読みやすい小説で、2回の仕事場への往復(2日で、ということです)で読めた。読んでいる間は楽しい。よく出来た短編集だ。7つの作品は、それぞれが「今」という時代をちゃんと描けてある。だが、その切り口はあまりに表層的で、正直言うと、これでは物足りない。でも、作者は、このくらいの軽いテイストで、まとめることを望んでいるのだから、そういう感想は彼にしてみれば、心外なことだろう。僕の好みと、作品の目指す方向 . . . 本文を読む
サブタイトルに「3月11日 午後2時46分 大阪に居た 私たちの話」とある。今回の公演日は、3月10日でなくてはならないという笠井さんの覚悟。震災をテーマにした舞台。そこから喚起される生々しいものは全面には出ない。あくまでもパフォーマンスとしてスタイルがテーマに優先する。だが、静かに彼の胸の中にある想いが伝わってくる。
舞台上、静止したままの役者、そこにモノローグが入る。もちろん静止してい . . . 本文を読む
これが森田芳光監督の最期の作品になった。信じられないことだ。『のようなもの』(81)がロードショーされた時から、ずっとリアルタイムで27本(ロマンポルノも含めて)すべての作品を劇場でロードショー時に見てきた。森田監督とともにこの30年ほどの日々を生きてきたと言っても過言ではない。誰よりも大好きな監督だった。もちろん他にも好きな監督は何十人もいる。だけど、こんなにも同じ時代を生きた、と言い切れる人 . . . 本文を読む
昨年台湾で大ヒットしたこの超大作は、今回の大阪アジアン映画祭の目玉番組であろう。2部作、計4時間34分のオリジナル・ヴァージョンが、シネヌーヴォーとABCホールで1度ずつ、計2回のみ上映される。昨日(3月13日)、最初の上映があり、劇場に行った。ギリギリで入場できたが危なかった。あと10分遅れていたなら、入れなかったことだろう。ラッキーだった。最大限の立ち見も含む超満員の熱気の中で映画を見るなん . . . 本文を読む