■ イギリスのEU離脱に国民の意思は存在するのか? ■
2016年6月23日の国民投票でイギリスはEUからの離脱を決めています。2019年3月29日にイギリスはEU離脱を達成する予定ですが、その交渉は難航している様です。
イギリス国民がEU離脱を決めた原因は、難民の受け入れによりイギリス国内の失業率が高まった事に有ります。安い労働力の流入によって、元からイギリスに住んでいる人達(特に低所得者)の雇用が奪われたのです。
但し、これは表向きの理由だと陰謀論者の私は考えています。EU離脱の国民投票の結果は僅差でしたが、選挙結果などは如何様にででも操作出来ます。ただ、世論と選挙結果の乖離があまりにも大きいと不自然なので、事前にメディアを通じてEU離脱派が増える様な情報操作はするハズです。
陰謀論的にはイギリスのEU離脱は決定事項だったと観るべきで、問題は何故イギリスがEUを離脱する必要があるかという点です。
■ ヨーロッパで底辺の労働を支える難民と移民 ■
シリアの内戦だけでも大量の移民が発生していますが、EUは人道的に難民の受け入れを加盟国に求めています。「難民受け入れ」と言えば聞こえが良いのですが、企業にとっては難民は「安い労働力」と同義です。
先進国内の製造業は新興国の賃金水準との競争に晒されます。これに勝つ為には、新興国に生産拠点を移すか、先進国内で安い労働力を調達するかのいずれかの方法が求められます。
EUでは労働組合の力が強く、賃金は下方硬直しています。しかし、法の目を潜って難民を劣悪な環境で酷使する企業は沢山有ります。(日本の技能研修生制度も同じですね)。
10年以上前に『BIUTIFUL ビューティフル』という映画を観たのですが、スペインの地下経済をリアルに描くものでした。南欧諸国にはアフリカから大量の難民が流入していますが、彼らは底辺の労働者として搾取されている様が克明に描かれています。主人公はそういった難民の世話を焼くチンピラですが、難民と地下経済は共依存の関係に有ります。南欧諸国のマフィアを中心とした地下経済の規模は大きく、地下経済は難民の受け皿となっています。
地下経済の様に違法な移民就労以外でも問題は拡大しています。経済や福祉の優等生と宣伝されているスエーデンでも底辺の労働はアラブ系の難民が支えています。ストックホルム郊外のリンケビューの住人の9割が移民の一世と二世に占められます。治安悪く、凶悪事件も多発しています。スエーデンでは移民に罹る福祉コストが増大して、従来の国民の福祉の質が低下しています。
この様にヨーロッパでは地下経済も難民や移民の労働力を使役し、表の経済も彼らを安く使役して来ましたが、その歪がどんどんと拡大しています。その結果が、各国での極右政党の台頭です。移民や難民に仕事を奪われ、社会保障の質が低下した事に抗議する国民が増えているのです。
■ 難民は確かに原因ではあるが、これから発生するであろう大量の難民が問題 ■
この様にヨーロッパでは難民・移民問題が拡大していますが、仮に中東で大規模な戦争が起これば、陸続きのヨーロッパでは難民をブロックする事は難しい。(実際には難民を送り出すブローカーが船で地中海を渡らせますが)彼らは中東の対岸のギリシャなどに最初に上陸し、そこから陸路を北に移動します。
先ず、南欧諸国の地下経済が彼らの一部を摘まみ食いし、その後、ドイツやその他の北欧諸国が難民の受け皿となります。EU加盟国は受け入れを拒否出来ません。
一方、海で大陸と隔てられているイギリスは、EUを離脱すれば難民受け入れの義務を負いません。難民もドーバー海峡を船で渡る事は難しい。
イギリスのEU離脱の期日は2019年3月29日ですが、この日以降に大量の難民が発生するイベントが発生すると私は妄想しています。そのイベントとはズバリ、中東戦争。
■ ドルの信用危機まで発展する次の金融危機 ■
借りに中東で戦争が起きるとして、その原因はリーマンショック以降の超緩和的金融政策の失敗を誤魔化す為のもでしょう。
世界のリスク市場が不安定になっていますが、原因は米中貿易戦争では無く、金利の上昇や通貨供給量の縮小を前に、金融緩和バブルが崩壊を余儀なくされるから。これは、あらゆる通貨供給量の増加によるバブルの結末として避けて通れません。
ただ、次の金融危機はリーマンショックの規模を越えると予想されますし、債券市場の信用破壊も相当な規模に及ぶでしょう。中央銀行が再び「超緩和的金融政策」を採用したとして、それがリーマンショック後の失敗を連想されるだけなので効果は薄い。
結果的に各国の国債の信用危機や、通貨の信用危機に発展するはずです。当然、リーマンショック直後の様にドルの信用危機も注目されるでしょう。
この様な状況に陥った時、ドルの信用を回復させる方法が一つだけ有ります。それは中東で戦争を起こして原油価格を吊り上げる事です。ニクソンショックの直後にこの方法が用いられました。原油価格の上昇はドル需要を急拡大させます。
■ インフレは政府債務を圧縮する ■
先の石油ショックは世界的なインフレを巻き起こしました。成長力の高かった日本では、「狂乱物価」などと呼ばれる高インフレとなりましたが、アメリカやヨーロッパではインフレと不景気が同時に進行するスタグフレーションが発生しています。
この時、アメリカでは物価抑制の為に金利を高く誘導し、一方で政府の支出が増大しました。カーター政権までこの傾向が続きますが、米経済が弱体化したので、その反動でレーガン政権がレーガノミクスを実行します。
レーガンは一期目の初めこそ「強いドル」政策を実行して金利を高く留めましたが、その後、「ドル安」政策に転換します。これは米国債の対外債務の圧縮に役立ちます。さらには、国内のインフレが政府債務の圧縮に貢献します。金利を低めに誘導しているので、これは金融抑圧政策です。
今後、起こり得るであろう中東戦争によて、今回も原油価格は高騰します。結果、インフレによって政府債務は圧縮されるでしょう。これは国民の金融資産や預金の価値低減と裏表の関係に有ります。故に、「インフレ税」と呼ばれる政策です。
■ 財政的理由でアメリカは自衛隊の中東派兵を要求するだろう ■
仮に次なる金融危機の後に中東戦争が起きた場合、財政的理由から米国は日本の自衛隊の中東派兵を要求して来るでしょう。
その時に「我が国は憲法9条が有るので、海外での自衛隊の戦闘行為は認められていません」なんて言っては居られないので、安倍政権は憲法改正を急ぐ必要が有ります。
仮に憲法改正がされたとして自衛隊の海外での戦闘派遣に国会では野党が猛反発するハズです。しかし、現在の自公政権は「日本の経済の根幹を支える中東の石油を守る事が、我が国を守る事です」として、自衛隊の中東派兵を強行するでしょう。
■ 原発や再生可能エネルギーが息を吹き返す ■
現在の日本は原発が停止しているので、仮に原油価格が高騰したら電気料金は途端に何倍かに跳ね上がります。こえは家計にも製造業にも危機的状況です。
そこで、政府は緊急事態として「原発の再稼働」を強行するハズです。国民の多くもこれを支持する。自民党は原発の再稼働を先延ばしにしていますが、政治的なリスクを負わずとも原発は再稼働出来る事を知っているのかも知れません。
太陽光発電のバブルも再び息を吹き返すでしょう。原油価格が高騰すれば、既存の再生可能エネルギーのコストが逆転する可能性は高い。そして、次の再生可能エネルギーブームは、電気自動車の復旧とセットとなり、過剰電力を自動車ノバッテリーに蓄電する形で、新たな電力需給システムが構築されるものと私は妄想しています。
■ 新たな通貨システムが生み出される ■
中東戦争による原油高によってドルは暫くの間は基軸通貨の座を保ちますが、リーマンショックや次なる金融危機の原因が通貨の増刷である事に疑いは無いので、世界は新たな、より安定的な通貨を求める様になるでしょう。
これは、コモデティーや経済規模にリンクした電子通貨となると予測されます。しばらく世界は「過剰に発行される事の無い通貨」によって通貨システムを安定させた後、徐々に規制を緩める形で、次なる成長フェーズに入って行くのでしょう。これは金兌換システムのドル基軸体制が、ニクソンショックで金兌換を停止した歴史に似ています。
何れにしても、次の中東戦争が世界にとって「ショックドクトリン」となる事は容易に想像出来ます。当然、イランを巡って中露とアメリカは激しく対立するでしょから、中国の米国依存げ低減する形でデカップリングも実現します。(トランプの米中経済戦争はこの前哨戦)
本日も長々と妄想を垂れ流してしまいましたが・・・イギリスのEU離脱は要注意。