吉田修一としてはかなりの大長編である。450ページほどある。でも、それくらいなら『悪人』も同じくらいあった気がする。問題はそんなことではない。内容なのだ。いくらなんでもこれはないだろ、と思った。これってただのエンタメ小説だ。しかもスパイものだったりするし、企業間の抗争とか、エネルギー資源の争奪戦とか、なんだかんだで、今までの吉田修一じゃぁない!
大体僕はこの手の小説は読まない人なのだ。なの . . . 本文を読む
何年か前、この映画の原作を読んだとき、けっこう気に入ったのだが、この映画を見ながら、ずっと違和感を感じていた。それは単純に映画と小説の差なのだろうか。それだけではないだろう。もともとこの題材はけっこう映画向きのはずなのだ。だから映画化はヒットだと思った。昨年11月劇場公開時、すぐに見に行きたいと思い、ちゃんといくつもりだった。だが、評判がかなり悪く、しかもいつものようにすぐに上映が終了したので行 . . . 本文を読む