに発売する。売り上げとして穴が空くが、元々の計画の儘に州からの助成を受けるために69百万ユーロと約40百万ユーロの差額を約19ユーロで埋め合わせて行く。

ざっと計算して劇場の三分一程の収容が計算されていて二席を列をずらして開けていくことになるのだろう。ヴィーンでの発表では椅子をメートル間隔で開けられない時も公共交通機関のようにマスク着用で許可するとなっている。更にミュンヘンで発表されていた最長90分までの上演とするものとは異なり座席への出入りが最も距離を取り難いことから休憩を入れない上演となる。大会場にそれだけの数を入れる前提ならばそのようになるだろうが、その差は大きい。

発表されたようにこれらの規則は、ザルツブルクの音楽祭を特別視したものでは無く、プロもアマチュア―の催し物も同じように扱われるということで、プロサッカーのそれとは大きく異なる。予想されるところで一番危ないのはオペラなどの来月から始まる準備期間での感染だろうか。本番の方はまだ二カ月間あるので、感染状況が今よりも良くなっていれば抵抗は無くなるだろう。

ここまで先の予定が揃って気になるのはベルリンの8月末のオープニングコンサートとフェスティヴァルである。9月に入ればザルツブルクが先導したようにある程度の規模の催し物は予想されるが、現在距離感を1.5mとしているのを9月1日からオーストリアの1m若しくは舞台上での75㎝から制限無しへと揃えて行けるか?



参照:
ヴィースバーデンモデル 2020-05-22 | 文化一般
2023年以降の計画の発表 2020-04-25 | 音
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