■ 世界同時株安 ■
世間は「世界同時株安」だと大騒ぎですが、年末の利上げをい前にした膝の屈伸かと思います。
十分にストレッチしてからダイブするのは年末から来年に掛けてかな?
■ GPIFもそろそろ支えられなくなって来る ■
日本株の注目点はGPIF。そろそろ運用比率上限に25%に迫ろうとしているので、運用比率を改定しなければ買いたくても買えない事態も起こりえます。ただ、上下の乖離が10%まで認められていますから、日本株暴落を海外勢が本気で仕掛けるまでには、未だ今回の様なプチ暴落を難解か演じて、GPIFの乖離上限枠一杯まで追い詰めてから本気の勝負は来年以降でしょうか?
■ 現在の下落は、一部の人達の利確 ■
私は世界経済の大崩壊は来年以降と推測していますが、今回の下落は一部の人達が利確して売り抜けている事を暗示しています。一部の人達とは・・・危険な市場で運用する義務を負わない人達。
ヘッジファンドや投資銀行などは、他人から運用を委託した資金を運用して利益を上げています。様は運用し続ける義務がある訳です。(どうしようも無い状況ではファンドを解散しますが)。ですから彼らはリスクが遠のけばリスク市場で資金を運用せざるを得ません。
一方、一部の資産家などは自己資金を運用しているので、リスクが見合わなければ投資を手仕舞いして資産保全に入ります。金や現物資産としてどこかに隠すのでしょう。金価格が下落している今こそが、彼らの資産保全には最適です。当然、彼らはペーパー金では無く、現物金で資産をb保全します。
■ 危機の顕在化から本格的な危機の進行までにはタイムラグが有る ■
リーマンショックの元となったサブプライム層の住宅ローンのバブル化は、2006年頃には相当指摘されていましたが、実際にサブプライムショックとなって影響が出始めたのは2007年の秋頃からです。そして、それがMBSやCDO市場を通して世界に伝播するまでに1年を要しています。
市場は時にピーキーに反応してパニックを起こしますが、実はパニックが起きるまでは意外にも鈍感です。一つの理由としては「リスクヘッジが機能している」という幻想が機能しています。
現在は様々にリスクヘッジの方法が編み出されていますから、価格変動は片側で損をした人が居れば片側で得をする人も出て来ます。しかし、ヘッジファンドの業績は、ダウや日経平均の上昇率を昨今では下回っています。多分、リスクヘッジを厳密にすると、収支がどんどんトントンに近づいてしまうのでしょう。リーマンショックの前の様にバリバリにレバレッジを効かせ、無謀とも言えポジションを取らなければ巨大な利益は出ません。
ただ、リーマンショックの教訓は、どんなにリスクヘッジをしても、金融市場や現物市場そのものが崩壊に瀕した場合は、リスクヘッジがどれだけ役立つのかは・・・。
■ 100%起こる事でも、今起きなければ無視する市場 ■
市場の特徴としてもう一つ上げられることは、100%発生するリスクでも、それが今起きなけれ無視して投資が進められるということでしょう。特に「金融システムの崩壊」の様な大きなリスク程無視する傾向が有ります。あまり巨大なリスクを仮定すると、投資先が無くなってしまうからです。
結局、市場は仔細なリスクに敏感に反応する割りに、巨大なリスクを見逃してしまいます。
■ 現在の株価下落は仔細なリスクが原因である ■
現在の株価下落が今後リーマンショックの様な大きな危機に繫がるかと言えば、答えはNOでしょう。市場は「利上げ」という心理的プレッシャーによって、中国経済の減速などネガティブな理由に過剰反応しているに過ぎません。
何となく、皆がリスクを整理し始めたから自分も整理しないと・・・こんな連鎖が始まっているのでしょう。
■ 本当の危機は意外な所から表れる ■
危機とは「損をした人の見方」に過ぎません。危機を仕掛けた側は莫大な利益を手にします。それ故に、本当の危機は誰もが予想をしなかった姿を取って表れます。これを人々はブラックスワンと呼びます。
尤も、ブラックスワンは以前から存在し、人々の目にも触れているのですが、人々がそれをブラックスワンだと認識していなかっただけなのかも知れません。「オオーー、ここにブラックスワンが居るぞ」と誰かが大騒ぎする事で、ブラックスワンの脅威は初めて発生するとも言えます。
危機を仕掛ける側としては身構えられてしまっては利益が減るので、なるべく地味なブラックスワンを育て、そしてある時そいつのケツを突いて大騒ぎさせます。
■ ムズムズ病に支配される世界 ■
今後、小さな危機や下落が何回か訪れるでしょう。しかし、その度に相場はストンと落ちて、m、又ズルズルと回復して行きます。本当に危機のタイミングを事前に知っていれば、下落相場は又とない好機です。しかし、「知っている」と思っている彼らが本当の事を知っているとは限りません。知っていると思わされる事で、ムズムズ病を患った投資家達のエサを演させられているのかも知れません。
■ 安保法制の整備が済めば、日本のバーゲンセールの時は近づく ■
私は自民党清和会など爪の先程も信じていませんから、アベノミクスも巨大な釣り針だと信じて疑いません。
安保法案さえ可決してしまえば、アベノミクスのルアーに仕込まれた釣り針がノドに突き刺さるかも知れません。岸辺でにんまりしているのは・・・・。
投資をされている方々は不安な土日を過ごされたと思います。今後も日経平均はGPIFを丸裸にするまで何回も外資の売りが仕掛けられるでしょうが、その都度、2万円を回復する状況が続くでしょう。ただ、ここで底値を拾って一儲けしようとする場合は・・・・いつかババを掴むかも知れません。