Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ベルリン地方の歴史音楽

2024-01-09 | 文化一般
冷えて来た。零下で放射冷却となれば地面が凍る。泥濘が無くなるので走りやすいのだが、寒いので耳あて替わりのバンダナと手袋は欠かせない。手袋をしていても指先が凍って来た。乾燥しているので助かるが、濡れると凍傷になる。

お正月特集でベルリンの旧RIAS放送局から昔のアーカイヴが放送されている。興味があったのは1966年にチェリビダッケが東側の歌劇場で演奏会を振った録音で、なぜこの放送局がそれを持っているのかは分からないが、名演とされていて、後半のブラームス交響曲四番はYouTubeにも上がっている。今回の放送でもその南欧的と言われたリズムや躍動感、そして精緻さが語られているが、ヒンデミート作「ヴェーバーの主題によるメタモルフォーゼン」は一昨年かにペトレンコ指揮ベルリナーフィルハーモニカーの演奏で決定的なものを体験してしまうと、この指揮者が全くヒンデミートを理解していなかったことしか分からない。

既に作曲より23年経過していて、これだけの演奏しか出来ない指揮者って大分頭が悪い。ティテュス・エンゲルが作曲後10年以内に決定的な名演をしているのに比較すればよい。なるほど半世紀前と現在では情報の伝わり方が異なるが、最終的には判断するのは知性でしかない。

チェリビダッケは作曲もしているがその内容を鑑みるとその程度の知能しかなかったとなる。やはり一人前の芸術家気取りならばそれぐらいの知性が無ければ無理である。

結局人事に口を出し始めたということでカラヤンに後任が決まったので可也の確率でチェリビダッケへとベルリナーフィルハーモニカーが移る可能性があったことを考えると危なかしかった。音楽的な才能は、同じように南欧的と言われたトスカラヤンもよく似たものだと思うが、総合的にはカラヤンはそれは違った。

「メタモルフォーゼン」はフルトヴェングラー指揮でも名録音が残っているので、益々このチェリビダッケがここでやろうとしていることが、浅墓にしか思われない。彼の放言や暴言を思い起こせばその知能程度も分かるというものだろう。そうした者をミュンヘンでベルリンの対抗馬にしようとしたミュンヘン市の政界がその後ゲルギーエフなどの戦犯を招聘したことに繋がっている。

ベルリンのフィルハーモニカーは、レーベルがドイツの最後の砦として立てたベルリンのセネターの権限から外れて、連邦政府へと移されたのも大きかった。そして残るベルリンのローカルな歌劇場ウンターデンリンデンへと白羽の矢が向けられたことは時間をかけて画策された事だった。

なるほど戦前はベルリナーフィルハーモニカーが新興交響楽団であるのに対してクライバーらが活躍した様にプロイセンの歌劇場はそれなりのリーダ―であったのだが、戦後はDDRを代表する古典文化財の様になって、壁が開いた後にバレンボイムが中興の祖となって蘇生する。しかし今に至るまで、連邦共和国を表徴するような上演は殆どなされていない。予算規模や物理的な大きさではない。



参照:
吹かされる黒い森の心理 2022-10-14 | アウトドーア・環境
独墺核レパートリー 2021-12-02 | 音
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