難病ものの映画なんて見たくもない、と思うのだが、この映画はちょっと見てもいいかも、と思わされた。それは、これが死と向き合うこと以上に、生きていることの奇跡をちゃんと描こうとしているように思えたからだ。
そんな事前の予想はちゃんとあたって、これはなんとも素敵な映画に仕上がっていたのがうれしい。ただのお涙頂戴ではない。生の輝きに満ちあふれた映画である。でも、死という事実からも、目を背けることなく . . . 本文を読む
どうしてこんなにも詰めの甘い映画ばかりを作り続けるのだろうか。僕にはその理由がわからない。才能がないから、と切り捨てても構わないだろう。ミュージシャンとしても、作家としても成功したはずの彼が、こと映画だけは上手く行かない。作家の余技で済ますにはちょっとしつこすぎる。もういいかげん諦めたらいいのに、と思う。でも、何度となく挑戦する。諦めの悪い人だ。
辻仁成の新作である。確か今はフランスで暮らし . . . 本文を読む