Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

お仕事させられるご招待

2021-10-16 | 文化一般
週始めからバタバタした。だからバーデンバーデンからのお知らせもまともに読んでいなかった。そして、今年の寄付総額を確定してから、それをふと見るとなんと寄付者のためのご招待券だった。日程と席を選択しなければいけなかった。手紙の日付は10月6日で既に十日ほど過ぎている。その旨は分かる。結構な席が空いているので、空くぐらいならば熱心な支援者に同伴者を連れてきて貰いたいという考え方である。

早速「マゼッパ」の空席を見渡した。勿論私の最安席よりも格上席が沢山ある。流石にこの間に大分出てしまったようだが、それでも自分が支払らったならば座らない席でも悪くなさそうなところを見つけた。一昨年辺りから様々な会場で最高席に座らせて貰って、音響以外の差やその価格の価値について吟味している。自分で購入することのないような席に座ってみることで、その需要や当然のことながら音響についても学ぶことも多い。

価格とその価値に関しては、個人の所得や経済力または価値基準によっても異なるので、一概には判断できないのだが、それでもお得な席とそうでない席の差は大きい。ザルツブルクなどでもそうだったが、何もいい聴衆がいい席に座っているのではないので、どうしても価格だけでは音楽的な感興を買えないということでもある。矢張り周りに熱心な聴き手が集まっているような席が理想である。共感の輪が広がれば広がるほど良い。

先ず一枚は当然のことながら最高額席から選んだ。自分で購入する価値のある席は皆無だったが、無料で試すならという席をパトロン席の近くで選んだ。その辺りも毎年の復活祭でも購入できる席であるが、オペラの場合であると360ユーロする。七月に購入したミュンヘンの歌劇場の最上席が245ユーロであることを考えれば、フェスティヴァルもそれもベルリナーフィルハーモニカー価格であることは分かる。ザルツブルク音楽祭などがやはり同じ価格であるが、それらが如何に高いかということが分かる。

それで今回はその価格帯で最高の音響に近い席を試してみる。迷ったのは、平土間でいい席があればと思ったが、丁度いい席は無かった。特に今回は減員されているので出来れば近い方がいいだろうという予想がある。しかし、屋根にかかったりとか横だったり最前列しかなかった。そして何よりも万が一奈落に管弦楽が入るとすると矢張り上から見たい。それならば迷わずパトロン席に近い第一バルコンだと思った。

そこで考えるのは自分の席をどうするかであって、なるほど私の指定席(本当に発売前から番号指定した)はそれ程目立たないので、居なくてもそれ程問題はないのだが、出来れば誰かに入って欲しい。そういうことでいろいろと声掛けをしている。矢張りただで貰うのではなくて仕事をさせられる。

自分自身の戎として、最初から無欲にいい席に座らないようにしている。そうしないとお得な席を嗅ぎ付けられない。なによりもそこには不満しか待ち受けていない。なるほど売る側からすればいい席を経験して貰うと次が売り易くなるという教育効果もあるだろう。そもそも寄付者のための招待券であるから、その金を出す準備はあるのだ。



参照:
漕ぎ着きたい期待の岸 2021-10-15 | 文化一般
METを超えたオペラ 2019-04-17 | 音
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