前作を見たとき、なぜこんな映画になるのか、と考え込んでしまった。つまらないはずはなかったのだ。大人向きのヒーローもの、というのが、作られてもいいと思うし、これがそうであったなら、と期待した。なのに、出来上がった作品はなんとも中途半端で納得のいかない映画だった。武器商人が、正義の戦士になる、なんていうなんともシニカルな設定がいいな、と思ったのに。
主人公のトニーは戦争で金儲けをしてきたある意味 . . . 本文を読む
こんなにも泣かされるなんて思いもしなかった。いや、たぶん泣くな、とは思っていた。前2作にも泣かされたのだから、絶対やられると思っていた。でも、それなりの覚悟は出来てるし、センチメンタルな味付けでは騙されたりしない。こっちはちゃんとした大人だからな! なんて思いつつ劇場へ。
でも、ダメだわ。ウッディーがあまりに純粋で、彼がアンディ-のことを信じて疑わないんだから、もうそれだけでこの映画を信用し . . . 本文を読む
これは10年代の『ブレードランナー』だ。オープニングの荒廃した風景や、漢字やひらがなが目立つ雑然とした都市部の繁華街の夜景なんて、あの映画を明らかに意識した意匠だ。もちろんあの映画に匹敵するほどの奥行きはないが、かなりいい線までいっている。
ストーリーの巧みさ、ラストのどんでん返しも含めてなかなかよく練られてある。ダークなトーンで統一しながらも、娯楽映画としての矩は越えず、とてもスリリングで . . . 本文を読む
中山さんの悪意に満ちた芝居は、派手さとは無縁のモノクロームの風景を提示する。テンションは低い。話は広がらないし、描かれる世界の狭さと、息苦しさはかなりのものだ。だが、なぜか舞台から目が離せない。
小さなジュースの会社が、本業のアロエジュースだけでなく、多角経営の一貫として、薬用クリームを作り、それで成功する。会社はジュース部門縮小と化粧品部門の拡大という経営方針を打ち出すのだが、それぞれの工 . . . 本文を読む
ロバート・ロドリゲスは『プレデター』シリーズの熱狂的ファンだったらしい。自分の手で完璧な『プレデター』を作りたいと思って、この映画を製作した(のだろう)。その結果、ロドリゲスらしいとってもチープなB級活劇が仕上がった。これは作者であるロドリゲス(監督は『モーテル』のニムロッド・アーントルだが)の思惑通りの映画なのだろう。だが、これでは第1作の『プレデター』にすら及ばない。ましてや傑作『プレデター . . . 本文を読む