人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

株安・・・膝の屈伸みたいなもの

2015-08-24 12:43:00 | 時事/金融危機
 

■ 世界同時株安 ■

世間は「世界同時株安」だと大騒ぎですが、年末の利上げをい前にした膝の屈伸かと思います。

十分にストレッチしてからダイブするのは年末から来年に掛けてかな?

■ GPIFもそろそろ支えられなくなって来る ■

日本株の注目点はGPIF。そろそろ運用比率上限に25%に迫ろうとしているので、運用比率を改定しなければ買いたくても買えない事態も起こりえます。ただ、上下の乖離が10%まで認められていますから、日本株暴落を海外勢が本気で仕掛けるまでには、未だ今回の様なプチ暴落を難解か演じて、GPIFの乖離上限枠一杯まで追い詰めてから本気の勝負は来年以降でしょうか?

■ 現在の下落は、一部の人達の利確 ■

私は世界経済の大崩壊は来年以降と推測していますが、今回の下落は一部の人達が利確して売り抜けている事を暗示しています。一部の人達とは・・・危険な市場で運用する義務を負わない人達。

ヘッジファンドや投資銀行などは、他人から運用を委託した資金を運用して利益を上げています。様は運用し続ける義務がある訳です。(どうしようも無い状況ではファンドを解散しますが)。ですから彼らはリスクが遠のけばリスク市場で資金を運用せざるを得ません。

一方、一部の資産家などは自己資金を運用しているので、リスクが見合わなければ投資を手仕舞いして資産保全に入ります。金や現物資産としてどこかに隠すのでしょう。金価格が下落している今こそが、彼らの資産保全には最適です。当然、彼らはペーパー金では無く、現物金で資産をb保全します。

■ 危機の顕在化から本格的な危機の進行までにはタイムラグが有る ■

リーマンショックの元となったサブプライム層の住宅ローンのバブル化は、2006年頃には相当指摘されていましたが、実際にサブプライムショックとなって影響が出始めたのは2007年の秋頃からです。そして、それがMBSやCDO市場を通して世界に伝播するまでに1年を要しています。

市場は時にピーキーに反応してパニックを起こしますが、実はパニックが起きるまでは意外にも鈍感です。一つの理由としては「リスクヘッジが機能している」という幻想が機能しています。

現在は様々にリスクヘッジの方法が編み出されていますから、価格変動は片側で損をした人が居れば片側で得をする人も出て来ます。しかし、ヘッジファンドの業績は、ダウや日経平均の上昇率を昨今では下回っています。多分、リスクヘッジを厳密にすると、収支がどんどんトントンに近づいてしまうのでしょう。リーマンショックの前の様にバリバリにレバレッジを効かせ、無謀とも言えポジションを取らなければ巨大な利益は出ません。

ただ、リーマンショックの教訓は、どんなにリスクヘッジをしても、金融市場や現物市場そのものが崩壊に瀕した場合は、リスクヘッジがどれだけ役立つのかは・・・。

■ 100%起こる事でも、今起きなければ無視する市場 ■

市場の特徴としてもう一つ上げられることは、100%発生するリスクでも、それが今起きなけれ無視して投資が進められるということでしょう。特に「金融システムの崩壊」の様な大きなリスク程無視する傾向が有ります。あまり巨大なリスクを仮定すると、投資先が無くなってしまうからです。

結局、市場は仔細なリスクに敏感に反応する割りに、巨大なリスクを見逃してしまいます。

■ 現在の株価下落は仔細なリスクが原因である ■

現在の株価下落が今後リーマンショックの様な大きな危機に繫がるかと言えば、答えはNOでしょう。市場は「利上げ」という心理的プレッシャーによって、中国経済の減速などネガティブな理由に過剰反応しているに過ぎません。

何となく、皆がリスクを整理し始めたから自分も整理しないと・・・こんな連鎖が始まっているのでしょう。

■ 本当の危機は意外な所から表れる ■

危機とは「損をした人の見方」に過ぎません。危機を仕掛けた側は莫大な利益を手にします。それ故に、本当の危機は誰もが予想をしなかった姿を取って表れます。これを人々はブラックスワンと呼びます。

尤も、ブラックスワンは以前から存在し、人々の目にも触れているのですが、人々がそれをブラックスワンだと認識していなかっただけなのかも知れません。「オオーー、ここにブラックスワンが居るぞ」と誰かが大騒ぎする事で、ブラックスワンの脅威は初めて発生するとも言えます。

危機を仕掛ける側としては身構えられてしまっては利益が減るので、なるべく地味なブラックスワンを育て、そしてある時そいつのケツを突いて大騒ぎさせます。

■ ムズムズ病に支配される世界 ■

今後、小さな危機や下落が何回か訪れるでしょう。しかし、その度に相場はストンと落ちて、m、又ズルズルと回復して行きます。本当に危機のタイミングを事前に知っていれば、下落相場は又とない好機です。しかし、「知っている」と思っている彼らが本当の事を知っているとは限りません。知っていると思わされる事で、ムズムズ病を患った投資家達のエサを演させられているのかも知れません。

■ 安保法制の整備が済めば、日本のバーゲンセールの時は近づく ■

私は自民党清和会など爪の先程も信じていませんから、アベノミクスも巨大な釣り針だと信じて疑いません。

安保法案さえ可決してしまえば、アベノミクスのルアーに仕込まれた釣り針がノドに突き刺さるかも知れません。岸辺でにんまりしているのは・・・・。


投資をされている方々は不安な土日を過ごされたと思います。今後も日経平均はGPIFを丸裸にするまで何回も外資の売りが仕掛けられるでしょうが、その都度、2万円を回復する状況が続くでしょう。ただ、ここで底値を拾って一儲けしようとする場合は・・・・いつかババを掴むかも知れません。

20年に一度の「鳥居曳き」・・・天津「式年鳥居木曳祭」

2015-08-24 10:01:00 | 自転車/マラソン
 

■ 夏の房総は津々浦々でお祭りに出会う ■

夏の房総は、文字通り津々浦々で地元の様々なお祭りが開かれています。今年は念願の鵜原時代祭りも観る事が出来ました。

昨日自転車で清澄山を越えて安房天津の町に降りてゆくと、山車が街中を練り歩いていました。





揃いのTシャツの背中には「鳥居曳き」の染め抜きが・・交通整理をやっていらした住民の方に「何のお祭りですか?」と伺うと「20年に一度の鳥居曳きというお祭りです」とのお答え。

目の前にある町会の山車は小さなもので子供神輿みたいな感じだったので、きっと小さな神社のお祭りなのだろうと思い、祭りの行列と別れました。

■ 20年に一度の奇祭、安房天津の「式年鳥居木曳祭」だった!! ■

鴨川から戻る途中、天津の街中で交通規制に出会いました。自転車も押して歩けとの事。何やら前方からは盛大な祭囃子が聞こえてきます。先程のお祭りにしては賑やか過ぎるなと不思議に思いながら進むと、何と神社の前の広間に、街中の人が集まっています。



広場の中心には御神木らしき巨大な杉の丸太が3本。その前に綺麗に着飾ったお中学生位の女の子達が座っています。大漁旗が折からの強風にはためく中、漁師町らしい勇壮な祭囃子が街中に響き渡ります。



聞くところによると、このお祭り、「房州伊勢の宮」として知られる「天津神明宮」の20年に一度の「鳥居曳き」という行事だそうです。

「天津神明宮」は旧社格こそ「郷社」ですが、、天孫降臨に当って国譲りした事代主神が海路当地に移り東方鎮護の神として鎮座し、これを『庤明神』と崇敬したことが当社の始まりと伝えられてる(wikipediaより)由緒正しき神社の様です。その後、石橋山の戦いで破れて房総に逃げ延びた源頼朝がこの神社を厚遇し、妻政子の安産を祈願をするなど、源氏に縁の深い神社となります。その後は「伊勢神宮」より神霊を勧請し「房州伊勢の宮」として、関東武家の信仰を集めます。

「天津神明宮」はかつては伊勢神宮の習い、20年に一度、伊勢神宮と同じ年に「式年遷宮」(社の立替)をしていた様ですが、地元の負担も大きい為、次第に鳥居だけを20年に一度建て替える様になったそうです。「式年鳥居木曳」:として現在に伝わるこの儀式の開催がちょうどこの週末に当たったという訳です。

杉の大木は清澄山から儀礼に則って昨年秋に伐採され、綺麗に皮を剥がれて本日の晴れ舞台に臨みます。







神主さんのお払いの後。独特な三本締めが打ち鳴らされ、そして木槍(浜歌?)と共に、ゆっくりと街中を大木が曳かれて行きます。お爺ちゃんから中学生、小学生までがそれに合唱する様は感動します。生活の中に伝統が息づいています。



各山車のお囃子を担当するのは中学生達。太鼓や鐘のみならず、横笛まで吹けるのには驚きます。だいたい、笛は大人が担当する所が多いですから。

2時から4時まで掛かって広間を出発したのは3本の内の2本。待ちくたびれた3番目の組の人達は、ラジカセを持ち出して盆踊りを始めました。うーーん、なんてグルビーなのでしょう。まさにジャパニーズ・ソウル。

もう少し観てゆきたかったのですが、日没後に清澄の山中を越えるのは怖いので、16時に祭りを後にします。

そうそう、街中に張られていたポスターを紹介しておきます。1枚は専用のもの。もう一枚はダイドーが制作した各地のお祭りを集めたもの。しっかり掲載されています。






本日は20年に一度のお祭りに行き会うとは、毎週鴨川に通った甲斐が有りました。


ただ、一つ。地方のお祭りはよそ者には入って行き辛いですね。観光化されていないので、完全に地元の人達のお祭りです。サイクルジャージでウロウロしていては申し訳無いのですが、皆さんイヤな顔一つされないので、厚かましくもお邪魔させて頂きました。ここに改めて感謝いたします。

<追記>

調べたら、今回から地元以外の人も綱を引く事が出来る様になったそうです。時代と共に、地方の伝統行事も様変わりして行くのでしょう。ただ、車椅子の御婆ちゃんが綱を手にした時の喜びを邪魔しない程度によそ者は楽しみたいですね。

浅草三社祭りなんて、町内神輿が乗っ取られていますから…。