もうこの映画を見てから2週間くらいが経つ。別に書くのを忘れていたわけではなく、ただ、なんとなく、気分が乗らなかったのだ。職人監督、橋本一が、ちゃんと仕事をこなしている。悪くはない出来だ。
だが、僕はこういう大仰な映画は好きではない。主人公の何様か、と思うような、自分勝手で、わがままな行動も鼻につく。TVなら許されるのかもしれないが、現実世界ではありえない。一匹狼を気取っているのかもしれないが . . . 本文を読む
この中編小説のもの足りなさは、中途半端な長さのせいだけではなく、主人公の15歳の少女と37歳の同居人の関係性を曖昧にしたまま、話が最後まで行くからだ。ストーリーのメリハリを、敢えて追わないという作り方になっている。彼女たち2人の感情を理屈ではなく、揺れ動く感情のまま、不安定に捉える。
少女の両親は、自分たちの友人で自殺願望があり、身の置き場のない女性レミちゃんを同居させ、彼女の面倒を娘である . . . 本文を読む