ものすごく期待していたから、ちょっとはぐらかされた気分だ。先に書いた水沢秋生の『ゴールデンラッキービートルの伝説』が、本来この映画が描くべきことを描き切ってしまった気がする。偶然同じタイミングで、読んだだけなのだが、あの小説の感動と同じ質のものを、僕はこの映画に期待していたのだ。ミステリータッチで話が進行していくのは、構わない。だが、高校時代のエピソードには、もう少しのリアルさが欲しい。
高 . . . 本文を読む
3人の少年少女が偶然同じクラスになり、過ごす一瞬の時間を描く。でも、その一瞬が永遠になるラストシーンが感動的だ。小学6年の始まりから、突然の別れまで。幸せな時間はずっと続けばいいと思う。でも、そんなことは不可能だ。それくらい子供にだってわかる。でも、できるならこの幸福が永遠であって欲しい。
ヨータとジュンペイは、今年も同じクラスになった。小学校最後の1年だ。ジュンペイはよかったなぁ、と思う。 . . . 本文を読む
今この79年に書かれた戯曲を上演する上で土橋さんのとったアプローチはきっと正しいはずだ。2012年という時間のなかで、ここに描かれた「戦争」は明らかに3・11を想起させる。突然襲いかかってきた不条理と向き合う家族の姿を通してさまざまなことが考えられる。3・11に焦点を絞り込むのではなく「見えない敵」という普遍性の中にこの作品の本来の意図はあったはずだが、敢えてポイントをそこに絞ることで、後半の大 . . . 本文を読む