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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

金融危機・・・徳をするのは誰だ?

2008-12-02 12:27:00 | 時事/金融危機
「100年に1度」の金融危機が世界を席巻しています。
・・・と言っても、庶民には縁遠い話と思っていました。
お金持ちは大変だな・・・程度に。

でも、国内新車の販売台数が30%減など、
実態経済にこれだけ影響が出てくると、
これは本当にヤバイかもって雰囲気が漂ってきましたね。

そもそも、日本経済なんて輸出依存型だですから,
気前良くジャブジャブお金を使いまくっていたアメリカ人が
財布の紐を絞った時点で、すでにThe ENDだったんですね。
アジアや他の市場が、アメリカの縮小分を補える程発達していない現状で、
日本経済の展望はかなり厳しいですね。

そもそも戦後の世界経済は非常に危ないバランスの上に立脚していました。
アメリカの一極構造の上に。

貿易決済通貨であるドルは人気がありますから、
アメリカは打ち出の小槌よろしく、輪転機をガンガン回してドルを刷りまくりました。
そのドルがアメリカ国内に滞留していれば、アメリカはハイパーインフレに陥りますが、
日本を始め多くの国が、輸出によってそのドルを吸収していきます。
アメリカ人は際限なく供給されるドルで、世界から買い物をしまくります。

しかし、ドルが通貨市場でだぶ付いてしまっては、
為替市場でドルが暴落する恐れがあります。
ところが、ドル安では輸出企業が壊滅する日本や中国は
ドルを一所懸命に買い支えます。

さらに、今度は溜め込んだドルでアメリカ国債を大量に購入し、
アメリカの財政を支援します。
アメリカはアフガン戦争やイラク戦争で膨大な財政支出を迫られますが、
日本や中国が国債を買う事で、どうにか破産を免れています。

大量に発行されて世界でダブつくドルを使って、
アメリカはもう一儲けしようと企てます。
お金でお金を稼ごうという訳です。
たいして価値の無い不動産や、他人の借金までも、証券化という手法で商品化し、
さらに元が何だか分からないように、グチャグチャに混ぜ合わせて
何だか訳の分からない格付け会社に、適当に格付けさせて、
世界中に売りまくる・・・。
さらに、そういった金融商品に保険を掛け、それすらも商品として売る貪欲さ。

お金でお金を稼ぐ、すなわちレバレッジを掛けている訳ですから、
儲かる事この上ない。

この様にして、発展途上国の人々が身を粉にして生産した資源を、
日本のお父さん達がリストラに怯えながら生産した製品で稼いだ、大事な大事なお金を、
「あるよ、あるよ、利回りの良い金融商品があるよ・・。」という誘いで
みすみす掠め取られてしまったのです。

アメリカの損失なんて良いのです。
元々価値の無いものを担保に借金をしただけですから。
クレジット・カードでつまらない物を買って、気が付いたら借金まみれだっただけです。

でも、金を貸した方として「冗談じゃ無いよ」と言いたい訳です。
ところが我が国の首相は気前良く、
「それじゃあ、IMFにお金を貸してあげよう」って、誰のお金なんだろう・・・・。
僕らの将来の年金だよ!!
さらに、年金マネーで株価を買い支え続けている・・・。
これって、消えた年金どころの損失では無いはずです。

それでも、金融システムを支えなければ、もっと損失が大きくなる・・・・。
引くに引けない状況に、日本としては追い込まれてしまったわけです。
(これを罠と言わずして何と言うのだろうか・・・?)

さて、世界は恐慌一歩手前の状況です。
はたして、日本一国の資金力で、
世界経済のメルトダウンを止める事が出来るのでしょうか?

だいたい、狩猟民族はしたたかです。
「アメリカの金融業界が危機に瀕している、どうにかして救済を・・・・」
なんて言っている裏では、
アメリカの銀行がリーマンブラザーズやシティーバンクの株の空売りを仕掛けて、
経営破綻を誘発していたりする訳ですから・・・。
日本人には全く理解出来ない民族なんです。

さて、金融危機で徳をするのは誰だろう?
アメリカは確かに大量の国債を発行して、銀行に資金注入します。
本来は、それはアメリカ国民の借金として、彼らは大きな返済義務を負います。
しかし、一時的には、日本やその他の国が米国債を購入して、
謝金を一時的に肩代わりします。

この後、アメリカ経済が持ち直せば、問題はありません。
国債も利子が付いて帰ってきますし、
紙切れ同然になった金融商品も、いくらかの価値を取り戻すでしょう。
安値で買い支えている株の価値も上がるでしょう。

しかし、アメリカには売るものがありません。
農産物とIT技術しか・・・・。(戦争も輸出しますが・・・。)
GMもフォードも終わっています。
車が売れる売れないという問題以前に、年金負担の圧力で自壊しています。
新しい金融トリックを考案しても、世界がそんなに簡単に騙されるとは思えません。

さて、これでドル暴落、アメリカ国債暴落となったら、
誰が徳をするのだろうか?

国際金融なんて、賭場と変わりません。
ギャンブルと一緒で勝ち逃げしたヤツがいるのでしょう。
きっと、それは、今回の危機を演出した本人なのかもしれません。
崩壊してしまえば、責任の所在すらも分からないですから。

「100年に一度の危機」・・・??
もしかして貴方ですが・・・??