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映画・演劇のレビュー

『ラストミッション』

2014-08-08 21:57:48 | 映画
 一世を風靡したケビン・コスナーの主演映画が久々に公開された。もちろん今時ケビン映画なんか、劇場公開されたことが不思議。それくらいに忘れ去られようとしているハリウッドスターになった。あの大ヒット作『ボディガード』の栄光はいずこ。今回もハリウッドではなく、都落ちして、フランスくんだりまで出張した。例によってまた、製作、脚本はリュック・ベッソンだ。リュック・ベッソンもまた、過去の人だ。『グレート・ブルー』(『グラン・ブルー』でもよい)やデビュー作『サブウェイ』での颯爽とした姿が今でも目に鮮やか! でも、今の彼が製作する(ヨーロッパ・コープという会社)娯楽映画の数々にはいつも閉口させられる。(A級の予算で作られるB級の映画ばかりだ)

 で、またもや、今回も、である。毎度毎度よくもまた、こんな映画を飽きもせず作れるものだ。感心する。まぁ、商売だから仕方ないか。でも、なんだかなぁ、と思う。

 いや、今はケビン・コスナーの話だった。あの『ダンス・ウィズ・ウルブス』や『フィールド・オブ・ドリームス』で映画史に残る業績を残したのも、今ではもう過ぎし日の出来事だ。90年代前半がピークだった。そして、今。落ち目になって、こんな映画に出た。

 でも、これは悪い映画ではない。監督は『ターミネーター4』や『チャーリーズ・エンジェル』で一世を風靡した(そればっかり!)マックGである。派手なアクションをやらせたら、右に出るものはない。というか、別に彼の右に出たい、とは誰も思わないだろうけど。今回も派手なシーンのオンパレード。アクションや爆破の数々、コミカルな話で、退屈させないけど、どうでもいい映画。実は7月の初めに見たのに、ここに書くのを忘れていたしろもの。たまたま、書いてないよな、と思い出したから書き始めた。別にここに書く必要はない。

 僕は高尚な映画より、こういうバカな映画のほうが好き。(まぁ、そんなふうに思うのは「ときたま」だけど)つまらないなぁ、と思いながら、ポップコーンを食べながら、こういう見る時間も実は至福のひと時なのだ。最初からこの映画に何も期待してないからがっかりもしない。

 実は書いてない映画はほかにもたくさんある。たとえば『ダイバージェント』とかね。これなんかは、結構期待したほうだ。そのぶん、がっかりが大きくて惨いことを書いても、時間の無駄なので書かないでいたけど、『ラストミッション』でも、書いたのだから、少し書いてみよう。あの悲惨な映画『ハンガーゲーム』と同じようなタイプの全米大ヒット作である。あれも3部作だが、これもこの後全3部作として製作されるらしい。アメリカ人はこういうタイプの映画が大好きなのだなぁ(と、あきれる)。

 話がタルすぎる。3部作にするための引き延ばし工作か。描かれる世界観もよくあるパターンから一歩も出ないから、新鮮味はない。CGを使うとどんな凄いシーンも作れるから、反対にもう驚かない。そのぶん、お話の魅力で引っ張らなくてはなるまい。でも、いかんせんこの程度だ。なんだか考えるのも虚しくなってきたから、もうやめる。とほほ。




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