ラストの展開を見ながら、これと同じような映画をどっかで見たことがあるよ、と思ったのに、なかなか思い出せなくてイライラした。そのため映画に集中できない。困った。気になって仕方なかったのだ。だが、ようやくそれを思い出したとき、心からがっかりした。
映画は観月ありさ主演のコメディー『Baby! Baby! Baby!』である。あのコメディータッチのドタバタ映画と話が全く同じなのである。この映画のク . . . 本文を読む
こんなタイプの芝居を見るのは久しぶりのことだ。ドラマのメリハリはないし、へんに観念的なのに、描いていることは至って単純で、なんだか見ていてちょっと恥ずかしくなる。途中、テンポも悪くて、何度も居眠りしそうになって困ったし。正直言うとダメな芝居だ。
でも、見終えた後、そんなにイヤではなかった。それは、作り手たちが一生懸命自分たちの世界を表現しようと努力しているからだ。少なくとも、それは伝わってく . . . 本文を読む
高嶺格が日本のパフォーマーとタイの子供たちのコラボによって作り上げた壮大なパフォーマンス・ショー。アイホールの巨大な(小劇場としては、だが)舞台空間をさまざまなものに見立ててそこで、わけがわからないお遊びを繰り広げていく。シーンごとにはなんの連続性もない。しかし、その全体が、何か、とてつもないものに見えてくるのがいい。その胡散臭さも魅力だ。わけのわからなさ、混沌、真摯さ。それらが渾然一体となって . . . 本文を読む
園子温の新作。今度は全く救いのない嫌な話。もともと人間の暗部を残酷描写とあきれるような手法で抉りだしてきたけれど、今回は今までの比ではない。最初から最後まで2時間半の地獄巡りである。生半可な気分で見たなら、気分が悪くなり途中で退席せねばならなくなるだろう。
全くどこにも救いがない。『紀子の食卓』と『愛のむきだし』の2本でまず一つ目のピークを迎えた彼が今回挑戦するのは、完膚無きまでに家族という . . . 本文を読む