この作品については、先の『はやぶさ 遥かな帰還』の項でも少し触れた。三作品競作の最終作品だ。今回の売りは3Dと、子供目線ということなのだが、予想以上に悲惨なことになった。作品的にも、そうだが、まず興行的に惨敗を喫した。そんなこと、最初からわかりきったことだったが、それでもここまで人が入らないと、製作会社はショックだろう。三作品ともに沈没したが、それでもまだ先の2作品はましだ。作品的には、ある種の . . . 本文を読む
この短編集は怖い。もちろんこれはホラーではない。死んでしまった子供たちの話だ。8つの短編はそれぞれ不思議な出来事を描くのだが、それは仕方ないことだ、と思わされる。土俗的な風習のようなものが、それぞれのお話のベースにはある。時代は今ではなく、ほんの少し昔。まだ日本の産業が農耕を主とする時代の話だろう。明治とか、大正とか、昭和の前半の頃。戦争の前の話だ。もちろんどこにもそんなことは書かれていない。漠 . . . 本文を読む
これは原題のまま『アイアン・レディー』でよかったのではないか。いくらなんでも『鉄の女の涙』ってないだろ。しかも、それはサブタイトルだし。サッチャーという女性を、どう描くか、いろんな切り口があったはずだ。この映画の選択は悪くはない。年老いて、認知症になった彼女が、死んでしまった夫の亡霊とともに過ごす今の時間から、過去の歴史を振り返る。伝記物なのだが、彼女の偉業を描くと言うのではなく、今の彼女の現実 . . . 本文を読む
8話からなる短編連作だ。1本が10分程度という長さ。これだけの尺で何かを表現することは難しい。空の驛舎『追伸』が3話であることについて、先ほど書いたのだが、その直後にこの作品を見たのは偶然なのだが、面白い偶然だ。10分であろうとも、ちゃんと完結するエピソードが描けれる。まぁ、当然のことだろう。ただ、『追伸』で中村さんが8作品、あのレベルで作り、しかも、それを一気に見せて成功できたか、はわからない . . . 本文を読む