Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

あまりに素朴な田舎の味

2023-09-28 | 料理
ベルリンのオペラ劇場の次期音楽監督が決まった。予定の指揮者パパーノの調印発表が遅れていたのでおかしいと思ったのだが、結局ベルリン出身のティーレマンとなった。既にの公職追放並みに前連邦文化大臣からも叱責を受けていたので、継承はないと思われていた。しかし国立歌劇場は州の管轄のようで、連邦政府が関係しないのは嘗てのベルリナーフィルハーモニカーがそうであった時と同じである。そしてその担当者はアフリカ系ドイツ人のユニヴァーサルレーベルのマネージャーがこの間にその任についていた。以前は左翼党の管轄だったので、状況が変わっていたのだった。しかし最終的には来年同じように就任する新支配人に決裁権があって、彼女とそして州の書記官の女性が今回の契約にあたったとされる。そこで給与から職務迄がんじがらめにして発表に至ったらしい。

やはり大きな選考理由には集客性があるとされていて、当然のことながら専門にしているヴァ―クナーやシュトラウスなどの新制作が為されるのだろう。それによってバイロイトの方で新たな動きとなれば喜ばしいことである。要するにベルリンは地方の小規模の劇場として継承されることになる ― 実際に嘗てティーレマンが西側のドイツェオパーベルリンを辞める背景にはバロックオペラ座にする予定だった国立劇場にバレンボイム音楽監督が就任して予算を集中させたことがあった。

既にベルリンでのイムプレッションは纏めているが、そのティーレマンもインタヴューで尋ねられるように東ベルリン風の田舎臭さが顕著で、まさしく現在の首都ベルリンの冴えない感じを体現することになる。他の芸術に関しては言えないのだが、少なくとも芸術音楽に関してはベルリンのフィルハーモニーも残念な事であり、地方都市の一つでしかないだろう。

次回は一月に再訪する予定であるのだが、パンコウ郊外に宿を入れてある。ミッテからは15分ほどであるが、そこに車を停めておいてパークアンドライドするのもいいのかもしれない。どちらにしても宿がベルリンの北側になるのでこちらからは一時間以上長くかかるだろう。時間があればベルリンに入る前に今迄夜行フェリーでしか知らない北海を見てくるのもあり得るかと思っている。先日泊まったポツダムの南の村の人は景色は綺麗だけど何もないと話していた。海まで出ないと意味はなさそうだ。

そこの宿で土曜日は晩に備えてブランチとした。既に開けた煮凝り化していたアイスバインの缶詰にインゲン豆を合わせた。本当はザウワークラウト化したマメを使うようだが暖かければ煮凝りが溶け出す。それで十分で煮凝りに煮込んである脚其の儘の皮を上手くナイフで切ってやれば小さく盛り付けられる。

故コール首相こうした食し方を何処で学んだのかは知れないが、恐らく家庭でアイスバインをグリルして保存しておくというような食生活があったのかもしれない。彼の母親の世代とすると若くても20世紀初頭が恐らく19世紀の女性なのだろうから、こうして一度焼いたような食料を何日にも別けて食するというような知恵があったのだろう。

そしてその素材純粋の味わいは、これまた煮豚に負けない程にニュートラルな味のリースリングに最高の食事となった。残念ながら昼なのでアルコール無しで楽しめた味覚であるから間違いない。



参照:
漆黒の闇があったから 2023-09-15 | 歴史・時事
故コール元首相のご愛好 2023-09-14 | 生活
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