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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

坂バカさんにチャレンジして欲しい・・・激坂 in 安房鴨川

2017-02-17 07:24:00 | 自転車/マラソン
 


世の中に「激坂」という言葉が在るのをご存じだろうか?

「急坂」という言葉は良く耳にするが、「激坂」という言葉は一般には耳にしない。

しかし、自転車乗り、特に「坂バカ」と呼ばれる方たちは「激坂」という言葉を多用します。例えばこんなふうに・・・・。

「本日はヒルクライムにチャレンジしてきました。最初の方は緩やかでしたが、途中からは激坂。途中で痛恨の足つきしちゃいました。」

ところで、どの程度の斜度(傾斜)から「激しい坂」と呼ばれるのか・・・大方は斜度10%を超えた辺りから坂道は「激しい」と表現され始める傾向が強い。

斜度と角度は混同されがちであるが、斜度は「( 水平距離 / 垂直距離 )x100(%)」で求められる。



要は「地図上の100m進間に、何メートル上昇するか」を表す数字である。

ちなみに「道路構造令の第20条」によれば「道路の縦断勾配は道路の区分および設計速度に応じて、2~12%以下でなければならない」事になっている。従って、国道や県道などは大方12%以下の勾配で設計されている。

しかし、私道などはこの範疇では無いらしく、上の写真は都内某所にある息子のアパートの前の私道であるが、写真で計測する限り角度は18°程度の「激坂」である。これを斜度に換算すると32%になる。

この坂道を降りる年配の方の多くが塀に手をついて降りている。そうしないと転びそうで怖いのだ。

ちなみに、以前、ミニベロで登攀を試みたが、ハンドルポジションの高いミニベロでは前輪が浮き上がってしまい、敢え無く挫折している。


ちなみに、プロのロードバイクの選手が、どの位の「激坂」を登れるかというと、




上のYoutube動画はティレノ〜アドリアティコ第6ステージにある有名な「激坂」。最大斜度は28%。多くの選手が力強く登っているが、最後の方の選手は、何と自転車を降りて押して登っている。雨が降ると後輪がスリップして登れない選手が続出するらしい。

ところで、関西の自転車乗り、それも「坂バカ」達が挑む「激坂」が大阪と奈良の県境にあるらしい。「暗峠(くらがりとうげ)」と言うらしい。何だかオドロオドロシイ名前である。

先ずはネットで見つけた写真を見てみよう。



「マジ!!」と思わず口にしてしまった。この場所の斜度は31%だそうだ。ほぼほぼ息子のアパートの前の「激坂」と同じである。

ところで「暗峠」はれっきとした「国道」である。古来より大阪から生駒山を超えて奈良に至る主要な道路で暗越奈良街道と呼ばれていた。現在は「国道308号線」となっているが、道幅は小型乗用車が一台やっと通れる程度。写真が如き急勾配が続き、「酷道(こくどう)」と揶揄されている。

ネットにはこの「激坂」にチャレンジした映像が沢山アップされているが、大方は途中から自転車を降りて歩いている。希に足を付かない猛者の映像も在る。


自転車乗りの一部が喜ぶ「激坂」であるが、短い距離ならば身近にも点在する。息子のアパートの前の道も、「激坂マニア」はしっかりとチェックしてネットに情報があがっていた。


実は娘の鴨川のアパートの近くにも「激坂」が存在する。





鴨川市を見下ろす魚見塚展望台に至る道がそれである。自転車乗りの中には、「ああ、あの道はすごい激坂だよね。20%は超えている」と思われる方のあるかと・・・。

しかし、彼らが知っているのは海側から嶺岡中央林道2号線にアプローチする坂道であろう。確かに駐車場までの数十メートルは20%に近い激坂であるのだが・・・実は展望台に鴨川市街の陸側からアプローチする坂がヤバイ。

田圃からいきなり65mの標高差を一気に登る坂道であるが、途中からは斜度は20%を超え、ところどころ30%に近い箇所も・・・。以前、娘と自転車で降りた事があるが、フルブレーキでソロリソロリと降りても、前側に転がりそうで怖かった。歩いても腰が引ける。

先日、嶺岡中央林道を走破した際に、試しにロードバイクでこの「激坂」を登ってみました。娘のアパートに泊まったので、足がフレッシュだったので思いついた無謀なチャレンジです。

20%超え区間は100m程だと思うのですが、30%に近い所では後輪がスリップして、無理にトラクションを掛けるとかえって登れなくなります。

そして、苦しくなって蛇行をしようとすると前輪が浮き上がってしまってハンドルを切り返す事が出来ない・・・。

それでも何とか39t-28tのインナーローで登り切りました。次にチャレンジしても多分無理だと思います。脳が「苦痛」をメモリーしてしまったので・・・。

この坂を上った後は、10%程度の傾斜は「緩やかな坂道」に感じられました・・・。





ちなみに東京都には「和田峠」という激坂があるらしい。奥多摩の方だという。自転車乗りの多くがチャレンジしている。


ところが、千葉県に「和田峠越え」の「激坂」が存在するという情報がチラホラ。「富山(とみさん)に至る登山道がヤバイらしい。


・・・・自転車乗りの血が騒ぐ・・・。
ア!!、先日、後ろのスプロケの最大を28tから27tにしちゃった・・・・。

インフレ税は日本を救うのか?・・・公平性は高い

2017-02-15 05:34:00 | 時事/金融危機
 

■ にわかに脚光を浴びるインフレ税 ■

昨年8月のジャクソンホール会議(カンサスシティー連銀主催の経済会議)で講演以来、プリンストン大学のクリストファ・シムズ教授が日経新聞などのメディアに登場する事が多くなりました。

彼の主張は「政府債務の一部を増税ではなくインフレで相殺すると宣言し、金融緩和に加えて財政拡大で人々のインフレ期待に働き掛けることが重要だ」というものです。

1)ゼロ金利下では金融緩和は機能しない(リフレ論は有効でない)
2)金利が低いのでリスクの低い国債の魅力が相対的に高まる
3)資金が国債に集まるので景気が活性化しない

4)財政を積極的に拡大して、将来的に「財政インフレ」が発生すると予測させる
5)将来的なインフレを予測して物価が上昇し始める

6)大きすぎる債務残高を増税でファイナンスすると景気を後退させてしまう
7)将来的なインフレによって実質債務を圧縮する事ができる(インフレ税)

8)金融緩和も継続的に行い、インフレが発生し易くする
9)インフレのコントロールは政策金利や中央銀行のバランスシートの拡大で可能

10)日本で心配すべきは財政を積極的に拡大してもインフレマインドが発生しない事

・・・うーん、何やら日本を舞台に再び経済実験が始まる予感が・・・。

■ 物価水準の財政理論(FTPL)とは? ■

シムズ教授の主張は「物価水準の財政理論(FTPL=The fiscal theory of the price level)」は1990年代から主張されているもので新しいものではありません。

様々な解説がされていますが、私は下の解説が分かりやすかった。

http://anond.hatelabo.jp/20161116045208 より引用

<引用開始>

『物価水準の財政理論』というのはその名前がミスリードなもので、基本的には「まともな経済なら、現在の政府債務の実質価値は、将来にわたる実質の基礎的財政黒字とインフレ税の合計を実質利子率で割り引いた現在価値に等しくなっている」という予算制約式でしかない。ここに、将来までの金利や基礎的財政黒字などはある固定値であるといった追加的な仮定を入れると、政府債務の実質価値が一定となるため、政府債務の量と物価水準が比例的関係を持つようになるのでまさに『物価水準の財政理論』という感じになるが、別に将来の金利や基礎的財政黒字などは固定値となる理由はない。固定値どころか、政府債務の量と無関係に外生的に決まる(たとえば政府が財政支出を減らしたり、税金を引き上げたりして、財政赤字に対処しない)という保証すらない。実際にはこの制約式から言えるのは、ある政府債務の下、現在および将来想定される金利政策、税制策、支出政策の組み合わせが決まれば物価水準が決まるということである。たとえば一定の金利政策の下で、政府が基礎的財政赤字を早く削減しようとすれば、名目債務が増加しても制約式を満たす物価水準は下落となるケースも考えることが出来る。

ここで、流動性の罠の下では金利政策、税制策、支出政策のうち金利政策は流動性の罠が続く当面の期間においてゼロで固定値となるため重要度が下がり、残りの財政面の現在および将来のパスが物価水準に主体的な影響力を持つ。ただし、流動性の罠にない場合には財政面はその決定的な影響力を失い金利政策との兼ね合いとなってしまう。そして現実的な増減の範囲では財政面より金利政策の方が物価水準に与える影響が大きい(小さな金利政策の変化の影響を打ち消すのにさえ大きな財政面の変化が必要になる)。その結果、流動性の罠にあるときには財政面から物価水準を考えるのが正しくても、それを流動性の罠にないときにまでそのまま伸ばせない。
また、財政面が効果を持つのは現在の政策のみならず将来のパスも含めてであり、いま財政を拡張的にしてもその分だけ将来に緊縮が行われると思われてしまうと物価水準への影響力も失われてしまう。流動性の罠にある間は財政拡張を続けることへのコミットに加え、流動性の罠から抜け出したあとには財政は通常時のルールへの復帰にとどめそれまでの拡張による債務の増加分を取り戻そうとはしないことへもコミットすることが重要になる

<引用終わり>


政府債務評価方程式 The government debt valuation equationを根拠にしているらしい。



M=マネタリーベース(日銀の借金)
B=政府債務
P=価格

であるので、式の右辺は「統合政府の借金の実質値」となります。この式自体は、政府の借金の実質値を中央銀行と物価も含めて正確に評価する式となります。

左辺は積分の式ですが・・・

E=条件付き期待値
R=政府債務の実質利回り
s=プライマリーバランスの黒字

本来、Rの実質金利は経済状況によって変化しますが、ゼロ金利が続く状況でゼロに固定する事ができます。私の解釈としてはゼロ金利の元では左辺は定数Aとして扱えると解釈します。

これを価格Pについて解くと・・・

P=(M+B)/A となります。

要は、物価はマネタリーベースと政府債務の大きさで決まるという事になる。
要は、金融緩和をしながら緊縮財政を行ったのではゼロ金利の元ではインフレは発生しない・・・という何だか当たり前な事を言っている・・・。


■ 「金融緩和 + 財政拡大」を主張した三橋氏らの主張と何が違うのか? ■

シムズ教授らのFTPL論ですが、私にあは「金融緩和と財政拡大でとっととデフレを脱却しろ」という三橋貴明氏らの主張と同じに見えます。

ただし、シムズ教授の主張が三橋氏らと根本的に違うのは、彼の目的が「政府債務はインフレで相殺する」という点にある事。彼はインフレが良いとは必ずしも言ってはおらす、「デフレ時よりインフレ時の方が好景気である事が多い」程度の認識しか示していません。

これ、当たり前の様に聞き流してしまいますが「景気縮小時にのインフレが発生する=悪性インフレ=スタグフレーション」の存在をさらりと無視しています。(多分意図的に)

要はシムズ教授は「インフレを使って債務を圧縮するインフレ税の方法」を解説しているのであって、景気回復の方法を語ってはいません。

ここら辺が三橋氏や上念氏らとの大きな違いでしょう。

■ 実質金利がゼロに固定される=金融抑圧政策 ■

インフレ税で債務が圧縮される条件として、マネタリーベースや財政が拡大しても金利が上昇しない事が重要になります。要は上限金利を設定したり、現在の日銀の様に10年債までの金利をゼロに固定する様な政策が不可欠になります。

この様に経済状況に関わらず金利の上限を固定する政策を「金融抑圧」と呼びます。

第二次世界大戦の莫大な政府債務はアメリカは上限金利の固定と、戦後復興の旺盛な消費によるインフレで短期間に圧縮しました。

イギリスはアメリカ程成長率が高く無かったので、十数年を掛けて金融抑圧によって政府債務を圧縮しました。

日本は戦後の物資不足による高率のインフレに、預金封鎖と新円発行という合わせ技で一気に債務を圧縮しました。

「債務圧縮」と書くと悪い事では無いように思えますが、片側には国民の資産があって、インフレによる資産の目減りが債務圧縮の財源となっています。


インフレ率に対して国民の金利収益が正当に払われ無い事で、政府が国民の資産を税金と同様に没収しているのです。これを「インフレ税」といいます。


■ リフレ論とFTPL論は多分セットで準備されていた ■

私はリフレ論とFTPL論はセットで準備されていたと妄想しています。

1)リフレ政策によって金利水準を極端に低下させる
2)金利操作付きの異次元緩和によって10年債金利までをゼロにペッグする

この1)と2)のプロセスを抜いて財政拡大を行った場合、財政破綻が意識されて国債金利が上昇してしまいます。ですから、FTPL論の主張する財政拡大の下準備としてリフレ政策が実行されたのでは無いか?

ほぼ安定的なゼロ金利が実現した処で、にわかにジャクソンホール会議でシムズ教授が登場し、日本に対して政策提言を始めた感が強い。


■ ポピュリズムの結果、結局は「インフレ税」を払う国民 ■


仮にシムズ教授の説が正しいとしても、国民は「インフレ税」を支払い、国家は「実質債務が圧縮」できます。結局は国民が損をする。

「インフレ税」のタチの悪いのは、国家などの承認が不要な点です。一般的な「増税」であれは国会決議が必要となりますが、これには国民の反発が強いはずです。

ところが、「政府が財政を拡大すると結果的に政府の実質債務が減りますよ」という免罪符があれば、国民は財政拡大を容認し、自分達の利益を優先します。これこそ「ポピュリズム」の典型です。

しかし、国民は徳する事は無く、インフレによってより多くの負担を強いられる事になります。


■ 「世代間格差の解消」という公平性において私はインフレ税を支持します ■


「人力さんはインフレ税に反対ですか」と聞かれたら、私は「インフレ税に賛成です」と答えます。

もともと私は「ガラガラポン」支持者ですから、それが緩慢に進行するインフレ税には反対ではありません。

現在の日本において最大の問題は「資産が高齢者に偏っていて、国と高齢者の間でお金がキャッチノールされる」事。インフレ税は貯金などの資産に効果的に掛かる税なので、将来的な増税で若者や子供世代に負担させるよりは公平性が高い。

■ 所得の再分配の為の財政拡大で、アメリカに上納する事無かれ・・・ ■

問題は、財政拡大による支出の行先です。つまらないバラマキに使ったり、箱物を作ったり、ましてやアメリカに上納されてしまうのでは本末転倒です。

■ ハイパーインフレは起きない?のか・・・・ ■

FTPL論は1990年代からありますが、実行に移されなかったのは国債金利のコントロールができなくなる恐れがあるから。

では現在の様にゼロ金利が実現している場合は安心なのでしょうか?

問題はFTPL論が目的にしているインフレ率にあります。現在の日銀のインフレ目標は2%ですが、これは為替変動や原油価格によっては達成可能な目標ともいえます。そうなると、異次元緩和を継続する口実が失われ、日銀がテーパリングに入らざるを得なくなります。その時点で財政拡大に舵を切っていたとしたら・・・国債金利は急上昇します。

シムズ教授は、「インフレ率の抑制は政策金利を上げたり、日銀の資産売却で可能」と主張しますが、悪い金利上昇が始まった場合、日銀が資産である日本国債を売却したら国債金利の上昇に歯止めが掛からなくなります。その様な状況で政策金利を上げたら、日本経済が崩壊し、結局「ガラガラポン」が始まります。

これ、結局は「急激なインフレの実現」なので、FTPL論が目指す「インフレによる実質債務の圧縮」が一瞬で達成されます。ただい、国民の生活は大きく破壊されますが・・・。


リフレ論者もFTPL論者も結局は「国民の為」なんて事は爪の先程も考えていないのでしょう。

酷寒から春へ・・・房総ライドの醍醐味

2017-02-13 12:09:00 | 自転車/マラソン
 
■ 温暖な南房総でも山の北斜面は凍結する事も在る ■

最近2月になると桜が咲き始めます。別に地球が温暖化している訳では無く、早咲きの河津桜がいたる処で大増殖しているのです。元来、初物が好きな日本人だけあって河津桜が各地の公園や河原に好んで植えられるようになったのです。

浦安の最近出来た公園の河津桜は7分咲き。そこだけ一足早い春が到来していますが、そうは言っても2月の初旬は一年で一番寒い時期です。温暖で路面凍結が無い為に、冬は関東の自転車乗り達が遠征して来る南房総ですが、さすがにこの時期は林道の北側斜面は凍結しています。

本日は養老渓谷から麻綿原高原経由で鴨川を目指しますが、麻綿原高原に向かう林道は雪が薄っすらと積もった様に凍結していました。時間は11時を過ぎていますが、山の北斜面はヒンヤリとした冬の空気が漂っています。後輪がスリップしない様に細心の注意を払いますが、急斜面だったらスリップして登れなかったでしょう。



実はこの林道、昨年末に稜線が崩落して以来、一部通行止めになっています。車の往来が無い林道は一気に荒れます。枯れ枝、落ち葉、石などが散乱しています。それらを慎重に避けて、ノロノロと登ります。

■ 鴨川は春の佇まい ■

麻綿原から一気に標高差300mをダウンヒルした鴨川の海辺は、一転して春の香りに満ちています。菜の花が満開になり、水仙が風に揺れています。




そんな、早春の房総半島を浦安からほぼノンストップで一気に走って、安房小湊までの100kmを4時間15分で走破。山中は凍結と悪路で徐行したので、その気になれば4時間を切れるかも・・・。

尤も、本日は新兵器を投入しています。リアのスプロケをアルテグラ11-28Tからレコード12-27Tに交換しました。別の軽量化を意識した訳では無く、16Tが欲しかったから。私の脚力だと平地巡行に53-15tは少し重く、53-17tは少し軽い。丁度良い16t入りのスプロケはカンパしか無い。

軽いギア-側が28tから27tになってしまいますが、これがどう影響するかを確認する為に麻綿原を登ってみました。結果は全然OKでした。本日はインナー封印で、ほぼシッティングで登れました。(養老渓谷までダンシングを使いまくってので、ダンシングの足が売り切れていましたが・・・)

ディレラーとチェーンはシマノですが、スプロケをカンパにしたので変速はスムーズになりました。迷いが無くなった。それにカンパのスプロケの良い所は、トルクを掛けた状態で変速がスムースに出来る事。これ、シマノのスプロケだと、変速時にトルクを抜かないと上手く変速しなかったりします。ズボラな私にはカンパのイタリアンらしい「大らかさ」の方が相性が良い。走っていて数段楽しい。

■ ノンキーズカフェ ■

週明けから学年末試験の娘を強引に誘って、海辺のノンキーズカフェでランチをします。隣にある老舗サーファーショップのノンキーズに併設されたカフェですが、奥様が切盛りしています。

いつもは2Fのベランダから海を見ながら食事をするのですが、本日は寒いので店内へ。薪ストーブの暖かさがうれしい。



店内には戦後の鴨川に集まった米軍のサーファー達の写真が飾られています。鴨川は日本のサーフィンの発祥の地だそうで、日本で初めての全国大会も、前原海岸で開かれたとか。



店内から見える海は濃い藍色で、夏の海とも一色違います。



こんなオフシーズンのビーチを堪能できるのも、自転車の楽しみです。



思わず、ビールを注文してしまったので、帰りは電車で輪行します。明日は早朝から仕事なので・・・本日の自転車は軽めの足慣らし程度。






トランプ・マジック・・・発言と逆の効果を生み出す

2017-02-09 08:30:00 | 分類なし
 

■ トランプが動揺させた日本国債市場 ■

トランプが日本は円安に誘導していると非難していますが、この発言で動揺したのが日本国債市場。

日銀が異次元緩和と金利目標でコントロールしていましたが、2月3日に10年債金利が0.15%まで上昇(国債価格は下落)。慌てた日銀は10年債で指値オペを実施。

昨年の11月の金利上昇をけん制する中期債の指値オペでは、指値よりも国債の市場価格が高かった為に応札は無く「空砲」に終わりましたが、今回は市場価格よりも日銀の指値は高かったので、7239億円分の国債を買い入れました。

日本国債の金利が上昇した背景にはアメリカの金利が上昇している事も原因の一つですが、トランプが日銀の異次元緩和を「為替操作」だと婉曲に非難した事で、異次元緩和が将来的に縮小されるかも知れないとの不安が市場に広がった事も確かです。

■ 「市場との対話」に失敗しつつある日銀 ■

実は2月3日の指値オペに先立って、1月25日の買い入れで市場が予測していた中期ゾーンの国債買い入れをスッキップしており、市場には日銀が「こっそりテーパリングを始めたのでのでは無いか?」との疑心暗鬼が広がっていました。

3日の10年債の金利上昇の原因も、市場が予測していた買い入れ額より少なかった事が原因と言われており、日銀は「市場との対話」に失敗し始めたとも言えます。

そもそも、黒田総裁は「対話」を軽視し、「サプライズ」で国債金利を動かして来ましたが、日銀が保有する国債が増える一方で、来年度の国債発行額が減るなど、「追加緩和」というサプライズは既に打てない状況です。

昨年末より日銀はマイナス金利を導入するなど、国債買い入れの「量」から「金利」にコントロールの目標移していますが、金融機関の反発により長期金利の金利を引き上げる修正を迫られました。

■ そもそも出口が存在しない「異次元緩和」 ■

日銀は異次元緩和の目標を、「安定的にインフレ率2%を達成するまで」としていますが、成長力の落ちた日本で2%のインフレは当分達成できそうにはありません。

そもそも異次元緩和は「隠れ財政ファイナンス」ですから、一度始めたら止める事は不可能です。

「日銀がテーパリングを始めるかも知れない」という微かな気配だけで動揺する日本国債市場ですから、黒田総裁が記者会見を開いて「日銀はテーパリングに踏み切ります」なんて発表した日には、それこそサプライズで日本国債が暴落します。

■ 国債のロールオーバーを止めるFRB ■

一方、利上げに踏み切ったFRBですが、今までは償還期限を迎えた国債やMBSなどの債券を同額買い入れるロールオーバーを続けていました。しかし、1月末にイエレン議長は資産買い入れを止め、FRBのバランスシートを縮小する事の検討を始めると発言しています。条件として金利上昇が順調に進む事を上げています。

これ、実は巧妙な「言い換え」で、トランプ政権の政策が成功してアメリカの市中金利が高まった場合、FRBの当座預金にブタ積されている金融機関の資金が流出して、FRBが資産買い入れを継続出来ない状況になる事を憂慮しているのです。

バランスシートの縮小は米国債やMBSの金利上昇(価格下落)圧力になりますから、FRBとしては景気回復が本格化して、国債市場やMBS市場が安定するまでは行わないハズです。その為には米国債やMBSが民間の投資対象として魅力的である必要が在ります。

米国債やMBSの買い手は米国内だけではありません。海外の投資家達にも需要が高い。特に米国債は流動性が高いのでドルと同様の価値を持っています。

■ ドル高を示唆するFRBのバランスシートの縮小 ■

FRBがバランスシートを縮小するまでには、まだしばらく間がありますが、それを実現するにはアメリカのドル高と金利上昇が不可欠です。内外実質金利差を拡大する事で、海外の資金を引き込む必要があるからです。

日銀はFRBのテーパリングの開始に際して異次元緩和と追加緩和で円安誘導を行い、米国債を間接的に支援して来ました。

昨年の円高局面で、日本の金融機関は米国債を売却して資金を国内に引き上げています。中国も外貨準備も大幅に減らしていますので、米国債を売却しています。

トランプショック以降の円安で日本の資金は再び米国債へと向かったと予測されますが、トランプがドル安政策を取ると、世界の資金が米国債やMBS市場から流出してしまいます。

そうなると米国債金利やMBSの金利が需給バランスの悪化によって上昇を始め、金利コントロールが難しくなり、アメリカ経済の足を引っ張ります。

■ ドット・フランク法が廃止されたらFRBのブタ済みは解消する ■

ウォール街はトランプ政権にドット・フランク法の廃止や規制緩和を求めていますが、銀行の自己資本の積み増しを求めた同法案が緩和されれば、銀行はFRBの当座預金や米国債から資金を引き上げて、もっと儲かる投資を始めるでしょう。

FRBのバランスシートを支えているFRBの当座預金が減れば、FRBは否応無くバランスシートの縮小に着手せざるを得ません。

FRBがバランスシートの縮小を口にし出した理由を勘ぐると、その裏には銀行規制の緩和が薄っすらと透けて見えます。

■ 下手をすると日銀は全量買い取りに追い込まれる ■

借りに米国債の金利をFRBがコントロール出来ない状況が発生したら、彼らは躊躇無く円やユーロを攻撃して資金を米国に誘導するでしょう。

ユーロはいつでもギリシャ問題を蒸し返す事が出来ますし、ヨーロッパの不健全な銀行を攻める事も出来ます。

日本は異次元緩和を為替操作だと非難すれば、結果的に日本国債からの逃避を招き、日本の資金は安全資産としての米国債に向かうはずです。こうなると日銀は指値オペを連発して、国債の買い入れペースを増やしてゆかざるを得ません。

気づけば、日本国債の7割を日銀が保有していたなんて事態にも成りかねず、さすがにここまで来れば円の信用にも傷が付きます。

本来、そうなる前に日本政府と日銀はドル売り、円買いで円を防衛しなければなりませんが、政府保有の米国債は売却出来ません。(多分、既に担保にされて安部政権の海外援助に使われているのでは?・・・これは妄想ですが)


まあ、こんな最悪な妄想が現実化するとは思えませんが・・・トランプのドル安誘導の発言はドル高をもたらす・・・・その可能性は否定出来ない。

トランプ円高?・・・アメリカの利益で考えると

2017-02-08 08:23:00 | 時事/金融危機
 

■ トランプ政権はドル安誘導? ■

トランプが日本や中国、ドイツを為替操作国だと非難しています。トランプの掲げる輸出振興の為にはドル安が有利だからです。それを受けて為替市場ではドル安円高が進んでいます。

しかし、ファンダメンタルでは金利が上昇し始め、トランプの公共事業拡大による景気刺激がさらに金利上昇を招くであろう事から、ドル高になる可能性が高い。

昨今のトランプの発言は、ドル安誘導と言うよりは、あまりにも早い金利上昇に水を差したと見た方が良いのでは?

■ 国内雇用の拡大にはドル安よりもトランプ・ルールが効果的■

中長期的な視野に立った時、ドル高、ドル安のどちらが現在、そして将来のアメリカにとって有利かを考える必要があります。

ドル安で有利になるのはアメリカの輸出企業ですが、輸出競争力の在る産業は、農業、軍事、航空機、IT関連、医薬品などでしょう。これらの輸出品は今の為替レートでも十分な競争力を持っています。

一方、トランプ政権がテコ入れしている自動車産業は「アメ車が世界で売れるか?」と考えたら自ずと答えは出るはず。多少価格が下がったとしてもアメ車を好んで買う人はあまり居ません。仮に日本との二国間交渉で軽自動車の規格を廃止したとしても誰もアメ車は買わない。

一方、アメリカ国内で販売される外国企業の車の多くがアメリカ国内生産です。トヨタなども7割が米国製だったと思います。ただ、部品などは日本からの輸出も多いので、これらも含めて米国産の比率を高める政策を強要すれば、アメ車は復活しませんが、アメリカ国内の雇用拡大には繋がり、GDPも拡大します。

そう考えると、トランプ政権が掲げる国内の雇用の拡大には、ドル安よりも「トランプ・ルールの強引な押し付け」の方が効果が高い。

■ ドルの米国内回帰の為にはドル高、金利上昇が有利 ■

トランプを大統領にしたのは表向きはラストベルトに代表される衰退した工業地帯の庶民達です。だからトランプも表向きは「ドル安」誘導して彼らの歓心を引きます。

一方、トランプを裏から大統領に押し上げたのはゴールドマンサックスを始めとするウォール街の面々です。彼らにとってドル安が嬉しい事かは疑問です。

ウォール街はドルを通して世界の資金循環をコントロールしています。ドル安の時はアメリカから資金が新興国など金利の高い国に投資され、これらの国の発展を促します。リーマンショック以降、アメリカから流出した資金が新興国でバブルを膨らめました。

過去の例に習うならば、しばらくドル安が続いた後にはドル高の時代がやって来ます。これはアメリカの収穫祭みたいなもので、ドル高と金利高によって海外の資金が一気にアメリカ国内に還流します。放流したサケが大きくなって川に戻って来る感じです。

資金が流出した新興国ではバブルが崩壊し、為替市場が暴落し、不動産などの資産価格も暴落し、企業も経営危機に陥り、さらに通貨が下落します。ここで、再びアメリカの金融資本家達が登場します。彼らは強いドルをビラビラさせて、暴落した株を買いあさり海外企業を資本によって支配します。二束三文になった不動産や資産を安値で買い叩きます。そして、経営難に陥った企業を再建ファンドなどが買収します。

これらの事は日本のバブル崩壊を経験した方には遠く無い過去の記憶ですし、アジア通貨危機を経験した韓国やタイなども経験した事です。韓国ではIMFが乗り込んで来て財閥が解体され、利益がアメリカに還流する仕組みが作られました。

FRBが利上げに入ってから、何度か新興国バブルが崩壊する兆候が見られましたが、「国際協調」によって何とか「大崩壊」は防がれています。FRBが利上げをしない事で保たれていたバランスだとも言えます。

しかし、トランプ政権になって「国際強調」という言葉はゴミ箱に捨てられました。ウォール街の「アメリカン・ファースト」は「儲かってナンボ」ですから、彼らはそろそろバブル崩壊を仕掛けるはずですが、その原動力はドル高と米国金利高です。

■ 仕込みにはドット・フランク法が邪魔 ■

一口に新興国でバブル崩壊を仕掛けると言っても、実際には容易ではありません。

日本のバブル崩壊時にも綿密な仕込みがされました。当時の日経平均は4万円とバブル化していましたが、イケイケどんどんのムードを逆転させるにはそれなりの仕掛けが必要です。

当時、ソロモンブラザーズはアメリカで「日本売りファンド」を発売して大量の資金を調達しました。日本の市場が暴落したら利益が出るファンドです。その資金で彼らは日本株の空売りポジションを積み上げると同時に、日本国債を買い上げます。そして満を持して日本国債を売り浴びせます。これで国債金利がポンと跳ね上がったので、株式市場が反応して株価が下落します。ここに空売りを浴びせて一気に日本株を暴落させました。この仕掛けにはソロモン・ブラザーズだけでなく、海外の複数の投資家が同調していたと言われています。

この様にバブルの崩壊を仕掛けるにはヘッジファンドなどが為替市場や債券市場や株式市場で色々と仕込みをする必要が在ります。その為には大量の資金が必要となり、ヘッジファンドへの資金供給や、金融機関の自己取引を規制するドット・フランク法は邪魔な存在です。

ただ、資金量が在れば簡単にバブル崩壊を仕掛けられるのかは多少の疑問が残ります。現在の市場は極端な相場の下落に対してサーキット・ブレーカーを準備していますし、日本のバブル崩壊を中国を始め各国の金融担当者は相当研究しているはずです。

■ ドル高・米金利高がバブル崩壊のエネルギーを生む ■


水は高い所から低い所に流れますが、お金は安い所から高い所に流れます。しかし、為替相場は予測不可能に変動をしますから、為替リスクがダムの役目を担い、通貨安の国の資金流出が一気に発生する事は少ない。

しかし、通貨安はアメリカとの金利差が拡大すると、どこかの時点で堰を切った様に資金が流出し始めます。これがバブル崩壊のエネルギーとなるのです。

■ アメリカの一人勝ちは有るか? ■

ここで注目すべきは「アメリカの一人勝ち」は有り得るのかという点。

多分、日本を始めアジアの新興国(中国を除く)のバブル崩壊だけであるならば、アメリカ経済が崩壊するまでには至らないでしょう。

ただ、この危機がヨーロッパに伝搬すると、世界的な金融パニックに発展します。ヨーロッパの不健全な銀行がどの様なリスクを抱えているかにもよりますが、新興国の資産を大量に保有していら危険です。

ヨーロッパ、特に南欧諸国は植民地時代の名残で南米諸国との関係が深く、銀行も多額の投資をしています。アルゼンチンは度々デフォルト一歩手前になりますが、ブラジルを始めその他の国々で危機が発生すると、ヨーロッパの銀行でも損失が拡大します。

■ そもそも存在しない価値の清算はどこかで必要になる ■

リーマンショック以降の超金融緩和によって、世界はリーマンショックの時よりも多くのデリバティブ残高を積み上げています。

市場に資金が順調に流入している間は問題ありませんが、資金流出が始まるとリーマンショックと同様の状況に陥る可能性が高い。

アメリカの利上以降、何度か市場は動揺を繰り返していますが、その都度、各国が資金供給を拡大するなどして小さな危機は収束しています。

その後はだんだんと市場は「不感症」になり始め、ブレグジット以降は「多少の事では市場は崩壊しない」という「根拠の無い自身」を付けています。これはトランプショックが一瞬で収束した事でさらに強まっています。

勢いの付いた市場ななかなか崩壊しないものですが、裏を返せばこれこそがバブルです。相場がファンダメンタルを無視して暴走しているのです。当然どこかで「存在しない価値の清算」という崩壊が発生します。

■ 崩壊によって焼け太りする資本家 ■

「金融危機が起きたら銀行や資本家だって困るだろう」と私達は考えがちです。

しかし、リーマンショックの後の事を考えると損をしたのは銀行では無く、資産を運用していた庶民です。

確かに多くの銀行マンがリストラされましたが、銀行が損をしたかと言えば、リーマンショック以前よりも肥え太っています。

結局、大きな金融危機やバブル崩壊が発生すると、市場に流入していた個人の資金が消えてなくなり、しかしそれは誰かのポケットにチャッカリと収まっているのです。

こう考えると、バブルの崩壊こそが彼らの「利確」なのだと思えてなりません。そのタイミングを決めるのは意外にも中央銀行だという事に注意が必要です。