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あれ?! 辞任しちゃったよ!!

2010-06-02 10:35:00 | 時事/金融危機




■ あっさり辞任表明!! ■

前回、「鳩山首相の辞任は無い」と断言したら、あっさり辞任表明されてしまいました。私が政治評論家だったら、信用失墜です。(素人でも信用ガタ落ちですが・・)

さらには小沢幹事長も辞任表明した模様・・・はたして民主党は大丈夫なのでしょうか?

■ 小沢・鳩山の役割は何だったのか? ■

かねてより私は、鳩山首相の普天間問題は、金融危機から国民の目をそらす為のカモフラージュでは無いかと疑っていました。ユーロ発の金融危機第二波から国民の関心を逸らし、日本人の海外資産の国内還流を遅らせるのが目的ではないかと考えていました。

世界の目はユーロに集中していのに、国内報道は普天間問題と鳩山首相の進退問題に集中していました。

ユーロ危機が金融危機の第二波に発展するのならば、リーマンショックで塩漬けにされていた日本人の資産を海外から引き上げるのは、5月上旬が最適のタイミングだったはずです。この時点では米国株価も回復していました。

ギリシャ問題を冷静に新聞やニュースが分析していれば、多くの日本人が海外資産を整理する事を考えたでしょう。

しかし、新聞やニュースが伝えたのは、普天間問題ばかりでした。

■ 普天間問題=フェルマーの最終定理 ■

問題があるのを承知で書けば「普天間問題は実につまらない問題」です。

例えば、高校の数学の期末試験の冒頭に、「フェルマーの最終定理の証明」が出題されているようなものです。賢明な学生なら、そんな問題は一瞬でパスして、三角関数なり微積分なり解ける問題に時間を使うでしょう。

普天間問題は、「戦後の日米関係を正常化する」という実に凛々しい目的で、新保守主義層の支持を集めましたが、これを解決する事は、「フェルマーの最終定理」を解く程に難しく、そして、実は実利が少ない問題です。

「フェルマーの最終定理」が解けても、八百屋で買い物をして徳はしませんが、足し算と引き算がきちんと解ければ、少なくとも八百屋で損はしません。

普天間基地を沖縄県外に移設しようが、移設しまいが、海兵隊のグアム移転は決定事項ですし、沖縄の基地は中国の中距離ミサイルの恰好な餌食であるという事実は何も変化しません。財政状態が苦しい米国政府がさらなる軍備拡張をして、極東で中国と対峙する覚悟が無い限り、空軍を含め沖縄の基地は5年、10年後には無用の長物となる運命でした。

それを、「今出て行け」と言われたら、アメリカとしては子分に意見されている訳ですから、意地でも「撤退」居座ろうとするのが当然です。

まして、他県が普天間代替基地を提供する理由が見つかりません。

■ 「簡単な問題」を「難問」にすり変えた鳩山首相 ■

鳩山首相は普天間問題を解決するに当たり、「最低でも県外」とする事でハードルを自ら高めてしまいました。

沖縄には現在でも使用されていない3000m滑走路があります。「下地島」の訓練用滑走路です。もともとはジャンボジェット機の訓練用滑走路として建設され、過去にボーイング767型機が訓練中の操縦ミスで大破した事故も起こしています。

一時は那覇からの民間路線も開設されましたが、結局利用者が少なく、現在は定期便の無い3000m滑走路となっています。

伊良部島の町議会は、高まる中国の先島諸島への脅威に対抗する為、自衛隊の誘致を採決していますが、宮古島と合併した事から、この誘致は振り出しに戻っています。

米軍も下地島空港にはかねてより関心を寄せており、フィリピンへ向かうヘリコプターが給油に立ち寄った事もあります。

基地に出て行って欲しい沖縄本島と、中国への脅威に対抗する為基地が必要な先島諸島。・・・同じ沖縄であっても全く異なる問題を抱えています。

小沢幹事長も昨年12月に下地島には言及しています。

「県外」という事で鹿児島県の「種子島」が候補となりましたが、種子島は海兵隊が移転してもあまりメリットはありません。一方、尖閣諸島に近い下地島やその周辺の先島諸島では、海兵隊の移転は中国はのけん制として大きな意味合いを持っています。「種子島」の島民を説得するより、宮古島議会を説得する方が、ハードルは低かったでしょう。

ところが「最低でも県外」という設問が、「下地島移転」を最初から候補から外してしまいました。

■ 沖縄本島に代替飛行場を必要とする米空軍 ■

一方、嘉手納に居を構える「米空軍」にとっては、普天間あるいはその代替飛行場には重要な戦略的意味があります。

現代の戦争においては、空軍力が勝敗を左右すると言っても差し障りがありません。

開戦直後の制空権を確保しなければ、地上部隊の展開は不可能だからです。嘉手納基地の米空軍は極東で有事が勃発すれば、先頭を切って出撃し、敵の航空戦力を徹底的に殲滅する任務を負っています。

しかし、中国とてその事は先刻承知で、日本国内の全米軍基地及び自衛隊基地に、中距離ミサイルの照準を合わせている事は疑う余地はありません。

嘉手納にしても、普天間にしても、あるいは横田にしても、はたまた市ヶ谷や習志野にしても、中国との戦端の火蓋が切られたら、ミサイルが大挙して飛来しても文句は言えません。

現状のミサイル防衛の完成度から言えば、嘉手納も普天間も中国のミサイル攻撃に耐えられるものではありません。世間の常識で言えば、バックアップの空港が中国のミサイルの射程内にある限りは、滑走路が使用不能になる確率は大して変わりません。

しかし、純粋に確立的意味合いからは、滑走路が2倍あれば、滑走路の存続率も高まります。最も、98%の確立でミサイルが着弾するとすれば、滑走路が2箇所に増えればその確立が96%に低下するだけで、どれだけの意味があるかは疑問です。

それでも、戦略的意味からは、1本では運用出来ず、バックアップは必要という事でしょう。それも、嘉手納が使用不能となった場合に、あまり離れた場所では意味が無いので普天間は絶好の位置にあるのです。(最も、那覇空港も軍民間の共用です)

■ 空母機動部隊ですら無能化する弾道ミサイル ■

実は米国内では空母機動部隊の有用性が疑問視されています。中距離弾道ミサイルの命中精度が衛星制御などで飛躍的に高まっている現在、太平洋上にある第七艦隊であっても、地上の標的と同様、弾道ミサイルの餌食となってしまうからです。


■ 全世界を1時間以内に攻撃できる無人攻撃機 ■




そこで米軍が開発しているのが、「全世界を1時間以内に攻撃出来る無尽攻撃機」。

http://www.afpbb.com/article/politics/2730553/5810137

「ウェーブライダー」というこの攻撃機は、成層圏をマッハ5で飛行し、巡航ミサイルの様に敵の攻撃目標に正確な攻撃を慣行することが可能というSFチックな代物です。当然、小型核弾頭も搭載可能ですから、敵滑走路の無力化など限定的な破壊にはうってつけの代物です。

弾道軌道が計算できてしまう弾道ミサイルが将来的に迎撃可能となても、無人ゆえに圧倒的な運動性能を誇る「ウェーブライダー」を迎撃す事は不可能でしょう。

■ 不要になる前線基地 ■


アメリカ軍は今後さらなる無人化を進め、前線航空戦力を「ウェーブライダー」の様な、遠隔攻撃戦力に置き換えて行くでしょう。

相手国との政治的リスクにさらされる前線基地よりも、あるいは運営コストが膨大に掛かる空母機動部隊よりも、遠隔無人攻撃機は明らかな優位制を有しています。

5年、10年の間に、米軍は極東から撤退を余技無くされるでしょうが、それが即ち、軍事的プレゼンスの解消を意味するのでは無い事は、アメリカ人のプライドを守る為にも重要な事です。

■ 鳩山首相はバカでは無い ■

世間では鳩山首相を「バカ呼ばわり(ルーピー)」する様ですが、東大工学部を主席で卒業した人物が私や世間の皆さんよりバカだとは私には到底思えません。少なくとも、論知的思考において、我々よりも数段優れているはずです。

では、何故、普天間なのか・・・・。

それは、普天間が「フェルマーの最終定理」だからです。解決しないからこそ、普天間問題を政治的最重要問題とし、半年間、世間の注目を集めたのでしょう。

小沢-鳩山のコンビが与えられて使命は、日本の政局の混乱以外の何物でもありません。

■ 混乱する民主党 ■

選挙上手の小沢幹事長が仕切れば、参議院選で民主党は圧勝していたでしょう。しかし
鳩山と小沢の辞任は、参議院選挙での民主党の敗北を決定付け、衆参での捩れ国会が出現すれば、麻生内閣のように機動的な経済政策が出来ない体制が出現します。

民主党は管・岡田・前原がけん制し合い、下手をすれば、政界再編などという事態にまで進展するかも知れません。

その時、世界が平穏であれば、ワイドショーで高みの見物も楽しいのでしょうが、きっと世界経済は危機的状況になり、日本政府は機動的な対策を何もい打てないまま、対外債務を紙くずとしてしまうのでしょう。

鳩山と小沢は、手を汚さずして、日本のお金をアメリカにプレゼントするのです。
・・・これを世間では「国賊」と言います。

・・・私は彼らはもう少し日本の為を考えて行動していると考えていただけに、ガッカリです・・・。