習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ザ・ロード』

2010-07-07 19:22:29 | 映画
『ノーカントリー』のコーマック・マッカーシーのベストセラー小説の映画化らしい。『ノーカントリー』の、というところに引っかかった。コーエン兄弟の手で映画化されたあの作品の感動再び、だなんて思ったのではない。そこまで虫のいい話はなかなかないし。  劇場でこの映画の予告編を見た時、これっていつもの終末もので、本来大スクリーン向けの大作なのではないか、と思った。それが、気になっていたのだ。SF娯楽大作タ . . . 本文を読む
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劇団せすん『チロリンマンの逆襲』

2010-07-07 18:52:43 | 演劇
 正直言うと、酒井美知代さん演じる少年にはかなり違和感があって、さすがに受け入れ難い。彼女が悪いのではなく、いくらなんでも年齢的に無理があり過ぎるのだ。芝居だから、と言いたいところだが、一応リアリティーを追求した現代劇なんで、そこに引っかかったら、芝居に集中できない。さらには、あのチロリンマン! いくらなんでもお笑いではないのだから彼が出てくるだけで真剣に芝居を見れなくなる。そんなことではいけない . . . 本文を読む
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村上春樹『1Q84 Book3』

2010-07-07 08:47:17 | その他
 天吾と青豆の2人に、今までは傍役だった牛河も加入して、主人公は3人になった。Book3は、彼ら3人の視点から見た話が交互に語られながら展開していくことになる。従来の2人に牛河の視点が入ることで、ドラマはある種の客観性を持つ。  天吾と青豆が苦難を乗り越えていかにして出逢えるのか、というお話で引っ張っていく「すれ違いメロドラマ」のスタイルなのだが、今回は今まで以上にドラマらしいドラマがなくなり、 . . . 本文を読む
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ボヴェ太郎舞踊公演『消息の行方』

2010-07-07 08:27:18 | 演劇
 『伊勢物語』の東下りを題材にした能の『杜若』をボヴェ太郎のダンスによって見せていく。7人の能楽師を従えて、アイホールに作られた特設能舞台で舞うボヴェ太郎の美しさに魅せられる。  とても現実とは思えない美しい空間がそこには立ち現れる。この夢幻の世界に酔う。回廊式の空間。少し傾いだ舞台。正面から見ると幾分斜めに設置されてある。闇の中からそれが浮かび上がる瞬間の興奮。下手から4人の囃子方が登場する。 . . . 本文を読む
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