この冬一番の冷えだった。車の外気温も零度以上とはならなかった。霜が降りていたが、それほど寒くは無かった。他の人もそうらしい。どうも珍しく乾いて、無風だったからだろう。逆に身体の中の温まりを感じた。午後になって晴れ上がって、逆に放射冷却か寒く感じるようになった。
予想以上に夜明けが遅くなって、7時42分とかになって初めて夜明けなので、パン屋に入った時も30分前だった。一人だけ外で二十秒ほど待ったが、中から出て行くおばさんが招き入れてくれた。ネックウォーマで耳まで隠せるので気持ちいい。手袋はしていなかったが、森では手袋をしてネックウォーマーを外した。汗を掻くからだ。
帰りに肉屋に寄ろうとすると向こうから片足スクーターでウォーマーで赤いマスクした男が先に入った。それでも他に誰もいなかったので直ぐに入れたので外で待つことは無かった。自然状況が悪いと人が集まらないことも学んだ。既に8時40分ほどになっていた。
金曜日のミュンヘンからの中継はとても良かった。同地の放送交響楽団にデビューする女流指揮者オクサーナ・リニヴの無観客演奏会の生中継である。
先ずは、今年初めの歌劇場でのバルトークの管弦楽の協奏曲から「イントレロット」が流されて、既に記事にもなっていたインタヴューがバイエルン放送協会のライポルト氏によって流された。この辺りが強い応援団になっていることは間違いない。その内容がまた記事よりも遥かに辛辣だった。女性の進出という事での問いかけに対して、充分に辛い体験をしたという事で、あまりにも酷いクルト・マズーアのマスタークラス参加の経験が語られた。他の男性たちが見下す中で、マズーア自身が「どうせまともに扱われないのに何がしたいんだ」と侮辱したことで、本当ならばホールを後にしたかったが歯を食いしばってそこに留まった事をして、今日ならば公言することなど許されないと、笑いを吐きながら語るだけに余計にその感情の強さを感じた。
今回の登場は、折から発表されるバイロイト音楽祭初の女性指揮者に合わせた様で、交響楽団から「神々の黄昏」組曲指揮での打診があったので、ヴァークナーで断る訳にもいかなかったのだったのが、コロナで急遽代わりのプログラムを求められたようだ。その後紆余曲折があったことは追跡していて知っていたのだが、最終的にはメンデルスゾーンのイタリア交響曲の前にモーツァルトの協奏的交響曲をもって来た。
他の記事にもあるように、故指揮者ヤンソンスの後任を選ぶ客演のデビューでのプログラムの意味は沢山あったと思う。協奏的交響曲は、ズビン・メータなども得意としているレパートリーで、その曲をイスラエルフィルハーモニカ―の演奏で聴いた記憶が強い。なぜこの曲を選んだかについても本人が語っていたが、明らかにこの曲を以ってこの楽団を裸にしてしまった感があった。
技術的にも幾らでも高みを目指せる楽曲だと思うが、またこのコロナの制限の中で交響楽団は最大級の努力をしていたと思う。如何に今迄のヤンソンス体制とは異なるかがハッキリする指揮であり、技術面のみならず音色的なことを含めて、2025年の新ホール杮落しまでにものにしていかなければいけないことがあからさまになるようだった。
後任の指揮者がデビューという事になれば、最初からその道筋を示しておくのが正しい。どうも州政府の政治家らは二流の楽団の為にホールを作るつもりはないという事で、放送交響楽団も一流であることが求められているようだ。しかし、素人が言うほどに容易ではなく、五年でどこまでグレードアップできるかという事になる。実績からすれば超一流指揮者が後任と思うのかもしれないが、既に好評のラトルやヴェルサーメストやネゼセガンなどの一流が任を受ける可能性はないために、人気も博して同時に管弦楽団をステップアップさせてくれる指導者が後任に相応しいという事になるのだろう。
その能力は、ある程度分かっていても、どのようなコンサート活動をしていくかについては未知であったそのヴェールを脱いだのは、二曲目のメンデルスゾーンの演奏指揮だった。これはキリル・ペトレンコ指揮のメンデルスゾーンよりも重要かもしれないと思った。(続く)
参照:
続きそうな無観客演奏会 2020-11-20 | 雑感
中期戦のロックダウン 2020-11-19 | 女
予想以上に夜明けが遅くなって、7時42分とかになって初めて夜明けなので、パン屋に入った時も30分前だった。一人だけ外で二十秒ほど待ったが、中から出て行くおばさんが招き入れてくれた。ネックウォーマで耳まで隠せるので気持ちいい。手袋はしていなかったが、森では手袋をしてネックウォーマーを外した。汗を掻くからだ。
帰りに肉屋に寄ろうとすると向こうから片足スクーターでウォーマーで赤いマスクした男が先に入った。それでも他に誰もいなかったので直ぐに入れたので外で待つことは無かった。自然状況が悪いと人が集まらないことも学んだ。既に8時40分ほどになっていた。
金曜日のミュンヘンからの中継はとても良かった。同地の放送交響楽団にデビューする女流指揮者オクサーナ・リニヴの無観客演奏会の生中継である。
先ずは、今年初めの歌劇場でのバルトークの管弦楽の協奏曲から「イントレロット」が流されて、既に記事にもなっていたインタヴューがバイエルン放送協会のライポルト氏によって流された。この辺りが強い応援団になっていることは間違いない。その内容がまた記事よりも遥かに辛辣だった。女性の進出という事での問いかけに対して、充分に辛い体験をしたという事で、あまりにも酷いクルト・マズーアのマスタークラス参加の経験が語られた。他の男性たちが見下す中で、マズーア自身が「どうせまともに扱われないのに何がしたいんだ」と侮辱したことで、本当ならばホールを後にしたかったが歯を食いしばってそこに留まった事をして、今日ならば公言することなど許されないと、笑いを吐きながら語るだけに余計にその感情の強さを感じた。
今回の登場は、折から発表されるバイロイト音楽祭初の女性指揮者に合わせた様で、交響楽団から「神々の黄昏」組曲指揮での打診があったので、ヴァークナーで断る訳にもいかなかったのだったのが、コロナで急遽代わりのプログラムを求められたようだ。その後紆余曲折があったことは追跡していて知っていたのだが、最終的にはメンデルスゾーンのイタリア交響曲の前にモーツァルトの協奏的交響曲をもって来た。
他の記事にもあるように、故指揮者ヤンソンスの後任を選ぶ客演のデビューでのプログラムの意味は沢山あったと思う。協奏的交響曲は、ズビン・メータなども得意としているレパートリーで、その曲をイスラエルフィルハーモニカ―の演奏で聴いた記憶が強い。なぜこの曲を選んだかについても本人が語っていたが、明らかにこの曲を以ってこの楽団を裸にしてしまった感があった。
技術的にも幾らでも高みを目指せる楽曲だと思うが、またこのコロナの制限の中で交響楽団は最大級の努力をしていたと思う。如何に今迄のヤンソンス体制とは異なるかがハッキリする指揮であり、技術面のみならず音色的なことを含めて、2025年の新ホール杮落しまでにものにしていかなければいけないことがあからさまになるようだった。
後任の指揮者がデビューという事になれば、最初からその道筋を示しておくのが正しい。どうも州政府の政治家らは二流の楽団の為にホールを作るつもりはないという事で、放送交響楽団も一流であることが求められているようだ。しかし、素人が言うほどに容易ではなく、五年でどこまでグレードアップできるかという事になる。実績からすれば超一流指揮者が後任と思うのかもしれないが、既に好評のラトルやヴェルサーメストやネゼセガンなどの一流が任を受ける可能性はないために、人気も博して同時に管弦楽団をステップアップさせてくれる指導者が後任に相応しいという事になるのだろう。
その能力は、ある程度分かっていても、どのようなコンサート活動をしていくかについては未知であったそのヴェールを脱いだのは、二曲目のメンデルスゾーンの演奏指揮だった。これはキリル・ペトレンコ指揮のメンデルスゾーンよりも重要かもしれないと思った。(続く)
参照:
続きそうな無観客演奏会 2020-11-20 | 雑感
中期戦のロックダウン 2020-11-19 | 女