世界的にゼロ金利が常態化する中で、供給サイドは蛇口を開きっぱなし。従来は蛇口を閉める時にバブルは崩壊しましたが、当分蛇口は閉まらない。何故ならばインフレ率が低いから。
現代は金融市場が巨大なバッファーの役割を担っているのでインフレ率は容易には上昇しません。一種のバーチャル空間である市場は無尽蔵に通貨を吸収する。
この状態が「ニュースタンダード」なのか、それとも通貨と信用の問題は根本的には変わらず、輪転機グルグルの状況は、いつかは通貨の信用問題に発展するのか・・・。普通は通貨の信用問題が表面化する前にバブルが弾ける訳で、政治的な意味での「リーマンショック級」よりも、通貨システムの耐性の限界としての「クライシス」に興味津々。
しかし、困った事に、世界は現実の経済を使って通貨実験をやっているのだから、「やっぱダメでした」と言った時にダメージは私達に降りかかって来ます。実験のトップランナーを走るのは日銀で、株ETFや不動産RITEまでバランスシートに取り込んでいる訳で、これが新しい中央銀行の在り方として定着するのか?
「市場に対する無制限の供給者の発行する債券」=「通貨」って、人生ゲームの偽物のお金よりもぺランンペランな気もしないでも無い。ただ、お金に価値があるという集団幻想はなかなか崩れない事も確かで、儲かる内、市場が回る内はマーチが鳴り続けるのでしょう。
「トランププロレス」は分かり易くて楽しいですが、「通貨の限界」なんて問題に世間は一切興味を持ちません。これ、実は幸いな事なんですよね、集団幻想を維持する為に。だからマスコミも敢えて触れない。
さて、消費税増税を巡り「リーマンショック級の危機」がクローズアップされる日本国内ですが、次に「リーマンショック級」が発生したら、通貨システムの信用問題や、国債の信用問題に発展する事に、どれだけの国民が気付いているのか・・・。
或いは、「自国通貨建ての内国債」は崩壊しないのか・・・不謹慎ではありますが「答え」を知りたいと思う今日この頃。