久しぶりに京都まで芝居を見に来た。最近遠くまで行くのが億劫になったみたいで、大阪以外にはなかなか足を運べない。だけど今回はペレイラさんの久々の新作である。えいヤァ、と気合いを入れて行くことにした。ロームシアター京都のノースホールはまるで穴倉の底のような空間だ。地下に向かっていくら歩いても辿り着かない。ここはこの芝居にはピッタリ合う劇場。そして、これは世界の果てにやって来た男の話。
彼はパレスサイ . . . 本文を読む
学生劇団の芝居を久しぶりに見る。偶然先日創造館で芝居を見たときに仮チラシをもらって時間があるなと思った。じゃぁ、行きましょうとスケジュールを開けた。まぁなんとなく。(当日入り口で立派なチラシとチケットを特製のクリアファイルと共にもらった! いろんなところに手を入れている)
そういえば昨年もこの時期に同じように劇団ちゃうかちゃわんを見ていた。同じようにたまたまもらったチラシを見て、同じ芸術創造館に . . . 本文を読む
4年に一度の鴨リンピックが今年も開幕しました。何度か見ているから、もういいかな、なんて思うけど、また見せて頂くことにした。東京から始まった公演もこの日の大阪公演で最終日を迎えた。平日のマチネなのに満席でお客さんはノリノリ。演出の荒谷清水の10分以上に及ぶエンタメ前説から始まる。楽しいし、暖かい雰囲気でアットホームにスタート。毎回メンバーが微妙に変わるし、エチュードで作るから同じじゃないけど、同じ設 . . . 本文を読む
土橋淳志が作・演出。なんだか壮大なお話で、チラシも凄い。丸い。富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海。その地下数100メートルにある大空洞・アガルタが舞台だ。そこでは、ナウマンゾウ祭りを明日に控えて準備に大わらわ。前回『幕末コンセプト』の京都に続いて今回も、非日常の場所を舞台にして、そこにいる人たちとやって来た人たちの話。そこでは非日常のイベント(祭り)を控えていつもと違う時間が流れる。今回は実にシンプ . . . 本文を読む
ゲキゲキ2024夏公演のタイトルは実にシンプルに『短編作品集』とつけられている。AB2プログラムで3本ずつ。各80分という上演時間も適切。「7年間で創作してきた短編作品をコメディ中心に集めました」とチラシにはある。きっと自信を持って挑む公演なのだろうと思った。スケジュール的に少し厳しいと思ったけど、見せてもらうことにした。ウイングフィールドを使って小さな芝居を丁寧に見せるという姿勢を買う。そして、 . . . 本文を読む
ふたり芝居。ある夫婦の光景。テーブルを挟んで向かい合う。なんでもないたわいない会話が続く夏の日の午後。今は不在の娘、ハナコを待つ時間。たぶん彼女はクラブ活動をしているようだ。だけどなんだかおかしい。彼女はもう死んでいる。
今いる「ハナコ」は猫で、娘の代わりに飼っているのか。妻は病気で入院するのか。夫はひとりになるのか。だからこの先、妻の代わりにハナコの面倒を見なくてはならないのか。
. . . 本文を読む
ナカタアカネさんの芝居を見る。ものすごく久しぶりだけど、久々に彼女を(彼女の作品を)見ることが出来てうれしい。80年代後半から90年代、スペースゼロで出会った人たちが今もちゃんと芝居をしているのを見ると、改めて芝居って凄いな、と思う。なんだか最近は新しい芝居ではなく、昔から見ている芝居をもう一度改めて見るという作業が多い。もちろんずっと見ていて今も見ているという劇団があくまでもメインだから、新規さ . . . 本文を読む
藤井美保が台本を書き、川田陽子が演出する。ふたりの黄金コンビに武田操美が絡んできて、劇団准教授。この3人が勢いで仕掛けた芝居はとてもシックな作品に仕上がった。クラシックなバーが舞台だ。ママと、そこにやって来る客とのドラマが綴られる。ゆっくり(ゆったり)したタッチで語られる。何も語らないくらいに。20年前の火事で亡くなった人たちと、今を生きる彼らの知り合いや身内との再会が描かれる。事前にチラシや当日 . . . 本文を読む
今年も楽市楽座がやってくる。なんと旅芝居を始めて15年になるということだ。(楽市楽座は33年)今年の演目は『金魚姫と蛇ダンディー』の新作。なんとふたりが宇宙に行く話に。とはいえ、話は途中から好きなところに行く話にスライドして、今はなくなった懐かしい鏡池に向かう。宇宙から地球を眺めると青いなんていうシーンもある。電報が届いて、ふたりは宇宙船ラフレシアに乗って旅する。90分の舞台は途中にゲストタイムを . . . 本文を読む
この夏でなんと13年目になる『しゃば、ダバ・だぁリーディング』。今年の会場は「さかい利晶の杜」。1階の茶室広間全体を使っての公演。今回は利休を扱う時代物を中心にしてまとめた。冒頭の『ぶんぶくちゃがま』が楽しい。たぬきを演じた本多信男(ダブルキャストで女性キャストバージョンもあるみたい)が凄くいい。昔話のたぬきから、澤田ふじ子『宗旦狐』に続く。たぬきからきつねにつながり、『なつぜみ』(畠山健二)から . . . 本文を読む
今年は初めてHPFに参加しなかった(出来なかった?)金蘭会高校の夏公演。山本篤先生がいなくなった金蘭会高校演劇部はもう以前の演劇部じゃない。だけど、彼女たちの演劇は続く。いや、彼女たちの演劇は今、この瞬間にある。金蘭会高校演劇部は山本先生のクラブではない。彼がいないと成り立たないわけではない。だけど、彼がいない金蘭は寂しい。そのことを一番よく知っているのは現役部員の彼女たち自身だろう。そんな彼女た . . . 本文を読む
深津篤史没後10年の記念イベント。盛りだくさんの内容でたくさんの観客、関係者を集めて行われた。深津さんを偲んで、彼のたくさんの作品を今一度思い出す。
森本洋史演出の中編作品の上演は楽しみだった。本格的な演劇作品としての上演のはずが、リーディング上演になったのは残念だ。キャストの3人はいずれも演劇関係ではなく、シタール奏者作曲家、アイドル(俳優)、現代美術家とある。
. . . 本文を読む
初めて見る劇団だが、先日見た空の驛舎のアフタートークで彼を見て、少し興味を持ったから、見ることにした。作、演出の中村圭吾。彼が描くこのバカバカしい不条理はなんだかよくわからないけど楽しい。始まったばかりは何がやりたいのか、まるで摑めないし、先が見えないからだんだんイライラしてくる。なのに芝居は悠々たるタッチ。やがて諦めてこの芝居に慣れてきたら、これをそのまま受け入れることができるようになる。
. . . 本文を読む
(たぶん)高校演劇の既成台本を使って、丁寧に作品世界を作りあげていく。学校を舞台にしたさりげないスケッチ。無理はしないが、台本で誠実に描かれたことを自分たちのものにして表現した。今から少し前、2000年代の地方都市の高校。島から出て本土に来ている女の子。寮で暮らしている。舞台は彼女と担任教師、さらには不登校の男子が過ごす生徒相談室。役者はこの3人だけ。ふたりの高校2年生と担任教師。それを現役高校教 . . . 本文を読む
これはとても高校生らしい作品だ。幼いながらも(失礼!)精一杯背伸びしている。だけど、そんな(無理する)ところが微笑ましいし、好ましい。中編作品の2本立。前者は、高校時代からの4人の友だちの話。彼らの過ごす長い歳月。その中の日々をいくつかの点景として描く。数年に何回かある飲み会での描写が中心になる。ラストはコロナ禍のオンライン飲み会まで。もう1本の後者は、17歳最後の日を繰り返す男の子の夏の一日を描 . . . 本文を読む