これはもうイベントムービーだ。だが、それはこの映画を貶める言葉ではない。事実は事実として受け止め、その中でやれることをやるのが大事で、本広克行監督は冷静にこの超大作をドライブしている。とても立派だ。ファンの期待にこたえることは当然の責務だが、それだけではない。この映画に関わったスタッフ、キャストはみんなこの「踊る」の世界が大好きなのだ。だからこの世界を大事にしながら、でもそこに甘えることなく映画 . . . 本文を読む
ミステリーに嵌っている丸尾拓さんの新作。いつものようにストーリーテラーの田中さんの案内によって、作品世界に一気に引き込まれていく。昭和モダンを背景にして、いかにもな人たちが繰り広げるフィクションの極みのようなお話をのんびり楽しめばいい。大仰な効果音の入れ方も、この作り物めいた世界をきちんと伝えていて悪くはない。
今回は謎解きよりも、設定のおもしろさの方に重点が置かれていて、そこもいい。トリッ . . . 本文を読む
思い切ったことをする。だが、今、このことをひとつのメッセージとして、広く観客に伝えたかったのだ。目の前にあるとても大切な事実をひとりでも多くの人たちと共有したい。分かってもらいたい。だから、ストレートに芝居として見せる。岩崎さんの覚悟の程がしっかり伝わってくる作品だ。
あいまいな描写は一切しない。大阪市のとんでもなく惨いやり方と、自分たちの真摯な闘いをありのまま伝える。もちろん行政の側にだっ . . . 本文を読む
全く方向性は違うけれども、教室を舞台にして子供たちと担任の先生による対決が話の軸になる、という意味では『パリ20区 僕たちのクラス』と比較してみたくなる。子供たちひとりひとりが生き生きと捉えられてあるという意味でも、この2本はよく似ているかもしれない。
ドキュメンタリータッチとフィクションスタイルという対極にありながら、この2本の示す「今」の感触はよく似ている。どちらも僕にとってはまるでリア . . . 本文を読む