習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

飛鳥井千砂『鏡よ、鏡』

2014-08-08 22:25:46 | その他
すべてがまるで対称的な2人の女の子を主人公にして、そんな2人が反発しあいながらも、心惹かれていくさまが描かれる。まぁ、よくあるパターン。  20歳の新入社員。化粧品会社の美容部員として採用された2人。新人研修で出会い、それからの1年間ほどのお話。反目しあいながら、やがて、仲良しになり、でも、別れていく。そういうどこにでもあるようなドラマが短時間の出来事として描かれる。長い人生の中のほんの1年間 . . . 本文を読む
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『トランセンデンス』

2014-08-08 22:23:29 | 映画
ジョニー・デップ最新作。というよりも、クリストファー・ノーランのプロデュース作品として、どうか、という感じの作品。題材としてはとてもノーランらしい作品。でも、思ったよりスケールが小さい。もっと壮大なお話へと広がるか、と思ったのだが、そういう意味では肩透かしを食らうことになる。最後はちょっとした戦争状態にもなるというのに、思ったほどに話は広がらない。 まぁ、これは基本的には、先日見た『her/ . . . 本文を読む
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『思い出のマーニー』

2014-08-08 22:10:15 | 映画
スタジオジブリが、宮崎駿監督の引退を受けて放つ最新作だ。巨匠無き今、ジブリ神話はどう引き継がれていくか、そのスタートを任されたのが『借りぐらしのアリエッティ』の米林宏昌監督である。宮崎監督を超えるなんてことは不可能だし、無意味だ。彼にしかできない作品によって太刀打ちするしかない。そこには気負いはないと言えば嘘になろう。だが、真っ向勝負するのではなく、自分の切り口で、自分にしかできない作品を目指す . . . 本文を読む
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『ラストミッション』

2014-08-08 21:57:48 | 映画
 一世を風靡したケビン・コスナーの主演映画が久々に公開された。もちろん今時ケビン映画なんか、劇場公開されたことが不思議。それくらいに忘れ去られようとしているハリウッドスターになった。あの大ヒット作『ボディガード』の栄光はいずこ。今回もハリウッドではなく、都落ちして、フランスくんだりまで出張した。例によってまた、製作、脚本はリュック・ベッソンだ。リュック・ベッソンもまた、過去の人だ。『グレート・ブル . . . 本文を読む
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小池昌代『たまもの』

2014-08-08 21:56:35 | 映画
こういう小説を彼女は書ける。詩人だから感性の赴くまま、お話にもならないようなこんなお話をちゃんと紡いでいく。何も起きないお話なのに、どんどん読ませる。  昔付き合っていた男から、子供を預かる。もう自分では出産する気もない(そんな機会もない)40歳の女が、800万円とともに。1歳にも満たない赤ん坊である。彼女が自分の子としてその子を育てる10年間。 ただ流れるようにストーリーではなく、お話は . . . 本文を読む
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森絵都『クラスメイツ』(前期、後期)

2014-08-08 21:56:03 | その他
 2冊組みで1本の小説。短編集だけど、1年間の「お話」を描く長編小説。中学1年の1年間。24人のクラスメートたち。それぞれを主人公にした短編集というスタイル。だが、時制を追って描かれるから結果的にこれが1年間のお話になる。  中一の頃、という微妙な時間のさまざまな想いがとてもよく描かれる。読みながら、あの頃に引き戻される。不安だった入学仕立ての頃。本当に不安で仕方なかった。友だちはできるのか。自 . . . 本文を読む
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『私の男』

2014-08-08 21:46:43 | 映画
この凄いタイトルに負けないくらいに映画もまた凄い内容だ。桜庭一樹の直木賞受賞作品の映画化なのだが、ひとりの少女がたったひとりになるところから始まる。まだ10歳くらいの女の子が震災(奥尻島の大地震) によって家族を失い天涯孤独になる。彼女を助けたのは遠縁にあたる青年で、彼は彼女を引き取り育てることになる。身寄りのない彼女は彼を慕い、たったふたりで身を寄せ合うようにして生きる。 美談ではない。生 . . . 本文を読む
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