ドラマとしてのメリハリがない。描こうとしていることが中途半端で、観客にまで伝わりきらない。興味深いエピソードが満載だし、もう少し掘り下げたなら、きっとおもしろくなる。なのに、それをあっさり見せてしまうので、1本のドラマとして繫がらないのだ。残念な仕上がりだ。だが、最近の若手劇団の中ではかなりおもしろい集団なのではないか。今後がとても楽しみだ。
作、琳宏。演出、野倉良太。彼らは敢 . . . 本文を読む
岩井俊二の『リリィ・シュシュのすべて』以来の衝撃だ。『14歳』というそっけないタイトルと、小さな出来事を積み重ていくスタイルは廣末哲万監督と高橋泉(脚本)のチーム(群青いろ)のいつものやりかただが、長編映画のなかで、この息詰まる見せ方をされると、さすがにつかれる。
点描として、綴られていく最初は名前も、顔の区別すらつかないような子供たちの行動。そのひとつひとつをさらりと見せつつも、そこにある . . . 本文を読む
クラスメートの悪ガキに虐められて、コズキまわされた弟が、同じように高校時代のクラスメートから、イジワルを言われ、虐められている姉の姿を目撃する。何も出来ないまま、ただ影から見ている。姉は女たちに、買い物してきた豆腐とかをぶつける。この場面がなんだか切ない。この後、2人がニュータウンの芝生の道を通って家に帰るシーンが続く。とても美しい場面だ。
もちろんこの映画の主人公は姉である蒼井優なのだが、 . . . 本文を読む