習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『臨場』

2012-08-01 19:54:36 | 映画
 もうこの映画を見てから2週間くらいが経つ。別に書くのを忘れていたわけではなく、ただ、なんとなく、気分が乗らなかったのだ。職人監督、橋本一が、ちゃんと仕事をこなしている。悪くはない出来だ。

 だが、僕はこういう大仰な映画は好きではない。主人公の何様か、と思うような、自分勝手で、わがままな行動も鼻につく。TVなら許されるのかもしれないが、現実世界ではありえない。一匹狼を気取っているのかもしれないが、検視官だし、公務員だし、なんでそこまでええ格好しなければならないのか、よくわかりません。

 まぁ、そんなことには拘らずにただ、お話を追っているだけでいいのだろう。でも、最後の思わせぶりな終わらせ方とか、なんかありえない。内野聖陽の変な演技はTV版からのお約束なのだろうか。見ていて笑えるが、そこはきっと笑う所ではないはずだ。不謹慎なので、笑うことなく見ようと、努力したのだが、変すぎ。無差別殺人の犯人が、どういう精神状態にあるのかも、よくわからない。精神異常ではなく、確信犯で、という展開には無理がある。で、最後のあの立ち回りである。

 2時間以上の大作で、見ている分には楽しめるのだが、嘘くさいから、真剣には見れない。真面目な映画なのに、なんか損している。

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