Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

劇場に継承されるもの

2020-05-29 | 文化一般
ネットではベルリナーアンサムブルの劇場の椅子が話題になっていた。早速メディアは、ベルリンの公的劇場は秋まで開かないとベルリン市の意向として伝えている。来月から100人の入場者が許されて、それが7月末まで続く。夏休み中に何かが開かれることが無いとして、次の段階が夏休み明けということはあり得る。各劇場などによって期日は決まるとしている。

こちらの興味は、九月にしろ八月終わりにしろ舞台の上でどの程度の編成が組まれるかでしかない。客席の方はベルリンの状況からすれば殆ど問題が無く夏には四分の一は入れれる筈だ。

ロンドンは八月終わりから二週間はライヴでプロムスを催すとしている。スイスは300人まで許可になったので早速管弦楽コンサートが開かれる。オペラも夏休み前に催し物が企画されている。ルツェルンも八月後半にコムパクトにkklや市内各所で音楽祭を催す。千人までの許可がいつ出るかは来月末にしか分からないが、状況から来月末の発表で即となるだろう。但し観光地でゴンドラなどでの感染を上手に防いでいくことが重要で、最初は採算が取れない運航をしなければ始まらない。

「ばらの騎士」の話題から見落としていたインタヴューを見つけた。昨年の11月にミュンヘンのティーレ氏によってなされたウラディミール・ユロスキーヘのものである。その「ばらの騎士」を来年新制作指揮することになっているが、その件について、次期監督就任決定前には支配人ニコラウス・バッハラーからのオファーを受けたという。当然のことながらその作品の上演の歴史からしても音楽監督が振るものであってということで、とても躊躇したという。つまりキリル・ペトレンコは、カルロス・クライバー指揮のオットーシェンク演出に係っていて、新たなバリーコスキー演出では振りたくないということだったというのである。

この事情は初めて聞いた。新監督の為の企画かと思っていたからで、道理で早く決定した筈だ。同時にペトレンコが振り終えて没になったのはとても良かったと思う。昨晩ネットでクライバー指揮の上演フィルムを偶々目にして、その前後の録音は二年ほど前に準備に聴いたのだが、その映像の事は長く忘れていた。最初と最後のクレディットの所だけを観たのだが、劇場の雰囲気が分かって面白かった。現在のペトレンコ体制と比較してそれほど湧かずに早めに退席する人も多いのにも気が付いた。逆に後年のような通俗性よりも結構な通向きの高品質の上演であったことが窺われる。

結局ユロスキーは、コスキーとの組み合わせであるということで引き受けたらしいが、とてもその伝説が重みになるのだが、それでも少しづつ違う面を見せれると考えているようで、当然のことながら演出との兼ね合いになる。つまり重みとなる沢山書き込まれた楽譜と共にそこへと直接還って、丁度子供を寝かすための物語が全く毎夜同じでは無く、少しづつ強調されるところが変わるように演奏されるのだとしている。とても期待できる。まさしくクライバー指揮のミュンヘンの「ばらの騎士」にあって後年のヴィーンのそれには欠けているものを語っている。


写真:スイス連邦大統領の弁



参照:
なんとも有り難い再臨 2020-02-12 | 文化一般
苦みの余韻の芸術 2017-02-11 | 音


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする