いつもにも増してどんどんエスカレートしていく。外輪さんは、もはやテキストを語るよりもテキストを解体して、物語らないことを選ぶ。それは観客を混乱させるためではない。語るべきドラマよりも心の深奥を見せることの方が大事だと感じるからだ。混沌を混沌のまま見せるためには、方法論が何よりも大事になる。情報量を肥大化させるために、あらゆる手を使う。その結果、観客はそのすべてを消化吸収することは不可能になる。こ . . . 本文を読む
ただ、下手から上手に砂の中を匍匐前進していくだけの兵士たち。同じように下手から上手へと黙々と歩いていく観光客たち。この単純な運動のくりかえしだけの芝居が、どうしてこんなにも胸に迫るのだろうか。この変化のない単調な繰り返しは、ここが戦場であることを忘れさせる。抜けるような青空と、そこを漂う真っ白な雲が、額縁のように背後のパネルの中に描かれてある。それが空中に浮かんでいる。吊り下げられたそれの前、舞 . . . 本文を読む