■ 様々な工事から政治家に資金が還流する日本 ■
公共工事などでゼネコンから政治家にお金が流れるのは一般的にも知られていますが、民間工事でも政治家が絡む案件では資金が流れる事が有ります。但し、これらの資金の流れは巧妙に隠されているので、国税局が査察に入っても容易には発覚しません。
一般の民間工事は予算が限られている中で、資材費や労務費の上昇によりゼネコンは利益を出すのが容易では無い状況ですが、補助金が投入される民間工事は建設費に余裕が生まれます。そこが政治家達の「シノギ」の場になっていると思われます。
■ 設計図を公表出来ない今治市 ■
加計学園に関しては、建設費を積算できる設計図の開示を市民団体が市に要求していますが、市はこれを拒否し続けています。実は市補助金額を積算する市の職員すら見た事が無いという職員のボヤキが新聞に掲載されていました。市が設置した第三者委員会が補助金額は妥当だとの答申を出しましたが、これは結果有りきの人選です。
■ 工事費を2倍水増し? ■
業者が設計図を流出させ、鉄骨造である事が判明します。同時期に市民団体が建設計画当時に国交省に提出された坪単価が80万円である事を突き止めます。ところが補助金申請の坪単価は150万円だった。グランドなど二期工事分も含まれるので最終的な坪単価は128万円と学園側が発表します。それでも鉄骨造よりもコストの掛かる鉄筋コンクリート造の北里大学の獣医学部の建設費の坪単価を大幅に上回っていました。
一部ネトウヨ達が、病院の建設費用との比較で、付帯設備のコストを考えれば妥当だとの情報をタレ流しましたが、獣医学部と言えども、教室は単なる箱である学校施設の付帯設備のコストを病院と比較する事はナンセンスです。
■ ファミリー企業の施工で水増しし放題 ■
加計学戦のゼネコンはファミリーき企業で建設費の水増しなどやりたい放題ですが、公共事業では入札の段階で「非常識な金額」として通るハズは有りません。民間工事だとしても、普通は複数の「相見積」を取っるのが普通です。1社の任意契約で青天井の工事費を学園側が認めた理輔は、その方が補助金額が増えるからに他なりません。
■ 臨時国会の冒頭解散で、工事時水増し問題の追及を避ける ■
この問題は民主党が追及していましたし、新聞各紙も報道していました。本来であれば、設計図書一式を国会に提出させ、複数の機関で再積算すれば済む話です。ところが、安倍首相は臨時国会の開催を散々引き延ばして、冒頭で解散してしまいます。この問題が加計学園問題の一番知られたく無いポイントだったからでしょう。
残念な事に民主党の分裂で政治的な空気が変わり、国民は自公政権を承認してしまいます。総選挙後の特別国会は野党が粘って11月1日から12月9日まで開かれますが、大学設置審議会は11月2日に認可を答申し、11月7日に林文科大臣が設置認可を発表しました。これで、野党の追及は一気にトーンダウンしてしまいます。
■ 野党の「意図的な悪手」だとしか思えない ■
実は野党の戦略に問題が有り、設計図を国会に開示させて工事費水増し問題を追及すれば良いものを、ワザワザ、国家戦略特区の指定に首相が関与したかなどという証拠を立証し難い問題の追及に終始しています。もしかすると、工事費水増しの音大は民主党議員の一部にもブーメランして来る問題だった可能性も有ります。
森友問題にしても、家計問題にしても、本来は贈収賄事件だと思われますが、検察も政治家も世間の目がここに向かう事をひたすら避けている様に感じるのは私だけでしょうか?