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独立国家という虚構

2010-01-18 09:56:00 | 時事/金融危機




■ 日本は独立国家か ■

日本が「独立国家」である事を
疑う人は少ないでしょう。

国家の定義を高校生に問えば、
次の様な模範解答が返ってくるでしょう。

1)主権を有する
2)国土を有する
3)国民が存在する。

「国土」と「国民」に関しては
疑いようのない事実です。
それでは「主権」はどうでしょうか?

「国民主権」を標榜する日本は、
国民が国家の方針を決定出来ます。
少なくとも我々はそう信じています。


■ 「権力」は国民と法律に仕える ■

民主主義国家である日本においいては、
国民が国家の「主」であり、
国民に選出された「国会議員」が
法律を制定する事で、
国家のあるべき姿を規定します。

自衛隊(軍隊)や、警察、検察は
武力や捜査権、逮捕権を有していますから
一介の国民に比べたら巨大な力を持つ組織です。

しかし、これらの「権力」は、
法律上は「国民の生命と財産を守る」組織です。
自衛隊のシビリアンコントロールを例に出すまでも無く、
自衛隊も警察も検察も、
法を逸脱してその権力を行使する事は出来ません。

■ 日本の独立 ■

第二次世界大戦でアメリカに敗れた日本はGHQの統治を経て
独立を回復します。

この過程は現在のアフガニスタンやイラクの状況に似ています。

日本人は戦前の軍部の独走の苦い経験から、
アメリカがもたらした民主主義を受け入れ、
「国民主権」と「日本の独立」に疑いを抱く事はありませんでした。

一方、イラクやアフガニスタンの国民は、
アメリカのもたらした「民主化」を単純には信じていません。

我々の目から見ても、イラクやアフガニスタンの政権は
アメリカの傀儡政権の様に移ります。

一般的に考えて、戦争で国民の血の犠牲を払った結果、
民主主義を与えて終わりなどという事は在り得ません。

敗戦後の独立は、かりそめの「独立」であり、
強い影響力をその国に残す事が当然の成り行きです。

■ 検察とマスコミ ■

アメリカが日本に影響力を行使する為には、
確実な権力による統制が必要です。

自民党という傀儡政権を樹立すると共に、
その目付け役として、
警察や検察に影響力を残す事は
小学生でも考えそうな事です。

さらには、マスコミをコントロールする事も
小学生が自分に都合の良いウサワを流すのと
同程度の基本的な戦略でしょう。

本来、小学生でも分かりそうなこの事象に、
日本人は戦後60年以上気付きませんでした。


■ 「検察」の捜査権 ■

従来、捜査権・逮捕権は「警察」に、
公訴権は「検察」に、
裁判権は「裁判所」にあります。

検察官は独立した強い権限を持ち、
警察に逮捕された者を罪を訴追するかどうかを決定し、
裁判において、その罪を追及します。

さらに検察には捜査権も与えられています。

警察の捜査権は、刑事訴訟法に規定され
「犯罪があると思料されるとき」に行使されます。

一方検察の捜査権は検察庁法に規定され
「必要と認めるとき」に行使されます。

検察はこの法律により、
警察の捜査とは別に、事件を捜査する事が出来ます。
警察の捜査に不備が認められる場合を想定し、
その補完として付与された権利と思われます。

検察庁法という組織法で
その捜査権が規定される事を問題視する
法律関係者もいらっしゃるようですし、
警察の捜査権と重複する事を問題視する向きもあります。

法律は生き物ですから、
結局は運用が適切かどうかが問題となります。

■ 「捜査権」の乱用 ■

小沢一郎絡みで注目を集めている東京地検特捜部は
大規模犯罪の捜査を目的に、
1947年にその前身が設立されています。

東京地検特捜部が注目されたのはロッキード事件からです。
総理大臣に犯罪を摘発した事で、
国民は東京地検特捜部の活躍を支持します。

ロッキード事件以降、国民の支持を得て、
東京地検特捜部は時代の節目節目で、
その強権を発動するように成ります。

小泉政権下で、検察の横暴は一線を越え、
政敵を追い落とす手段として利用されます。

■ 「田中派」を標的にした検察 ■

検察によって摘発された政治家には
明らかな傾向が見て取れます。

田中派) 田中角栄 逮捕 ロッキード事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)竹下登  失脚 リクルート事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)金丸信  失脚逮捕 佐川急便献金・脱税 (←東京地検特捜部&国税) 
(経世会)中村喜四郎 逮捕   ゼネコン汚職 (←東京地検特捜部)
(経世会)小渕恵三 (急死)(←ミステリー)
(経世会)鈴木宗男 逮捕 斡旋収賄 (←東京地検特捜部)
(経世会)橋本龍太郎 議員辞職 日歯連贈賄事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)小沢一郎  西松不正献金事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)二階俊博  西松不正献金事件 (←東京地検特捜部)

(清和会)岸信介    安泰
(清和会)福田赳夫   安泰
(清和会)安倍晋太郎  安泰
(清和会)森 喜朗    安泰
(清和会)三塚 博   安泰
(清和会)塩川正十郎  安泰
(清和会)小泉純一郎  安泰
(清和会)尾身幸次   安泰

岸信介を始祖とする清和会には逮捕者は無く、
一方的に吉田茂を始祖とする経世会に逮捕者が集中します。

岸信介の政治資金をCIAが援助していた事からも、
清和会がアメリカの意志を代弁する団体である事が疑われます。
小泉政権において、その傾向は顕著になります。

一方、旧田中派は日米経済摩擦時の橋本龍太郎を始め、
アメリカにある程度の対決姿勢で望む政治家が多く、
その最たる者が、小沢一郎であると言えます。


■ 政治は金の力 ■

小沢一郎が「自由党」の政党助成金15億円を
自己の政治資金に流用した事は、ほぼ間違いの無い事でしょう。

藤井財務大臣の辞任は、
国会での追及を避ける為の行動でしょう。

「政治=金の力」 である限り、
政治家と不透明お金の縁は切れません。
いえ、不透明な金を作る力こそが、
政治家の実力だとも言えます。

小沢一郎の一連の行為は、
とどのつまり、どの有力政治家も手を染めている事柄です。
政権政党は利益誘導が容易ですが、
野党はいろいろとセコイ手を使わなければ
満足な資金すら集まりません。

政治に潔白を要求する事は、
犬に2本足で歩けと要求する様な事なのかもしれません。

■ 「日本の主権」と「政治家の潔白」 ■

今我々に問われているのは、
「政治の潔白」と「日本の主権」の選択です。

政権交代後の国会開催直前に
政権政党の最重要人者を捜査するなど、
検察は明らかに政局に干渉しています。
これは検察権の政治利用以外の何物でもありません。

マスコミ的には、「官僚の反乱」というプロパガンダを行っていますが、
裏でアメリカが動いている事に気付いている国民は沢山います。

この事実を明らかにする為に
民主党政権は明らかな「反米的姿勢」を取ってきたのでしょう。

「アメリカに逆らえばどうなるかを明らかにする」事が目的です。

さて、我々は「日本の主権」を損なっても
「政治の潔白」を求めるべきなのでしょうか?

■ アメリカ追随は継続不可能 ■

戦後日本の経済発展を支えていたのは、
アメリカが提供する安全保障だった事は事実です。
その恩を忘れて中国に尻尾を振るのかという意見もあるでしょう。

しかし、アメリカの目的が日本国民の財産(貯蓄)であり、
ドルの減価によってアメリカの凋落が確定的な現在、
日本がアメリカに追随しても将来は見えています。

国際社会はハチ公とその飼い主のような関係ではありません。
刻々と変化する力関係を冷静に判断して、
国民の利益と財産を守る義務が国家には求められます。

中国も不安要因の多い国ですが、
アジアの地域覇権国になる事は疑い様の無い事実です。
アメリカが、軍事大国化する中国を極東地域で圧倒する事は、
ほぼ不可能になっています。

好む、好まざるに係わらず、
日本は政治的にも経済的にも東アジア地域に取り込まれて行きます。

■ 政治家の目的? ■

アメリカに敵対する政治家は、
政治生命のみならず、
自身や家族の命を危険に晒しているとも言えます。

小沢や亀井などは、裏事情にも通じている事が、
その生命を保障しているのでしょうが・・・。

少なくともその様なリスクを、
個人的な利権獲得の為に犯す必要があるでしょうか?

私は政治家は世間で言われる程、
金の亡者でも、利権誘導屋でも無く、
案外、純粋に彼らなりの理想を求めているのだと思います。

その過程においては権力掌握が必要ですから、
当然泥にまみれる訳ですが、
「構造改革」を隠れ蓑に、
日本人の資産をアメリカに売り渡す人物よりもマシでは無いかと・・・。

■ 小沢の逮捕、民主党の解体 ■

国民は今回は「小沢と金」の関係に、
以前程ヒステリックには反応していません。
むしろ、東京地検特捜部の強引な捜査に疑念を抱いています。

この様な状況下で、小沢逮捕、民主党の解体などという事態になれば、
我々日本国民が選挙の結果選んだ政権を
アメリカは「検察」を利用して
簡単に崩壊させられるという事が証明されてしまいます。

そうなった場合、日本人は戦後60年以上、
「独立国家」という虚構に酔いしれていただけになってしまいます。

私達は「本当の独立」を獲得出来るのでしょうか?