習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

犯罪友の会『横町のダーリン』

2014-05-19 19:38:57 | 演劇
こんなにも軽やかなお話として、全体をまとめてあることに驚きを禁じ得ない。武田さんは敢えて重い話にはしない。高校生の女の子を主人公にして、彼女の目から見た今(あの頃。大阪で万博が開催された時代、1970年)を描きながら、同時に、それでもまだ「戦後」は終わってはいない、ということを切々と綴る。帰らない夫を今も待ち続ける女の物語(こちらのほうが本当は中心になる)として全体をまとめあげていく。だが、最初 . . . 本文を読む
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『四十九日のレシピ』

2014-05-19 19:10:23 | 映画
たまたま大林さんの映画を見て、昨年見逃していたこの映画のことを思い出した。ちょうどレンタル開始したはずだと思い、ツタヤに行く。ちゃんと新作コーナーにある。よしよしと思い借りてきた。タナダユキ監督の新作である。昨年秋に公開された時にはあまり評判がよくなかったようだが、そんなはずはない。『ふがいない僕は空を見た』に続く作品だ。それに、彼女の作る映画がつまらないはずはない。 原作は出版されたときに . . . 本文を読む
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『野のなななのか』

2014-05-19 19:09:26 | 映画
このタイトルは読みにくい。どこで区切るといいのか、ちょっと悩む。「なななのか」が「四十九日」のことであるということは、映画を見たならすぐにわかる。ある老人の死を描く。彼の四十九日までのお話だ。そして、彼の92年の人生のお話でもある。どんなふうにして生きたのか。死んだあと、彼の死を家族はどう受け止めるのか。死は終わりではない。永遠に続く人間の営みの一部でしかない。誰かの死は、誰かの生へと受け継がれ . . . 本文を読む
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姫野カオルコ『昭和の犬』

2014-05-19 19:07:46 | その他
犬には興味ないから、犬を中心にした小説なら、読まない。でも、犬を周辺に置いて、昭和を描く小説のようなので、読むことにした。最初はあまり乗れなかった。ただ、主人公の柏木イクと僕とは同世代なので、(彼女のほうがいっこ上の今年55歳。もちろん、作者の姫野カオルコも同じ)背景となる時代が僕の記憶と微妙にシンクロする。彼女は滋賀で僕は大阪と、住んでいる地域も微妙に近い。まぁ、そういう個人的なことはどうでも . . . 本文を読む
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