■ 実は頭良いんです ■
国会でのシドロモドロ答弁が話題の桜田義孝五輪担当大臣。千葉県柏市出身という事で、興味がわいてwikipediaで調べてみました。
柏市の農家の五人兄弟の末っ子として生まれ、決して裕福では無かったので塾には通えなかったが、地元の1番高の東葛飾高校に進学されています。
東葛飾高校と言えば当時は千葉高と並ぶ千葉県の名門県立高校。偏差値は70以上の超難関校で、東大進学率も高かった。
桜田大臣、実は親の七光りの二世、三世議員や首相など比べ物にならない程、学力は高かったみたいです。さらに、高校時代は柔道部で、柔道と空手は有段者だとか・・・。
■ 昼は大工をしながら明治大学の夜学に通った ■
ところが、大学受験に失敗して、高校卒業後は大工のアルバイトをしていたそうです。2年程して、父親や周囲から「今諦めたら一生後悔するぞ」と言われ、明治大学商学部の夜学に通い始めます。昼は大工のバイト、夜は大学の生活。
大工を7年半続け、腕もなかなかだった様で、25歳で独立して桜田建設株式会社を立ち上げています。30歳で柏青年会議所に入会し、33歳で理事長になり、その後は市議会議員、県議会議員、そして平成8年に衆議院議員に立候補して当選。現在は4期目。
2017年3月16日に施行された「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」(建設職人基本法)の制定を主導するなど、元大工として、建築作業員の安全問題に取り組んでいる。
まさに、旧田中派的な、土建業のたたき上げの議員。
■ 地元では愛されキャラ ■
桜田議員、以前から失言も多く、言い間違いも多いようですが、地元では愛されキャラ的存在だった様です。多少の失言も地元では愛嬌のうち・・・と捉えられているとか。
国会答弁でも、蓮舫氏にやりこめられているやり取りを観ていると、私などは蓮舫が悪役に見えてしまいます。
■ 桜田氏や片山氏への攻撃は、モリカケ問題からの目くらまし ■
片山さつき氏や桜田氏への攻撃を野党が強めていますが、これは国会プロレスに過ぎません。多分、片山氏の問題を雑誌にリークしたのは政府関係者でしょう。臨時国会の生贄にされた。
一方、桜田氏の起用も、政府内には国会答弁での不安があった様で、官僚の書いたアンチョコをただ読むだけで良いという指示が出ていた。
桜田大臣の起用は、本来政府として避けるべきですが、結果的に攻撃が集中する事で、安倍首相や麻生財務大臣の風除けとして機能しています。
国民がモリカケ問題に飽きている事に自覚的な野党にとっても、恰好の攻撃材料となっています。国民もTVでシドロモドロ答弁を観ながら「こんなのが大臣だったら、オレだって出来るよ」なんてニヤニヤしている事でしょう。
■ 実は悪質な野党の質問 ■
桜田大臣のシドロモドロ答弁に関して、「質問通告」の有無が問題になりましたが、大臣は「無かった」と言った後で「実は有りました」と修正しています。
この問題に関して、元財務官僚の高橋洋一氏が、分かり易く説明しています。
要約してみます。
1) 「質問通告」は国会法で定められてはいないが国会の慣例
2) 質問の二日前に提出する約束
3) 野党は質問前日の午後8時頃に提出している
4) 「質問通知」の内容によって、回答を作る部署が割り振られる
5) 官僚達が深夜まで回答作りをする
6) 翌朝(答弁当日)に担当大臣に回答集が渡される
だいたい、こんな流れです。
高橋氏によれは「質問通知」にも二通りが有り、「専門的な質問」と「概略的な質問」が存在するらしい。
「専門的な質問」をする議員は、質問の内容を官僚に説明し、事前に意見交換をするらしい。こういう質問をする議員は、官僚や政府関係者にも一目置かれていて、いい加減な答弁は許されない。
一方、「概略的な質問」とは、おおまかな質問のタイトルだけで中身が書かれていない様です。そして官僚との事前のレクは行われない。だから、どんな質問が来るのか「アヤフヤ」なので、官僚達は「想定問答集」を作成して、翌朝、大臣に渡す。
■ 蓮舫氏の「質問通知」は悪意に溢れている ■
高橋氏のブログに蓮舫氏の「質問通知」の画像が掲載されています。
<書き起こし>(色字は人力が勝手に付けました)
1、杉田水脈議員の過去の発言について
2、女性活用、男女共同参画について
3、子育て問題
(待機児童、幼児養育無償化を中心に)
5、LGBTについて
6、東京オリンピック・パラリンピックについて
(特に予算措置、新国立競技場(大会後の活用、収支見込等)、
オリパラ関係府省庁会議、H27.11.27閣議決定等)
7、消費税増税について
8、財政再建について
9、その他
*総理には、主に1,6,7について質問する。
答弁要求大臣:
安倍総理大臣、宮越大臣(一億総活、行政改革、少子化、共生社会、子どもの貧困、子ども子育て)片山大臣(男女共同参画、女性活躍)、根本大臣、桜田大臣、柴山大臣、麻生大臣、茂木大臣(経済財政)、山下大臣
参考人要請:会計監査院、JSC理事長
※ 質問レクなし、問い合わせ不可
※ 答弁は要求答弁者のみ。
※ 夕刻までに追加の可能性在り
<書き起こし終わり>
こんな概略だけ、前日夕方にポンと渡される訳ですから、そこから各省庁に割り振りされて、関係部署の役人が、回答を作成する。
ところが、回答しようにも、こんな「アヤフヤな概略」しか提出されていませんから、想定される質問とその回答を準備するしか方法が有りません。
以前は専門的な質問には官僚が答弁していましたが、2000年からは、大臣や副大臣が回答する様に変わりました。これも二重にバカらしい。
1)本来はその政策や法案に詳しい大臣が回答すべき
2)政策に精通していない大臣の為に官僚が深夜まで問答集を作るのはバカらしい
(官僚が答えた方が正確、かつ、時間の節約)
まあ、国会などは「揚げ足取り」の場でしか無く、国民が「政治モドキ」を観て、面白がってくれれば良い・・・そう割り切っているのでしょう。
■ 海外と日本の国会議員には専門性に大きな隔たりがある ■
海外の大臣は、その道にある程度精通した方が成りますが、日本の場合は国会議員が政策に疎い。これは国会に提出される法案がほとんど内閣が閣議決定して法案で、議員立法が少ない事の影響です。
国会議員は与野党ともに国会での政治プロレスを面白可笑しく演じる存在で、法案は自民党の指示で官僚が作成して、自民党内の様々な委員会で検討され、最終的に閣議決定され国会に提出されます。
結果、日本の国会議員は議員立法を提出する様名専門性も無く、又、専門性の高いスタッフを抱えても居ません。
■ 野党の質問者は、臨機応変に揚げ足が取れる人が選ばれる ■
高橋氏によれば、野党に質問者も直前に指名される事が多いらしい。これは国会プロレスの裏側の問題で、与野党の国会対策委員会で、なかなか質問内容を野党が明かさない事に原因があるそうです。
そこで、「旬な問題」を、質問の上手な議員に質問させる事になり易い。蓮舫氏や、共産党に小池氏らがこれに当たるのでしょう。
質問する議員も、直前に指名されるのですから、詳細な「質問通知」などは作る時間は有りません。なるべく「旬」な項目を羅列し、その中に答弁者がボロを出しそうな問題をとりあえず入れておきます。
その後の質問議員のスタッフは、官僚同様に忙しいでしょう。資料を集めたり、閣僚の過去の発言を調べたり・・・。
こうして迎えた国会で、質問議員は「質問通知」の範囲内で、「いじわるな質問」を答弁者に投げかけます。当然、答弁者も「ここら辺を追及して来る」と分かっていますから、無難に質問をはぐらかします。
ここで、野党議員は被告に迫る検察官の様に、「実はこんなん有りました」的にフリップを出したり、「こんなん言ゆてはりました」的に過去の回答者の発言を繰り出したりします。
今回は、片山大臣は結構ヤバイ状況でしたが、さすがは元財務官僚だけあって、きっぱりと疑惑を否定して見せましたが・・・彼女には「人徳」が欠けている様で、ますます怪しく見えてしまいます。
一方、桜田大臣は・・・・もうちょっと勉強しとこうね・・・。
■ 国会プロレスに喜ぶ国民が悪いんだよ ■
こんな幼稚な国会を観て、国民の多くが辟易としていますが、その原因を作ったのは国民とマスコミです。
国民は、専門的な政策論争など理解出来ません。ですから、仮にニュースで取り上げられたとしえても、興味を持てずスルーします。
一方、国民は議員が国会でスキャンダルを追及されると喜びます。金と女(男)の話が大好きです。
尤も、国民は飽き易いので、借りに首相の金銭スキャンダルであったとしても、繰り返し報道されると飽きてしまいます。
「クソ野党は、いつまでも同じネタやってんじゃねーよ!!」って具合に。
モリカケ問題で野党は首相を追及しきれませんが、そんな野党を「ダメ野党」と揶揄している方は、実はご自分が政治プロレスに興奮しているだけの「ダメ国民」だと自覚すべきなのです。
だから、桜田議員には是非とも頑張って頂き、専門的な回答で、蓮舫氏を逆にやり込めて欲しい。あくまでも愛されキャラ的な雰囲気は守りつつも・・・・。